
「日本語教育能力検定試験に合格するためには『過去問』が大事」とよく見るけれど、どのように取り組んでいけば良いかわからない……
という方向けに記事にしてみました。
これから過去問にチャレンジする方も、既に何年度分か取り組んでいる方も、一緒に「過去問に取り組む意義」を再確認していきましょう。
なぜ、過去問に取り組むのか?
出題傾向を掴むため < 知識を網羅的にカバーするため
執筆時点で、1冊で出題範囲の細かい部分まで網羅的にカバーできる参考書はありません。
赤本 + 用語集
合格するための本 + 用語集
で近いレベルまで到達することはできますが、実際のレベルを経験するためには過去問が必要になってきます。
過去問に取り組んだ際に、どの受験生も感じるのは
知識はあったが、問題形式だと解けなかった
ということです。
「赤本」「合格するための本」のいずれかを主軸として学習を進める方が多いかと思います。
これらは教科書として体系的にまとめられているため、必要な参考書を聞かれた際は「1冊目」として勧めています。
ただ、これらは過去の傾向から出題頻度の高いものをまとめているので、「第○版」の出版年の前までしかカバーできていません。
用語によっては「近年、出題が増えてきたもの」もあるので、網羅的に知識をカバーしていくためには過去問の取り組みが必須です。
ヒューマンアカデミー 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド(赤本)
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アルク 日本語教育能力検定試験に合格するための本
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日本語教育能力検定試験の過去問は、何年分取り組めば良いか?
最低、3年分
可能であれば、5年分
にチャレンジしましょう。
理由はシンプルに「例年、合格する受験生はこの量をやっているから」です。
「ある年度の誤答の選択肢が、別の年度の正答」というのはよくあります。
「解答を間違えたタイミング」が1番知識が定着しやすいので、その経験は多いに越したことはありません。
直近3年では1回しか出てこなかったが、5年度分で見ると3回出題されている……という場合もあります。
可能であれば、5年分にチャレンジしましょう。
「他の受験生は知っているが、自分は知らない」というモヤモヤした部分を作らないことが大切です。
6年前・7年前は、優先度がグッと下がります。
それは、出題傾向に違いが見られるからです。
過去に遡り過ぎるよりも、5年分の周回数を意識した方が点数は安定しやすくなります。
【①5年分を】【②繰り返し取り組む】ことを前提に、学習計画を立てていきましょう。
日本語教育能力検定試験の過去問は、どの学習段階から取り組めば良いか?
可能な限り、早い段階から取り組んでいきましょう。
「出題範囲の勉強を一通り終えてから…」という気持ちもよくわかります。
私もそうでした。
日本語教育能力検定試験は出題範囲がべらぼうに広いので、全範囲の学習を一通り終えたころには最初に取り組んだ範囲の内容を忘れてしまいます。
また、目指すべきゴールが曖昧なまま学習を進めていくのは、あまり良い状態だとは言えません。
日本語教師を目指すにあたり、
△ 国語が大嫌い
△ 外国語学習が大嫌い
という方は少ないのではないかと思います。
そのため、自信の有無はあっても、過去問には全く歯が立たない…ということはありません。
早い段階で過去問にチャレンジする目的は、
△ 自信をつける
△ 知識の抜けているところをカバーしていく
ことではなく、目指すべきゴールを明確にすることです。
それでも不安が残る場合は、最新年度の試験Ⅰだけ取り組んでみましょう。
分野ごとに大問が設定されているため、重点的に学習しなければならない単元がわかりやすいです。
日本語教育能力検定試験の過去問は、どこで購入できるか?
大きめの書店や、インターネット上で購入できます。
覚悟が決まると、学習意欲も高まります。
「1冊終えてから、次の年度を…」ではなく、まとめて購入するのがおススメです。
これは個人的な意見なのですが、可能であれば中古で探すのではなく、新品で購入していただきたいと思っています。
このご時世で、日本語教育業界も大変です。
可能な限り、出版元に還元できるようにしていきましょう。
日本語教育能力検定試験の願書の取り扱いがある規模の書店であれば、5年分の過去問は置いてあることが多いです。
どのような参考書・問題集の取り扱いがあるかを確認する良い機会なので、ぜひ書店で現物を手に取ってみましょう。
なかなか大きな書店に行くのが難しい……という場合は、インターネットでの購入も可能です。
執筆時点での最新5年度分のリンクを貼っておくので、ご確認ください。
令和3年度試験
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令和2年度試験
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令和元年度試験
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平成30年度試験
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平成29年度試験
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日本語教育能力検定試験の過去問は、どのように取り組めば良いか?
問題を解く → 赤本や用語集で確認する
を繰り返しましょう。
「本番と同じ時間で、通しで取り組んでみる」というのも大切ですが、必ずしもすべての年度をその取り組み方をしなければならないわけではありません。
過去問に取り組む目的は「知識を網羅的にカバーするため」なので、細かく「解く→確認→解く→確認」を繰り返していきましょう。
確認作業は「赤本」や「合格するための本」の索引のほか、用語集も持っていると捗ります。
用語集を購入する際は、教科書となる「赤本」「合格するための本」と出版社を揃えるのがおススメです。
ヒューマンアカデミー 日本語教育能力検定試験 分野別用語集
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アルク 日本語教育能力検定試験に合格するための用語集
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「○×」だけでなく、「正解に至るプロセスが合っていたか」を記録しましょう。
ついつい「正答率が○%だった!」と一喜一憂しがちになりますが、大切なのは「そこに再現性があるか」です。
直感で正解できたことが悪いわけではありません。
直感とは「これまで経験してきたことの積み重ねの中で、まだ言語化できていないもの」なので、それも十分実力のうちだと言えます。
……とはいえ、試験本番で直感が上手く機能してくれるとは限りません。
可能な限り確率を高めていくためには、直感の言語化が必要です。
本サイトでは、正解に至るまでのプロセスも解説しています。
ぜひ、有効活用してください。