
今回は、日本語教育能力検定試験の出題範囲の中でも苦手としている方の多い「時事問題」のおススメ学習法をご紹介していきます。
時事問題は、日本語教師にとっての「マーケティング分野」
日本語学習者数が増えているのか?減っているのか?
どのような学習目的が増えているのか?
これらは日本語教師として、どのような知識をつけていけば良いかの道標になります。
学習者の母集団やニーズは、時代の流れに合わせて絶えず変化していきます。
教え方が対面からオンラインに拡大していったように、教える内容も相手によって変わっていくはずです。
学習者側が変化していく以上、日本語教師側も変わっていかなければなりません。
学習者の母語についての知識がない日本語教師よりも、話せるまではいかないにしろ、ある程度の知識がある日本語教師の方が需要が大きいです。
また、教科書に載っている語彙・文型しか教えられない日本語教師よりも、学習者の目的に合わせて+αを伝えられる日本語教師の方が必要とされる場面が多いですよね。
日本語教師にとって、現状維持は停滞だと言えます。
とはいえ、闇雲に知識の幅を広げていけば良いわけではありません。
学習者あっての日本語教師です。
目指す方向は、学習者が教えてくれます。
そういった意味で、時事問題は「日本語教師にとってのマーケティング分野」だと言えます。
学習者のことを感覚ではなく、客観的に判断できる統計数値をベースに考えていくことが大切です。
時事問題は、業界のニュースにアンテナを張るきっかけになる
どこを見れば必要な情報を得られるかがわかることで、常に最新の情報を取りに行くことができます。
「時事問題」で学習できる内容は、1回勉強して終わりではありません。
常に情報のアップデートが必要です。
また、数値は単独で見ても、高いor低いの判断がつきません。
変化を捉えることが大切です。
どのホームページのどこを見れば良いかがわかれば、それを定期的にウォッチするだけです。
この「どこを」「どのように見れば良いか」を身につけることが、時事問題学習の本質だと言えます。
時事問題の出題は、例年10~15点分
文法で10~15点分底上げするよりも、時事問題で取る方が簡単です。
時事問題では、端数まで含めた詳細な数値や重箱の隅をつつくような問題は出題されません。
それでも、例年10~15点分は出題されています。
日本語教育能力検定試験は「この簡単な問題は1点」「この難易度の高い問題は5点」のような配点ではなく、「すべての問題が1点」で作られています。
1番出題数が多いのは「言語」分野です。
一方で、1番難易度のコントロールがしやすいのも「言語」分野です。
「言語」分野の中心である「文法」の学習は絶対に必要ですが、点数を安定させる上では「ざっくりとした傾向理解」で良い時事問題の方が簡単だと言えます。
時事問題に必要な知識は「速報レベル」でOK
例年、時事問題の出典元は「詳細版」ではなく「速報版」です。
統計情報には、数十ページに及ぶ「詳細版」と3ページ程度の「速報版」があります。
時事問題の出典元は「詳細版」ではなく、簡易的な「速報版」です。
「速報版」はパワーポイントで作成された粗めの資料です。
「前回の調査と比べて、どこが変わったのか?」を中心に構成されているので、それだけで傾向の概要を掴むことができます。
可能であれば画面上で確認するのではなく、印刷して手元で確認できるようにしておきましょう。
数値部分をマーカーで塗る・出題された部分を〇で囲むなどして、情報を取り込みやすくするのがおススメです。
時事問題の過去問は、新しい年度から取り組む
出典元によっては、毎年更新されるものもあります。
過去分の知識が必要ない場合もあるので、必ず新しい年度から順に取り組んでいきましょう。
時事問題の出典元を確認する際は、更新頻度も見ておくようにしましょう。
「前回の調査と比べて、数値がどう変化したのか?」は確認する必要がありますが、新しい調査結果が出ているものであれば過去数値はそこまで重要でない場合もあります。
「ここは、そこまで深く勉強しなくても良かった…」を避けるために、過去問は新しい年度から順に取り組んでいくようにしていくのが良いですね。
時事問題は、一次情報に触れることが重要
時事問題は、必ず自身で出典元に触れるようにしましょう。
抜粋された内容だけでは得られない情報を確認することができます。
切り取られたり、加工されたりした情報で確認するのは誤認識を招くことになり危険です。
必ず、出典元の情報を確認するようにしましょう。
正しい情報を確認するためには、正しい出典元を確認する必要があります。
過去問解説サイトで培った経験をもとに、出典元のリンク集を作成しました。
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