令和6(2024)年度 第1回 問4の過去問解説!【日本語検定 2級】

【令和6年度 日本語検定2級】過去問解説

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目次

問4 文法

解説 「さえ」の用法

「さえ」は、国文法では「副助詞」・日本語教育文法では「とりたて助詞」です。

この問題では、「さえ」について3つの用法を提示しています。

体調が悪く、食事ができない。

であれば、単に「食事ができない」という事態を述べているだけですが、

体調が悪く、食事さえできない。

のように、「さえ」を使ってとりたてることで、極限状態であることを表すことができます。

聞き手が「そこまではないだろう」と思うような極限を示すことで、その事態が意外なことであることがわかりますね。

これがAの意外性を表す用法です。
この場合の「さえ」は、

体調が悪く、食事さえできない。
体調が悪く、食事すらできない。

のように、「すら」に置き換えることができます。

また、「さえ」は

許可さえもらえたら、あとはこちらで進めておきます。
許可さえもらえれば、あとはこちらで進めておきます。

のように、「最低限●●であれば…」という条件を表すこともできます。

「たら」がついている「許可さえもらえたら」が従属節・「あとはこちらで進めておきます」が主節です。
従属節が主節の事態が起きるための最低条件になっていますね。

これがBの順接条件節の中で最低限の条件を表す用法です。
この場合の「さえ」は、

許可さえもらえたら、あとはこちらで進めておきます。
許可だけもらえたら、あとはこちらで進めておきます。

許可さえもらえれば、あとはこちらで進めておきます。
許可だけもらえれば、あとはこちらで進めておきます。

のように、「だけ」に置き換えることができます。

「さえ」は、

雨が降っているだけでなく、雷さえ鳴り出した。

のように、「●●までも…」という追加の情報を表すこともできます。
これも1つ目と同様に、極限の用法の1つです。
意外性を表すのではなく、その傾向や状況の悪化を表す点が1つ目の用法と違います。
このCの用法での「さえ」は、

雨が降っているだけでなく、雷さえ鳴り出した。
雨が降っているだけでなく、雷まで鳴り出した。

のように、「まで」に置き換えることができます。

炎がますます勢いを増し、煙まで立ち込める中で…

のように、「さえ」を「まで」に置き換えることができますね。

Cが正解です。

答えは…A

大人にすら難解極まる哲学書を…

のように、「さえ」を「すら」に置き換えることができますね。

Aが正解です。

ワクチンだけ安価に手に入れば…

のように、「さえ」を「だけ」に置き換えることができますね。

Bが正解です。

晩酌に続いて晩酌まで禁止されて…

のように、「さえ」を「まで」に置き換えることができますね。

Cが正解です。

答えは…A

向こうはメールを読んですらくれていなそうだ

のように、「さえ」を「すら」に置き換えることができますね。

Aが正解です。

答えは…A

簡単な電話の応対すら満足にできないようでは…

のように、「さえ」を「すら」に置き換えることができますね。

Aが正解です。

私が余計な一言だけ言わなければ…

のように、「さえ」を「だけ」に置き換えることができますね。

Bが正解です。

いつでも辞めてやるという覚悟ができてだけいれば…

のように、「さえ」を「だけ」に置き換えることができますね。

Bが正解です。

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過去問で確認したいこと

過去問演習では、
「どのような知識が」
「どのように出題されるか」

の2点を確認しましょう。

特に、

  • 敬語
  • 文法

の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。

過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、

「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」

のどちらなのかを明確にすることです。

前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。

  • 語彙
  • 言葉の意味
  • 漢字

のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、

  • 敬語
  • 文法

のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。

また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。

日本語検定は、1級から4級で、

  • 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
  • 1問1問の難易度が異なる

という違いはあるものの、

  • 敬語
  • 文法

のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。

敬語であれば、

  • 尊敬語
  • 謙譲語Ⅰ
  • 謙譲語Ⅱ
  • 丁寧語
  • 美化語

の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。

文法であれば、

  • 動詞
  • 副詞
  • 助詞

などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。

例えば、

買い物行くので、8時集合してください。

には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。

買い物

の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。

また、

8時に

の格助詞「に」は、

駅に

の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。

まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。

この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。

  • 過去問を解いていて、不安が残る分野
  • もっと解くスピードを上げたい分野

があれば、ぜひご活用ください。

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