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前の問題


問3 文法
一


下一段活用の動詞は、未然形+「られる」で受身形になる。
選択肢で使われているのは、動詞の「話しかける」ですね。
「話しかける」は、
未然形 | 話しかけ-ない |
連用形 | 話しかけ-ます |
終止形 | 話しかける |
連体形 | 話しかける-とき |
仮定形 | 話しかけれ-ば |
命令形 | 話しかけろ |
のように、下一段活用です。
下一段活用の動詞は、
- 蹴る → け-られる
- 捨てる → 捨て-られる
のように、未然形+「られる」で受身の意味を表すことができます。
2 (話しかけられ)なかった
が良いですね。
これが正解です。
1 (話しかけれ)なかった
のように、必要な「ら」が抜け落ちた表現を「ら抜き言葉」と言います。
- 読む → 読ま-れる
- 話す → 話さ-れる
といった五段活用の動詞は、未然形+「れる」で受身形を作るのですが、これと混同したことによる誤用です。
二


五段活用の動詞は、未然形+「せる」で使役形になる。
選択肢で使われているのは、動詞の「焼く」ですね。
「焼く」は、
未然形 | 焼か-ない |
連用形 | 焼き-ます |
終止形 | 焼く |
連体形 | 焼く-とき |
仮定形 | 焼けれ-ば |
命令形 | 焼け |
のように、カ行の五段活用です。
五段活用の動詞は、
- 読む → 読ま-せる
- 聞く → 聞か-せる
のように、未然形+「せる」で使役形にすることができます。
1 私に(焼かせて)
が良いですね。
1が正解です。
2 私に(焼かさせて)
のように、不要な「さ」が挿入された表現を「さ入れ言葉」と言います。
- 着る → き-させる
- 寝る → ね-させる
といった上一段活用・下一段活用の動詞は、未然形+「させる」で使役形を作るのですが、これと混同したことによる誤用です。
三


下一段活用の動詞は、未然形+「られる」で可能形になる。
選択肢で使われているのは、動詞の「聞き取る」ですね。
未然形 | 聞き取れ-ない |
連用形 | 聞き取れ-ます |
終止形 | 聞き取れる |
連体形 | 聞き取れる-とき |
仮定形 | 聞き取れれ-ば |
命令形 | 聞き取れ |
のように、下一段活用です。
下一段活用の動詞は、
- 答える → 答え-られる
- 寝る → ね-られる
のように、未然形+「られる」で可能の意味を表すことができます。
2 難なく(聞き取れる)ようになった
が良いですね。
これが正解です。
1 難なく(聞き取れれる)
のように、不要な「れ」が挿入された表現を「れ足す言葉」と言います。
これは、
- 見える → 見えれる
- 読める → 読めれる
のように、可能動詞に可能の助動詞「れる」を付加してしまうことによる誤用です。
四


ラ行五段活用の動詞の連用形には、促音便が現れる。
選択肢で使われているのは、動詞の「成り代わる」ですね。
未然形 | 成り代わら-ない |
連用形 | 成り代わり-ます |
終止形 | 成り代わる |
連体形 | 成り代わる-とき |
仮定形 | 成り代われ-ば |
命令形 | 成り代われ |
のように、ラ行の五段活用です。
「て」が後続するときは、連用形であり
× 成り代わり-て
ではなく、
〇 成り代わっ-て
のように、促音便になります。
2 オペレーターに(成り代わって)
が良いですね。
これが正解です。
「成り代わりする」という動詞はないので、
1 成り代わりして
は、適切ではありません。
五


「素知らぬ」は、活用がない連体詞。
選択肢で使われているのは、連体詞の「素知らぬ」ですね。
連体詞は、活用せずに名詞を修飾する語で
あの曲が好きだ。
ある日、おじいさんが山へ芝刈りに…
の「あの」「ある」なども連体詞の仲間です。
連体詞は、活用がないので、
2 (素知らない)ふりをしていた
のように、動詞の未然形と同じ変化をさせることができません。
1 (素知らぬ)ふりをしていた
が正解です。
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過去問解説の一覧
過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

