
著作権の関係上、問題は掲載していません。
以下をご用意の上で、ご確認ください。
問3 敬語
ア


店員がお客様に対して、イスに座って待つように伝えています。
下線部ア お掛けして待ってください
では、「待つ」というお客様の行動に「お~する」という謙譲語Ⅰを用いているので、不適切な表現です。
2 掛けてお待ちください
では、「お~ください」のように、お客様の行動に対して尊敬語が使われています。
これが正解です。
3 お座りください
では、「お~ください」のように、お客様の行動に対して尊敬語が使われています。
それ自体は問題ないのですが、これだけでは「待つ」という行動の依頼ができていないですね。
3は、間違いです。
4 お席についてお待ちください
では、「お~ください」のように、お客様の行動に対して尊敬語が使われています。
それ自体は問題ないのですが、「お席」としてしまうと、特定の座席を指す内容になってしまいますね。
2と比べたときに、最も適切な選択肢ではありません。
イ


店員がお客様に対して、眼鏡フレームのライセンスが終了していて修理ができるかの確認が必要であるものの、自社の修理工房での対応ができる旨を伝えています。
下線部イ 修理工房での対応もできます
では、丁寧語の「ます」だけが使われており、最も適切な表現ではありません。
2 修理工房でのお直しもできます
の「お直し」は、衣類の寸法直しなどで使われる表現です。
2は、間違いです。
3 修理工房での修理を承ることもできます
では、「受ける」の謙譲語Ⅰである「承る」が使われています。
立てるべき人物である「お客様」への敬意が適切に表現されていますね。
これが正解です。
4 工房での修理となります
では、丁寧語の「ます」だけが使われていますね。
この「となります」という表現だと、お客様に一方的な印象を与えてしまう可能性があります。
4は、間違いです。
ウ


店員がお客様に対して、眼鏡の鼻当てが取り換える必要がある旨を伝えています。
下線部ウ お取替えということになりますね
では、「ということになりますね」という表現がお客様に一方的な印象を与えてしまう可能性があります。
1は、間違いです。
2 お取替えになりますことをご理解ください
は、少し言葉が強いですね。
お取替えになってしまうのですが…
のように、遠回しな表現にしないと、失礼な印象になってしまう場合があります。
3 お取替えとさせていただきます
では、「とさせていただきます」という表現がお客様に一方的な印象を与えてしまう可能性があります。
3は、間違いです。
4 新しいものに替える必要がありますが
のように、遠回しな表現にするのが良いですね。
これが正解です。
エ


店員がお客様に対して、代理店に確認してから修理の見積もりを出すことについて打診しています。
下線部エ お尋ねしてから
では、立てるべきではない代理店に対して、「お~する」の謙譲語Ⅰが使われていますね。
1は、間違いです。
2 確認してから
では、立てるべきではない代理店に対して、敬語を用いない表現が使われています。
これが正解です。
3 伺ってから
立てるべきではない代理店に対して、「聞く」の謙譲語Ⅰである「伺う」が使われていますね。
3は、間違いです。
4 打診してから
では、立てるべきではない代理店に対して敬語が使われていないのは問題ないものの、「打診する」という語自体が不適切ですね。
「相手に少し働きかけ、その反応によって様子を探ること」を表すので、シンプルに「確認する」の方が適切です。
4は、間違いです。
オ


店員がお客様に対して、今日があいにく週末であるため、残念ながら代理店に連絡ができないことを伝えています。
下線部オ 間の悪いことに
だと、お客様が週末に来店したことが悪いようなニュアンスになってしまいます。
1は、間違いです。
2 タイミング悪く
も同様の理由により、不適切ですね。
2は、間違いです。
3 残念ながら
は、相手の希望に添えないことを伝えるときに使われる表現です。
今回は、連絡のタイミングについてお客様からのご要望があるわけではないので、最も適切な表現ではありません。
4 あいにく
が良いですね。
これが正解です。
次の問題


過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

