MENU
  • Home
  • 過去問解説
  • 日本語文法
  • 練習問題
  • おススメアイテム
  • 登録日本語教員
日本語教育ナビ
日本語教育に携わる方・日本語教師を目指す方のためのサイト
  • Home
  • 過去問解説
  • 日本語文法
  • 練習問題
  • おススメアイテム
  • 登録日本語教員
全分野の一問一答ツールが出そろいました! 今すぐ確認!
  1. ホーム
  2. 例文で学ぶ 日本語文法
  3. 談話・表現
  4. 「に対して」「のに対して」の用法【例文で学ぶ 日本語文法】

「に対して」「のに対して」の用法【例文で学ぶ 日本語文法】

2023 12/18
広告
例文で学ぶ 日本語文法 談話・表現
2023年12月18日2024年9月5日
「に対して」の用法

今回は、
✅ 「に対して」「のに対して」の意味・使い方
✅ 対象を表す複合格助詞「に対して」
✅ 割合を表す複合格助詞「に対して」
✅ 対比を表す等位節「のに対して」
について、一緒に勉強していきましょう。

この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、以下をブックマークしてご確認ください。
例文で学ぶ 日本語文法

目次

「に対して」「のに対して」の意味・用法

「に対して」には対象と割合の用法・「のに対して」には対比の用法があります。

「に対して」は、複数の語で1つの格助詞のような働きをする複合格助詞です。
通常の格助詞と同じように、名詞のあとについて用いられます。

「のに対して」は、1つの文の中で複数の述語が現れる複文で用いられます。
動詞・形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)・名詞述語のあとについて用いられます。

① 対象を表す複合格助詞「に対して」

対象とは?

「対象」とは、述語が表す働きや認識に対し、その動きの影響を受けるもの・認識が向けられるもののことです。

本を読む。
小説が好きだ。
小説家にあこがれる。

「を・が・に」は、対象の用法がある格助詞です。

例文では、
「本」は、「読む」という動作の対象
「小説」は、「好きだ」という心的状態の対象
「小説家」は、「あこがれる」という心的活動の対象
を表しています。

対象を表す「に対して」の用法

「に対して」は、働きかけのめあてとしての対象を表します。

彼の意見に対して賛成した。

での「(彼の)意見」は、「賛成する」という働きかけのめあてとしての対象を表しています。

彼の意見に賛成した。

のような格助詞「に」でも表すことができる意味をさらに明示化していますね。

父親に対して反抗してばかりいた。

での「父親」は、「反抗する」という働きかけのめあてとしての対象を表しています。

これも

父親に反抗してばかりいた。

のような格助詞「に」でも表すことができる意味をさらに明示化していますね。

述語が動詞の場合は、働きかけのめあてとしての対象を明確化していますが、イ形容詞・ナ形容詞の場合は、

彼は、女性に対して優しい。
この本は、子どもに対して有害だ。

のように、その適用する領域を限定する意味を持つことがあります。

② 割合を表す複合格助詞「に対して」

割合とは?

「割合」とは、期間や数量などの一定数を基準として、ほかのものの多い・少ないを相対的に表したもののことです。

1週間に1冊は本を読むようにしましょう。
日本人の3人に1人が、80歳までに帯状疱疹にかかると言われています。

「に」は、割合の用法がある格助詞です。

例文では、

  • 「1週間」という基準となる期間
  • 「3人」という基準となる人数

を提示し、そのうちの部分量を続けて表しています。

割合を表す「に対して」の用法

「に対して」は、「の割合で」を伴うことで「Aに対するBの割合」を表します。

生徒2人に対して講師1人の割合で指導を行います。

この例文は、生徒2:講師1の割合であることを表しています。
生徒が4人の場合は講師が2人・生徒が10人の場合は講師が5人ですね。

受験者数100名に対して20名の割合で合格した。

この例文は、合格率が20%であることを表しています。
受験生が50名の場合は合格者が10名・受験者数が1,000名の場合は合格者数が200名ですね。

「の割合で」がない場合、「割合」ではなく「特定の数量」を表します。

受験者数100名に対して20名が合格した。

だと、受験者数は100名で固定ですね。
受験者数が1,000名だと合格者数は200名…のような割合の意味は持たなくなります。

③ 対比を表す等位節「のに対して」

対比とは?

「対比」とは、複数の同類のものを比べることです。

対比を表す「のに対して」の用法

「のに対して」は、別の人や事柄について、両者の対照的な側面を対比的に表します。

アリは真面目に働いていたのに対して、キリギリスは遊んでばかりいた。

だと、アリとキリギリスの行動についての対照的な側面が対比されていることがわかります。

この「のに対して」は、「が」「けれど」に置き換えが可能です。

アリは真面目に働いていたが、キリギリスは遊んでばかりいた。
アリは真面目に働いていたけれど、キリギリスは遊んでばかりいた。

意味は同じですが、「のに対して」の方がかたい印象になりますね。
また、より対比の意味を前面に出して、両者の違いを強調する表現だと言えます。

「に対して」「のに対して」の使い方

「に対して」は、対象・割合を表す複合格助詞

「複合格助詞」とは、「に対して」「として」「によって」のように、格助詞と動詞などの結びつきが固定化して格助詞相当の機能を持つようになったもののことです。

「複合格助詞」は、名詞と述語のあいだに成り立つ意味関係を表す「格」という文法カテゴリーで登場します。

彼の曖昧な態度にイライラした。

の格助詞「に」が接続する「(彼の曖昧な)態度」が「イライラした」という述語の対象になっているのと同じように、

彼の曖昧な態度に対してイライラした。

の複合格助詞「に対して」が接続する「彼の曖昧な態度」が「イライラした」という述語の対象になっていますね。

また、

10人に1人が当選します。
10人に対して1人の割合で当選します。

のように、割合を表す格助詞「に」と同じ働きをすることもできます。

どちらの用法も複合格助詞なので、通常の格助詞と同じように、前に来るのは「名詞」です。

「のに対して」は、対比を表す等位節をつくる

「等位節」とは、主節に対しての従属度が低く、対等に近い関係を持つ節のことです。

「等位節」は、2つ以上の述語を持つ「複文」という文法カテゴリーで登場します。

Aさんが英語を勉強しているのに対して、Bさんは数学を勉強している。

「節」とは、1つの述語とそれに従属するいくつかの成分のことです。
上の文であれば、「Aさんは英語を勉強しているのに対して」という従属節(メインでない節)と「Bさんは数学を勉強している」という主節(メインの節)があります。

主節・従属節という名称ではあるものの、両者の関係は対等ですね。
このような関係の従属節を「等位節」と呼びます。

この場合は、「に対して」だけでは使えず、「のに対して」の形で使用します。
また、「節」なので、前に来るのは述語を作る「動詞・イ形容詞・ナ形容詞・名詞」です。

「のに対して」の接続

「のに対して」は、
● 動詞の非過去形・過去形
● イ形容詞の非過去形・過去形
● ナ形容詞の語幹+「な/だった/である/であった」
● 名詞+「な/だった/である/であった」

に接続します。

【動詞】
Aさんは毎日運動したのに対して、Bさんは週1回しか運動しなかった。

【イ形容詞】
この料理はとてもおいしいのに対して、あちらの料理はあまりおいしくない。

【ナ形容詞】
姉の部屋はきれいなのに対して、妹の部屋はきれいではなかった。

【名詞】
兄はフリーターなのに対して、弟は弁護士だ。

最後に

今回は、
✅ 「に対して」「のに対して」の意味・使い方
✅ 対象を表す複合格助詞「に対して」
✅ 割合を表す複合格助詞「に対して」
✅ 対比を表す等位節「のに対して」
について、解説してきました。

現代日本語文法2 第3部格と構文 第4部ヴォイス
著:日本語記述文法研究会
¥3,080 (2025/05/26 16:37時点 | Amazon調べ)
Amazon
楽天市場
ポチップ
現代日本語文法6 第11部 複文
著:日本語記述文法研究会
¥3,080 (2025/05/28 08:35時点 | Amazon調べ)
Amazon
楽天市場
ポチップ

を主に参考にしています。

さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。

また、この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、ブックマークしてご確認ください。

あわせて読みたい
例文で学ぶ 日本語文法 文法書を読み込んでいくのは、まだハードルが高い…でも、学習者向けの文法解説だと物足りない…という声にお応えして、日本語文法を基礎から解説しています。文法学習の...
例文で学ぶ 日本語文法 談話・表現
「に対して」の用法

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Follow @E6b4eQSNWEXYZXB
この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

むきえびのアバター むきえび

日本語学を専攻し、大学3年次に日本語教育能力検定試験に一発合格しました。
好きな文法カテゴリは、「複文」です。

関連記事

  • 複合語とは?
    日本語の複合語とは?複合名詞・複合動詞・複合形容詞の例・作り方を一覧でわかりやすく解説!【例文で学ぶ 日本語文法】
    2025年1月8日2025年5月27日
  • 「いかんにかかわらず」の用法
    「いかんにかかわらず」「いかんによらず」「いかんをとわず」の用法【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年9月5日2025年5月27日
  • 音読み・訓読みとは?
    漢字の音読み・訓読みとは?違いと見分け方をわかりやすく解説!【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年7月30日2025年5月27日
  • 「など」の用法
    「など」の2つの用法・「なんか」「なんて」とはどう違うの?【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年7月8日2025年5月27日
  • 「とたん」の用法
    「とたん」「とたんに」の用法【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年6月28日2025年5月27日
  • 「際」の用法
    「際」(際に・際の・際は・際には)の用法・「とき」「折」とはどう違うの?【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年6月18日2025年5月27日
  • 「によって」の用法
    複合格助詞「によって」の3つの用法【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年6月14日2025年5月27日
  • 「得る」の用法
    「得る(える・うる)」「得ない(えない)」の用法【例文で学ぶ 日本語文法】
    2024年5月28日2025年5月27日
サイト内での用語検索はこちら
日本語教育能力検定試験 過去問分析ツールのご案内
【日本語教員試験・日本語教育能力検定試験】一問一答ツールのご案内
時事ワークシート
日本語学を専攻し、大学3年次に日本語教育能力検定試験に一発合格しました。
好きな文法カテゴリは、「複文」です。
詳しい自己紹介はこちら
登録日本語教員
過去問解説
日本語文法
練習問題
時事知識
YouTube
カテゴリー
  • 私とサイトの自己紹介 (1)
  • おススメ書籍・アイテム (26)
  • 日本語教師 (1)
  • 登録日本語教員 (7)
  • 例文で学ぶ 日本語文法 (209)
    • 日本語文法の基礎 (4)
    • 品詞全般 (15)
    • 助詞 (11)
    • 助動詞 (4)
    • 動詞 (19)
    • 形容詞(イ形容詞) (3)
    • 形容動詞(ナ形容詞) (3)
    • 接続詞 (3)
    • 格 (26)
    • 構文 (4)
    • ヴォイス (1)
    • アスペクト (4)
    • テンス (1)
    • 複文 (43)
    • 否定 (10)
    • モダリティ (16)
    • とりたて (10)
    • 主題 (4)
    • 敬語 (1)
    • 談話・表現 (38)
    • 漢字 (3)
    • その他 (2)
  • 練習問題 (359)
    • 言語と社会 (4)
    • 言語と教育 (11)
    • 言語 (344)
      • 音声分野 (175)
  • 基礎から学ぶ 音声分野 (8)
  • 日本語教育能力検定試験 (419)
    • 日本語教育能力検定試験とは? (7)
    • 過去問解説 (371)
      • 令和6年度 過去問解説 (41)
        • 令和6年度_試験Ⅰ (18)
        • 令和6年度_試験Ⅱ (6)
        • 令和6年度_試験Ⅲ (17)
      • 令和5年度 過去問解説 (41)
        • 令和5年度_試験Ⅰ (18)
        • 令和5年度_試験Ⅱ (6)
        • 令和5年度_試験Ⅲ (17)
      • 令和4年度 過去問解説 (41)
        • 令和4年度_試験Ⅰ (18)
        • 令和4年度_試験Ⅱ (6)
        • 令和4年度_試験Ⅲ (17)
      • 令和3年度 過去問解説 (41)
        • 令和3年度_試験Ⅰ (18)
        • 令和3年度_試験Ⅱ (6)
        • 令和3年度_試験Ⅲ (17)
      • 令和2年度 過去問解説 (41)
        • 令和2年度_試験Ⅰ (18)
        • 令和2年度_試験Ⅱ (6)
        • 令和2年度_試験Ⅲ (17)
      • 令和元年度 過去問解説 (41)
        • 令和元年度_試験Ⅰ (18)
        • 令和元年度_試験Ⅱ (6)
        • 令和元年度_試験Ⅲ (17)
      • 平成30年度 過去問解説 (41)
        • 平成30年度_試験Ⅰ (18)
        • 平成30年度_試験Ⅱ (6)
        • 平成30年度_試験Ⅲ (17)
      • 平成29年度 過去問解説 (41)
        • 平成29年度_試験Ⅰ (18)
        • 平成29年度_試験Ⅱ (6)
        • 平成29年度_試験Ⅲ (17)
      • 平成28年度 過去問解説 (41)
        • 平成28年度_試験Ⅰ (18)
        • 平成28年度_試験Ⅱ (6)
        • 平成28年度_試験Ⅲ (17)
      • 年度横断 (1)
  • 学習コラム (3)
目次
  • 登録日本語教員
  • 過去問解説
  • 日本語文法
  • 練習問題
  • おススメアイテム
  • Privacy Policy

© 日本語教育ナビ.

  • メニュー
  • 登録日本語教員
  • 過去問解説
  • 日本語文法
  • 練習問題
  • おススメアイテム
  • Privacy Policy
目次