助詞と助動詞の違い・見分け方【例文で学ぶ 日本語文法】

助詞と助動詞の違い

助動詞には活用がある・助詞にはない

助動詞は、基本的に活用があり、用いられ方によって単語の終わりの部分が変化します。
助詞は、活用がないため、形が変化することはありません。

ハワイに行きたい。

文節で区切ると、

• ハワイ+に（名詞+助詞）
• 行き+たい（動詞+助動詞）

です。

「ハワイに」の「に」は、【移動の着点】を表す格助詞です。

ハワイに行く。
ハワイに向かう。
ハワイに帰る。

のように「あとに何が続くか？」が変わっても

【存在の場所】ハワイに別荘がある。
【授与の相手】ハワイに寄付する。

のように用法が変わっても、形が変化することはありません。

一方、「行きたい」の「たい」は、【希望】を表す助動詞です。

ハワイに行きたくない。
ハワイに行きたかった。
ハワイに行きたいときに行ける生活をしたい。
ハワイに行きたければ、お金を貯める必要がある。

のように「あとに何が続くか？」によって、形が変化しています。

助詞と助動詞の見分け方

「た」や「ば」をつなげてみて、形が変化するか？

「た」や「ば」をつなげたときに、形が変われば「活用あり＝助動詞」です。

ハワイに行きたい
→　○ 行きたかった

ハワイに行きたい
→　○ 行きたければ

「たい」は、「た」をつなげたときに連用形に・「ば」をつなげたときに仮定形に変化しています。
活用があるので、助詞ではなく助動詞です。

本を読む
→　× 本をた読む

本を読む
→　× 本をば読む

「を」は、「た」や「ば」をつなげたときに形が変化せず、そもそも文が成立しないですね。
活用がないので、助動詞ではなく助詞です。

雨が降りそうだ
→ ○ 雨が降りそうだった

雨が降りそうだ
→ ○ 雨が降りそうならば

「そうだ」は、「た」をつなげたときに連用形に・「ば」をつなげたときに仮定形に変化しています。
活用があるので、助詞ではなく助動詞です。

活用がない助動詞もある

「う・よう・まい」は、助動詞ですが、活用がありません。

「う」「よう」は、推量・意志を表す助動詞です。

【推量】
あろうことか、彼は私を犯人扱いした。

【意志】
そろそろ勉強を始めよう。

「こと」「もの」などの限られた体言をつなげるときに連体形になる以外は、終止形しか現れません。

「まい」は、打ち消しの意志・打ち消しの推量を表す助動詞です。

【打ち消しの意志】
もう同じ過ちは繰り返すまい。

【打ち消しの推量】
雉も鳴かずば撃たれまい。

「う」「よう」と同じく、「こと」「もの」などの限られた体言をつなげるときに連体形になる以外は、終止形しか現れません。

助詞と助動詞を見分ける練習問題

下線部を見分けるときの手順と練習問題

助詞と助動詞を見分ける練習問題 ①

下線部は、助詞・助動詞のどちらでしょうか？

本を運ばせる。

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

本を運ばせる。

助詞と助動詞を見分ける練習問題 ②

下線部は、助詞・助動詞のどちらでしょうか？

駅まで自転車で向かいます。

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

駅まで自転車で向かいます。

助詞と助動詞を見分ける練習問題 ③

下線部は、助詞・助動詞のどちらでしょうか？

重さは10キロはあろう。

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

↓

重さは10キロはあろう。

参考書籍

今回は、
✅ 助詞と助動詞の違い
✅ 助詞と助動詞の見分け方
✅ 助詞と助動詞を見分ける練習問題
について、解説してきました。

を主に参考にしています。

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