今回は、
✅ 「くらい」の意味・使い方
✅ 「くらい」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
「くらい」の意味・使い方
「くらい」は、話し手の評価を表す
自分の部屋くらい、自分で掃除しなさい。
「ほかの部屋までとは言わないので、最低限自分の部屋は…」のように、とりたてられた「自分の部屋」が話し手にとって「自分で掃除するのが当然だ」という評価であることを表しています。
とりたてられたものは、
- 最低限のもの
- 当然のもの
として評価されるので、マイナスな表現として用いられることが多いです。
この評価を表す「くらい」には、特に類似表現はありません。
「くらい」は、限定を表す
こんなことで笑うのは、Aさんくらいだ。
「こんなことで笑う」という条件で話し手が考えるものをとりたてることから、挙げられた例が限定されたものであることを表しています。
あくまで限定しているだけなので、
こんなことで笑ってくれるのは、Aさんくらいだ。
こんなつまらないことで笑うのは、Aさんくらいだ。
のように、プラスな表現・マイナスな表現がない限りは、中立な立場からの発話です。
「くらい」は、概数を表す
10kmくらい歩いてきた。
この場合の「くらい」は、とりたて助詞ではなく、語のうしろについて意味をつけ足す接尾辞です。
「くらい」は、状態の程度を表す
涙が出るくらいうれしかった。
主節の状態「うれしかった」の程度が、従属節の状態には達しないものの、ほぼ達する直前の程度であることを表しています。
この場合の「くらい」は、とりたて助詞ではなく、主節の事態のあり方を述べて、主節の事態を修飾する様態節です。
「くらい」の類似表現
限定を表す「くらい」の類似表現は、「だけ」
限定を表す「くらい」の類似表現は、「だけ」です。
こんなことで笑うのは、Aさんくらいだ。
こんなことで笑うのは、Aさんだけだ。
のように、「くらい ⇔ だけ」を置き換えても不自然ではないですね。
概数を表す「くらい」の類似表現は、「ほど」
10kmくらい歩いてきた。
10kmほど歩いてきた。
のように、「くらい ⇔ ほど」を置き換えても不自然ではないですね。
いずれも、「ちょうど10km」ではなく、「およそ10km」を表しています。
程度を表す「くらい」の類似表現は、「ほど」
涙が出るくらいうれしかった。
涙が出るほどうれしかった。
のように、「くらい ⇔ ほど」を置き換えても不自然ではないですね。
いくつか使用上の制限があるので、確認していきましょう。
△ 死ぬくらい疲れ果てた。
○ 死ぬほど疲れ果てた。
のように、明らかな比喩の程度・反事実的な状態を程度の例として取り上げる場合には、「くらい」が用いられにくくなります。
また、
△ この作業は、思っていたくらい簡単ではなかった。
○ この作業は、思っていたほど簡単ではなかった。
のように、否定表現と呼応する場合や
△ 練れば練るくらい色が変わる。
○ 練れば練るほど色が変わる。
のように、従属節の事態に比例して主節の事態の程度が変化する場合にも、「くらい」が用いられにくいので注意しましょう。
参考書籍
今回は、
✅ 「くらい」の意味・使い方
✅ 「くらい」の類似表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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