「なんて」の2つの用法【例文で学ぶ 日本語文法】

「なんて」の意味・使い方

「なんて」には、とりたて・感嘆の2つの用法がある。

「なんて」には、検討の範囲を外れているものをとりたてる表現・感嘆のモダリティ表現の2つの用法があります。

【検討の範囲を外れているものをとりたてる表現】
おばけなんてないさ
おばけなんてうそさ

【感嘆のモダリティ表現】
幽霊の存在が信じられないなんて！

「なんて」のとりたて助詞の用法

2桁の足し算が暗算でできる。

の「2桁の足し算」を検討するまでもなく簡単なものだと表現する場合、

2桁の足し算なんて暗算でできる。

のように、とりたて助詞「なんて」が用いられます。

3桁の掛け算が暗算でできない。

の「3桁の掛け算」を検討するまでもなく難しいものだと表現するために

3桁の掛け算なんて暗算でできない。

とするのも同様です。

とりたてる要素に制限はないため、

【動詞】
約束を破るなんて信じられない。

【イ形容詞】
やさしくなんて気を遣わないで。

などの使い方もできます。

これが1つ目の「とりたて助詞」として検討の範囲を外れているものをとりたてる用法です。

「なんて」のモダリティの用法

あなたの料理はおいしい。

に話し手の感情を込めると、

あなたの料理はなんておいしいんだろう。

となります。

「なんて～だろう」の形のほか、

あなたの料理がこんなにおいしいなんて。
あなたの料理がこんなにおいしいなんて、驚いた。

のように、文末・句末に用いられることもあります。

いずれにしても、「あなたの料理がおいしい」という命題をどのように伝えるかというモダリティの表現ですね。

これが2つ目の「感嘆のモダリティ」として話し手の驚きの意を伝える用法です。

「なんて」の類似表現

とりたて助詞の「なんて」の類似表現は、「など」「くらい」

とりたて助詞の「なんて」の類似表現は、「など」「くらい」です。

2桁の足し算なんて暗算でできる。
2桁の足し算など暗算でできる。
2桁の足し算くらい暗算でできる。

のように、「なんて ⇔ など ⇔くらい」を置き換えても不自然ではないですね。

ただし、この置き換えには制限があり、

○ 3桁の掛け算なんて暗算でできない。
○ 3桁の掛け算など暗算でできない。
× 3桁の掛け算くらい暗算でできない。

のように、否定文では「くらい」を用いることができないので注意しましょう。

モダリティの「なんて」の類似表現は、「なんと」「とは」

モダリティの「なんて」の類似表現は、「なんと」「とは」です。

あなたの料理はなんておいしいんだろう。
あなたの料理はなんとおいしいんだろう。

のように、副詞として用いられるときは、「なんて ⇔ なんと」

あなたの料理がこんなにおいしいなんて。
あなたの料理がこんなにおいしいなんて、驚いた。

あなたの料理がこんなにおいしいとは。
あなたの料理がこんなにおいしいとは、驚いた。

のように、文末・句末に用いられるときは、「なんて ⇔ とは」を置き換えることができます。

参考書籍

今回は、
✅ 「なんて」の意味・使い方
✅ 「なんて」の類似表現
について、解説してきました。

を主に参考にしています。

さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。

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