並列助詞「～やら～やら」の用法・「～とか～とか」「～だの～だの」とはどう違うの？【例文で学ぶ 日本語文法】

「～やら～やら」の意味・使い方

「～やら～やら」は、同じグループに属する要素を列挙する表現

「～やら～やら」は、同じグループに属する要素をいくつか列挙し、該当する要素がほかにもありうることを表す並列助詞です。

仕事やら家事やらで、自分の時間が取れない。

自分の時間が取れない原因として、「仕事」「家事」が挙げられており、ほかにも原因になる要素があることがわかりますね。

「～やら～やら」で並べられるもの

「～やら～やら」は、
● イ形容詞の終止形（辞書形）
● 名詞
を並べるのに用いられます。

【イ形容詞】
悔しいやら悲しいやらで、感情をどう表現すればよいかわからなかった。

【名詞】
本やら雑誌やらが床に散らばっている。

「～やら～やら」の類似表現

「～やら～やら」の類似表現は、「や・だの・とか」

「～やら～やら」の類似表現に、同じく一部列挙型に分類される並列助詞の「や・だの・とか」があります。

仕事やら家事やらで、自分の時間が取れない。
仕事や家事で、自分の時間が取れない。
仕事だの家事だので、自分の時間が取れない。
仕事とか家事とかで、自分の時間が取れない。

のように、いずれも同じグループに属する要素をいくつか列挙し、該当する要素がほかにもありうることを表しています。

それぞれの使い方の違いを見ていきましょう。

列挙する最後の要素にも並列助詞をつけるか？

「やら・だの・とか」は、並列される名詞の最後にも「やら・だの・とか」をつけるのが通常です。
「や」は、並列される名詞の最後に「や」をつけることはできません。

仕事やら家事やらで、自分の時間が取れない。
仕事だの家事だので、自分の時間が取れない。
仕事とか家事とかで、自分の時間が取れない。

仕事や家事で、自分の時間が取れない。

「～やら～やら」は、整理されていない要素のときに用いられやすい

「～やら～やら」は、存在や感情などの状態にさまざまな要素が混在・整理されていない状況のときに用いられやすい表現です。

本やら雑誌やらが床に散らばっている。
悲しさやら悔しさやらで泣いてしまった。

「～だの～だの」は、否定的なニュアンスのときに用いられやすい

「～だの～だの」は、後続する内容が否定的なニュアンスのときに用いられやすい表現です。

○ 仕事だの家事だので、自分の時間が取れない。
△ 仕事だの家事だので、毎日が充実している。

参考書籍

今回は、
✅ 「～やら～やら」の意味・使い方
✅ 「～やら～やら」の類似表現
について、解説してきました。

を主に参考にしています。

さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。

また、この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、ブックマークしてご確認ください。

あわせて読みたい

例文で学ぶ 日本語文法 文法書を読み込んでいくのは、まだハードルが高い…でも、学習者向けの文法解説だと物足りない…という声にお応えして、日本語文法を基礎から解説しています。文法学習の...