今回は、
✅ 形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の違い・見分け方
✅ 形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の共通点
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
形容詞(イ形容詞)と形容動詞(ナ形容詞)の違い・見分け方
言い切りの形が違う
形容詞(イ形容詞)を言い切りの形で用いるときは
空が青い。
生きろ、そなたは美しい。
のような「~い」、形容動詞(ナ形容詞)を言い切りの形で用いるときは
空がきれいだ。
君が必要だ。
のような「~だ」となります。
名詞を修飾するときの形が違う
形容詞(イ形容詞)が名詞を修飾するときは
青い空
美しい景色
のような「~い」、形容動詞(ナ形容詞)が名詞を修飾するときは
きれいな空
必要な準備
のような「~な」となります。
言い切りの形・名詞を修飾するときの形が違うのは、活用の仕方が異なるから
形容詞(イ形容詞)は
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
軽い | か | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
早い | はや | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
美しい | うつくし | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
正しい | ただし | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
のように活用します。
言い切りの形が「終止形」・名詞を修飾するときの形が「連体形」です。
どちらも「~い」ですね。
形容動詞(ナ形容詞)は
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
きれいだ | きれい | -だろ | -で -に | -だっ-だ | -な | -なら | ○ |
必要だ | ひつよう | -だろ | -で -に | -だっ-だ | -な | -なら | ○ |
好きだ | すき | -だろ | -で -に | -だっ-だ | -な | -なら | ○ |
元気だ | げんき | -だろ | -で -に | -だっ-だ | -な | -なら | ○ |
のように活用します。
言い切りの形が「終止形」・名詞を修飾するときの形が「連体形」です。
終止形は「~だ」・連体形は「~な」ですね。
形容詞(イ形容詞)と形容動詞(ナ形容詞)の共通点
形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)は、事物の性質や状態を表す語
形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)は、単独で述語になることができる「用言」の1つです。
用言には、動詞・形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の3つがあり、
動詞は
雪が降る。
池の水が凍る。
のように【動作・作用】を表すのに対して、形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)は
【形容詞(イ形容詞)】
空が青い。
【形容動詞(ナ形容詞)】
空がきれいだ。
のように【性質・状態】を表す単語です。
形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の性質
自立語とは?
毎日日本語の勉強をする。
文節で区切ると、
- 毎日
- 日本語の
- 勉強を
- する
ですね。
文節とは?
文節とは、文を
- 意味がわかり
- 発音上不自然にならない程度に
- できるだけ短く
区切ったもののことです。
毎日ネ 日本語のネ 勉強をネ する。
のように「ネ」を入れて確認してみましょう。
文節の中身は、「自立語のみ」「自立語+付属語」です。
- 毎日
- 日本語の
- 勉強を
- する
「毎日」のような名詞・「する」のような動詞は、単独で文節をつくることができる自立語ですね。
「の」「を」のような助詞は、単独で文節をつくることができる「日本語」「勉強」のような自立語にくっついている付属語です。
品詞名 | 自立語or付属語 | 文における主な働き |
動詞 | 自立語 | 述語になる |
形容詞 (イ形容詞) | 自立語 | 名詞を修飾する 述語になる |
形容動詞 (ナ形容詞) | 自立語 | 名詞を修飾する 述語になる |
名詞 | 自立語 | 助詞がついて主語や補語になる 「だ」などがついて述語になる |
副詞 | 自立語 | 動詞・形容詞・形容動詞・ほかの副詞を修飾する |
連体詞 | 自立語 | 名詞を修飾する |
接続詞 | 自立語 | 文と文などを接続する |
感動詞 | 自立語 | 驚きなどの感情や応答を表す |
助動詞 | 付属語 | 動詞や形容詞などについて、複雑な述語をつくる |
助詞 | 付属語 | 名詞や動詞などについて、意味関係や伝達的な態度などを表す |
形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)を含めた日本語の品詞については、以下で詳しく解説しています。
こちらも合わせてご確認ください。
活用とは?
次の文の( )に「読む」を入れてみましょう。
図書館で本を( )ます。
この本を( )ば、概要がわかると思う。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
図書館で本を( 読み )ます。
この本を( 読め )ば、概要がわかると思う。
あとに何が続くか?などの用いられ方によって、単語の終わりの部分が変化しましたね。
これが活用です。
「読む」のような動詞には、活用があることがわかります。
それでは、次はどうでしょうか?
( )に「本」を入れてみましょう。
図書館で( )を読みます。
この( )なら、概要がわかると思う。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
図書館で( 本 )を読みます。
この( 本 )なら、概要がわかると思う。
あとに続くのは「を」「なら」と違いますが、入るのはどちらも「本」そのままですね。
「本」のような名詞には、活用がないことがわかります。
品詞名 | 活用の有無 | 文における主な働き |
動詞 | 活用する | 述語になる |
形容詞 (イ形容詞) | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる |
形容動詞 (ナ形容詞) | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる |
名詞 | 活用しない | 助詞がついて主語や補語になる 「だ」などがついて述語になる |
副詞 | 活用しない | 動詞・形容詞・形容動詞・ほかの副詞を修飾する |
連体詞 | 活用しない | 名詞を修飾する |
接続詞 | 活用しない | 文と文などを接続する |
感動詞 | 活用しない | 驚きなどの感情や応答を表す |
助動詞 | 活用する ※ | 動詞や形容詞などについて、複雑な述語をつくる |
助詞 | 活用しない | 名詞や動詞などについて、意味関係や伝達的な態度などを表す |
形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)を含めた日本語の品詞については、以下で詳しく解説しています。
こちらも合わせてご確認ください。
青い空
素敵な人
のように名詞を修飾したり、
空が青い。
人柄が素敵だ。
のように述語になったり、
美しくありたい。
きれいに掃除する。
のように述語を修飾したりします。
形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の共通した分類
属性形容詞とは?
形容詞(イ形容詞)では
- 大きい
- 小さい
- 赤い
- 青い
形容動詞(ナ形容詞)では
- 便利だ
- 有名だ
- 便利だ
- 真面目だ
などが該当します。
感情・感覚形容詞とは?
形容詞(イ形容詞)では
- 楽しい
- 悲しい
- だるい
- 痛い
形容動詞(ナ形容詞)では
- 好きだ
- 嫌いだ
- 心配だ
- 不安だ
などが該当します。
感情・感覚形容詞を用いるときの注意点
【一人称】○ 私は、試験に合格できてうれしい。
【二人称】× あなたは、試験に合格できてうれしい。
【三人称】× 彼女は、試験に合格できてうれしい。
一人称は自然ですが、二人称・三人称が主体だと不自然ですね。
これは、感情や感覚はその主体だけが知りえるものだからです。
話し手は、自分が知りえない内容を断定することができないので、平叙文では、基本的に感情・感覚形容詞の主体になれるのは一人称に限られます。
【二人称】○ あなたは、試験に合格できてうれしいですか?
【三人称】× 彼女は、試験に合格できてうれしいですか?
のように疑問文になると、二人称でも自然ですね。
これは、聞かれる対象になることで、感情・感覚を断定できる主体になるからです。
三人称の場合は、疑問文であっても感情・感覚を断定できる主体にはなりません。
ただし、「好きだ」「嫌いだ」のような長く続く感情・感覚は、三人称の主体を取ることができます。
【三人称】○ 長男は、消防車が好きだ。
これは、長期的な状態で外から観察できる(=感情・感覚を断定できる)状態になっているからです。
なお、長く続く感情・感覚でなくても、「がる」をつけることで三人称の主体を取ることができます。
【三人称】× 彼女は、足をぶつけて痛い。
↓
【三人称】○ 彼女は、足をぶつけて痛がっている。
これは、「がる」をつけて動詞化することで、外から観察できる(=感情・感覚を断定できる)状態になっているからです。
連体詞との違いについても注意
大きいひまわり
大きなひまわり
「大きい」「大きな」は、どちらも名詞「ひまわり」を修飾していますね。
- 「大きい」は、「~い」の形
- 「大きな」は、「~な」の形
だから、前者は形容詞(イ形容詞)・後者は形容動詞(ナ形容詞)だ!というのは、間違いです。
○ ひまわりが大きい。
のように、「大きい」を述語にすることはできますが、
× ひまわりが大きいだ。
× ひまわりが大きなだ。
のように、「大きな」を述語にすることはできません。
「大きな」は
- 活用がない
- 名詞を修飾する語
なので、連体詞であることがわかります。
名詞を修飾する形だけで判断すると、
大きいひまわり
大きなひまわり
のときに、連体詞を正しく見分けることができません。
言い切りの形だけで判断すると、
わたし、きれい?
のときに、形容動詞(ナ形容詞)を正しく見分けることができません。
必ず、名詞を修飾する形・言い切りの形の両方で検証するようにしましょう。
連体詞と形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)との違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらも合わせてご確認ください。
連体詞とは?形容詞・副詞との違いをわかりやすく解説!【例文で学ぶ 日本語文法】
参考書籍
今回は、
- 形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の違い・見分け方
- 形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の共通点
について、解説してきました。
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