今回は、活用語における
✅ 音便とは?
✅ 音便の種類
✅ 動詞は、どのような場合に音便化するか?
✅ 形容詞(イ形容詞)は、どのような場合に音便化するか?
✅ イ音便とは?
✅ 撥音便とは?
✅ 促音便とは?
✅ ウ音便とは?
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
音便とは?
「聞く・読む」の活用は
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 | |
聞く | 聞か | 聞き | 聞く | 聞く | 聞け | 聞け |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 | |
読む | 読ま | 読み | 読み | 読む | 読め | 読め |
で、どちらも五段活用(Ⅰグループ)ですね。
活用から見た動詞の分類
五段活用(Ⅰグループ)
書く・読む など
上一段活用・下一段活用(Ⅱグループ)
見る・食べる など
カ行変格活用・サ行変格活用(Ⅲグループ)
来る・する
「て」「た(だ)」がつくときは
話を( 聞き )て、やる気が出てきた。
昨日、新しい本を( 読み )だ。
のように「連用形」になるはずですが、このままだと発音しにくいですね。
実際には、
話を( 聞い )て、やる気が出てきた。
昨日、新しい本を( 読ん )だ。
となります。
このような発音しやすいように語中・語尾の音がほかの音に変化する現象が「音便」です。
音便の種類
音便は、「どの音に変わったか?」によって4種類に分けられる
【イ音便】
聞き+て → 聞いて
【撥音便】
飛び+て → 飛んで
【促音便】
切り+て → 切って
【ウ音便】
よく → よう
撥音とは「ん」・促音とは「っ」のことです。
- イ音便…発音しやすいように、音が「い」に変化
- 撥音便…発音しやすいように、音が「ん」に変化
- 促音便…発音しやすいように、音が「っ」に変化
- ウ音便…発音しやすいように、音が「う」に変化
のように、「どの音に変わったか?」によって音便の種類を見分けることができます。
どのような場合に音便化するか?
動詞の場合
「て(で)」・「た(だ)」・「たり(だり)」がつくのは、連用形ですね。
ただし、連用形だったら必ず音便化するわけではないので注意しましょう。
ニンジンを切ってね。
ニンジンを切った。
ニンジンを切ったり、ピーマンを炒めたりしておいてください。
のように、「て(で)」・「た(だ)」・「たり(だり)」などがつくときは音便化しますが、
ニンジンを切り、鍋で茹でます。
ニンジンを切ります。
のように、「、」・「ます」などがつくときは連用形であっても音便化しません。
形容詞(イ形容詞)の場合
おもしろく + ございます
↓
おもしろうございます
のように活用語尾だけが変化したり、
ありがたく + ございます
↓
ありがとうございます
のように活用語尾が語幹の一部とともに変化したりします。
イ音便とは?
イ音便は、発音しやすいように音が「い」に変化する現象
書き+て
書き+た
書き+たり
となる基本ルールから外れ、発音しやすくするために
書いて
書いた
書いたり
のように音が「い」に変化するのが「イ音便」です。
どのような場合にイ音便になるのか?
イ音便になる動詞の例
【終止形が「く」で終わる五段活用の動詞】
書く・泣く・聞く など
【終止形が「ぐ」で終わる五段活用の動詞】
泳ぐ・研ぐ・砥ぐ
イ音便のルールの例外
「行く」は、終止形が「く」で終わりますが、「行って」「行った」「行ったり」のように促音便化します。
【書く】
書いて・書いた・書いたり
【行く】
行って・行った・行ったり
撥音便とは?
撥音便は、発音しやすいように音が「ん」に変化する現象
飛び+て
飛び+た
飛び+たり
となる基本ルールから外れ、発音しやすくするために
飛んで
飛んだ
飛んだり
のように音が「ん」に変化するのが「撥音便」です。
どのような場合に撥音便になるのか?
撥音便になる動詞の例
【終止形が「ぶ」で終わる五段活用の動詞】
飛ぶ・遊ぶ・学ぶ
【終止形が「む」で終わる五段活用の動詞】
読む・進む・飲む
【終止形が「ぬ」で終わる五段活用の動詞】
死ぬ
促音便とは?
促音便は、発音しやすいように音が「っ」に変化する現象
待ち+て
待ち+た
待ち+たり
となる基本ルールから外れ、発音しやすくするために
待って
待った
待ったり
のように音が「っ」に変化するのが「促音便」です。
どのような場合に促音便になるのか?
促音便になる動詞の例
【終止形が「る」で終わる五段活用の動詞】
切る・走る・入る
【終止形が「つ」で終わる五段活用の動詞】
立つ・勝つ・待つ
【終止形が「う」で終わる五段活用の動詞】
会う・買う・笑う
ウ音便とは?
ウ音便は、発音しやすいように音が「う」に変化する現象
よく+存じています
となる基本ルールから外れ、発音しやすくするために
よう存じています。
のように音が「う」に変化するのが「ウ音便」です。
どのような場合にウ音便になるのか?
「ようございます」「うれしゅうございます」のような古めかしい話し言葉や、「ありがとうございます」のような定着した表現で見られる現象です。
ウ音便の例
【活用語尾だけが変化】
よく+ごさいます
↓
ようございます
【語幹の一部と活用語尾が変化】
あぶなく+ございます
↓
あぶのうございます
参考書籍
今回は、
✅ 音便とは?
✅ 音便の種類
✅ 動詞は、どのような場合に音便化するか?
✅ 形容詞(イ形容詞)は、どのような場合に音便化するか?
✅ イ音便とは?
✅ 撥音便とは?
✅ 促音便とは?
✅ ウ音便とは?
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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