今回は、
✅ 「以上は」の意味・使い方
✅ 「以上は」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
「以上は」の意味・使い方
「以上は」は、確かな事実を理由として示す表現
「以上は」は、従属節の事態を確かな事実として示し、その事態から必然的に導き出されるものとして主節の事態を示すことができます。
参加を決めた以上は、優勝を目指そう。
この文の主節は「優勝を目指そう」・従属節は「参加を決めた以上は」です。
「以上は」がつくことで原因・理由節ができていますね。
「原因・理由」とは、ある事態を引き起こす別の事態のことです。
上の例文では、「参加を決めた」という従属節の事態によって、「優勝を目指す」という主節の事態が引き起こされています。
「以上は」がついている「参加を決めた」は、
- もし、参加するなら…
- 参加することがあれば…
という曖昧なものではなく、確実な情報ですね。
「参加を決めた」ということが確かな事実であり、それであれば「優勝を目指す」のが当然だという内容です。
主節には、
【意志】参加を決めた以上は、優勝を目指そう。
【命令】参加を決めた以上は、優勝しなさい。
【依頼】参加を決めた以上は、優勝してください。
【希望】参加を決めた以上は、優勝したい。
のように、行為要求を表す表現がよく現れます。
「従属節で示された状況を踏まえれば、当然主節で示される行為をするよね?」という内容です。
このように、「以上は」は、従属節の事態を確かな事実として示し、その事態から必然的に導き出されるものとして主節の事態を示すことができます。
「以上は」の接続
「以上は」は、
● 動詞の非過去形 / 過去形
● イ形容詞の非過去形 / 過去形
● ナ形容詞の語幹 + 「な / だった / である / であった」
● 名詞 + 「だった / である / であった」
に接続します。
「は」は、省略可能
「以上は」の「は」は、省略可能です。
参加を決めた以上は、優勝を目指そう。
参加を決めた以上、優勝を目指そう。
のように、「は」を省略しても不自然ではないですね。
この「は」は、対比を表すとりたて助詞です。
付与されていた方が、「自分たちで考えて参加を決めたのだから…」のような意図がわかりやすくなります。
「以上は」の類似表現
「以上は」の類似表現は、「のだから」「からには」
「以上は」の類似表現に、「のだから」「からには」があります。
「以上は」と同じく「のだから」「からには」も、従属節の事態を確かな事実として示し、その事態から必然的に導き出されるものとして主節の事態を示す表現です。
参加を決めた以上は、優勝を目指そう。
参加を決めたのだから、優勝を目指そう。
参加を決めたからには、優勝を目指そう。
のように、「以上は ⇔ のだから ⇔ からには」を置き換えても不自然ではないですね。
「以上は」「のだから」「からには」の接続の違い
「以上は」は、
● 動詞の非過去形 / 過去形
● イ形容詞の非過去形 / 過去形
● ナ形容詞の語幹 + 「な / だった / である / であった」
● 名詞 + 「だった / である / であった」
に接続します。
【動詞】
参加を決めた以上は、優勝を目指そう。
【イ形容詞】
人数が少ない以上、きちんと役割を決める必要があります。
【ナ形容詞】
多くの知見が必要である以上は、幅広く意見を募らなければならない。
【名詞】
新入社員である以上、雑用からは逃げられないだろう。
のように、従属節の述語のタイプに関係なく接続可能です。
また、
「のだから」は、
● 動詞の非過去形 / 過去形
● イ形容詞の非過去形 / 過去形
● ナ形容詞の語幹 + 「な / だった / である / であった」
● 名詞 + 「な / だった / である / であった」
に接続します。
のように、「のだから」も幅広い述語のタイプに接続できます。
「以上は」と「のだから」の違いは、従属節の述語が名詞の場合です。
○ 新入社員なのだから、雑用からは逃げられないだろう。
△ 新入社員な以上は、雑用からは逃げられないだろう。
「名詞+な」に接続する場合、「のだから」は自然ですが、「以上は」はかなり口語的な印象になります。
「からには」は、
● 動詞の非過去形 / 過去形
● イ形容詞の非過去形 / 過去形
● ナ形容詞の語幹 + 「である / であった」
● 名詞 + 「である / であった」
に接続します。
のように、「からには」も幅広い述語のタイプに接続可能ですが、ナ形容詞の語幹・名詞の場合の接続方法の種類が少ないのが特徴です。
参考書籍
今回は、
✅ 「以上は」の意味・使い方
✅ 「以上は」の類義表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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