今回は、
✅ モダリティとは?
✅ モダリティの種類
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
モダリティとは?
命題とモダリティ
おそらく彼が犯人だと思う。
「命題」とは、その文が伝える事柄的な内容を担うもののことです。
上の例文であれば、「彼が犯人だ」の部分が該当します。
「モダリティ」とは、その文の内容に対する話し手の判断・聞き手に対する伝え方といった文の述べ方を担うもののことです。
上の例文であれば、「おそらく」「と思う」の部分が該当します。
彼が犯人だ。
のように、命題だけの文だと単に内容を述べているだけですが、
おそらく彼が犯人だと思う。
のように、モダリティの表現があることで、「話し手は、○○だと思っている」ということがわかりますね。
日本語は、命題・モダリティの違いが文構造に強く反映されるため、命題の要素が文の内側に・モダリティの要素が文の外側に現れる傾向にあります。
ほかの例文でも確認しておきましょう。
次の例文の「命題」「モダリティ」は、それぞれどの部分でしょうか?
図書館に行きますか?
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図書館に行きますか?
- 命題「図書館に行きます」
- モダリティ「か」
モダリティの「か」が付加されることで、疑問の解消を目指していることがわかります。
次の例文では、どうでしょうか?
きっと彼は犯人ではないよ。
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きっと彼は犯人ではないよ。
- 命題「彼は犯人ではない」
- モダリティ「きっと」「よ」
モダリティの「きっと」から、話し手の心的態度が・「よ」から、話し手がどのように伝えようとしているかがわかりますね。
このように、命題の内容である事態に対する把握の仕方・先行している文脈への関連づけのあり方・それらに対しての話し手の発話や伝達の態度のあり方などを表し分けているのが「モダリティ」です。
モダリティの種類
モダリティは、大きく4つのタイプに分けられる
それぞれのタイプには、以下の下位分類があります。
- 文の伝達的な表し分けを表すモダリティ
∟ 表現類型のモダリティ - 事態に対する捉え方を表すモダリティ
∟ 評価のモダリティ
∟ 認識のモダリティ - 文と先行文脈との関連付けを表すモダリティ
∟ 説明のモダリティ - 聞き手に対する伝え方を表すモダリティ
∟ 丁寧さのモダリティ
∟ 伝達態度のモダリティ
それぞれの内容を簡単に確認していきましょう。
文の伝達的な表し分けを表すモダリティ
「表現類型のモダリティ」が文の伝達的な表し方を表すモダリティに該当します。
表現類型のモダリティ
【叙述】教科書を読む。
【意志】教科書を読もう。
【命令】教科書を読め。
【疑問】教科書を読みますか?
事態に対する捉え方を表すモダリティ
「評価のモダリティ」「認識のモダリティ」が事態に対する捉え方を表すモダリティに該当します。
評価のモダリティ
図書館では、静かにしなくてはならない。
「なくてはならない」以外にも、
- なければならない
- なくてもよい
- べきだ
- 方がよい
- てもよい
- ざるをえない
なども、評価のモダリティです。
認識のモダリティ
明日は晴れるだろう。
「だろう」以外にも、
- かもしれない
- に違いない
- らしい
- ようだ
なども、認識のモダリティです。
文と先行文脈との関連付けを表すモダリティ
「説明のモダリティ」が文と先行文脈との関連付けを表すモダリティに該当します。
説明のモダリティ
「説明のモダリティ」は、そのモダリティが含まれる文と先行している文とが関連付いていることを表しています。
雪が降っているのか。道理で寒いわけだ。
「わけだ」以外にも、
- のだ
- はずだ
なども、説明のモダリティです。
聞き手に対する伝え方を表すモダリティ
「聞き手に対する伝え方を表すモダリティ」とは、命題の内容そのままではなく、どのように伝えたいかを表すもののことです。
「丁寧さのモダリティ」「伝達態度のモダリティ」が聞き手に対する伝え方を表すモダリティに該当します。
丁寧さのモダリティ
【普通体】今日は、この本を読んだ。
【丁寧体】今日は、この本を読みました。
その状況において、その文をどちらのスタイルで発話するのがふさわしいか…という話し手の配慮を表しています。
伝達態度のモダリティ
ここを見てね。
きれいな景色だなあ。
終助詞によって表され、聞き手に伝達することを意図するか・独り言として発話するか…などを区別しています。
参考書籍
今回は、
✅ モダリティとは?
✅ モダリティの種類
について、解説してきました。
について解説してきました。
を主に参考にしています。
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