
今回は、
✅ 「ぬ」「ん」の意味・使い方
✅ 「ぬ」「ん」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
「ぬ」「ん」の意味・使い方
「ぬ」は、古い日本語で広く用いられた否定の形式
本を読む。
を否定するとき、現代の日本語では
本を読まない。
ですが、古い日本語では
本を読まぬ。
という形も用いられていました。
動詞「読む」に後続して、打ち消しの意味を付け加えていますね。
「ぬ」は、「ない」と同じく、打ち消しの助動詞です。
「ん」は、「ぬ」のくだけた表現
「撥音便って…?」と言う場合は、以下の記事を参考にしてみてください。


彼は、そんなことは言わぬ。
彼は、そんなことは言わん。
のように、どちらも同じ意味ですが、「ん」の方が口語的でくだけた表現ですね。
「ぬ」「ん」の接続
ほかならぬ君のためならば、喜んで対応しようではないか。
ほかならん君のためならば、喜んで対応しようではないか。
ほかならない君のためならば、喜んで対応しようではないか。
のように、現代語で用いられる「ない」と同じ接続方法ですね。
「ぬ」「ん」の活用
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
ない | なかろ | なかっ なく | ない | ない | なけれ | ○ |
ぬ(ん) | ○ | ず | ぬ(ん) | ぬ(ん) | ね | ○ |
「ない」がイ形容詞と同じ活用型になるのに対して、「ぬ(ん)」は、特殊な活用をします。
「ぬ」には、未然形・命令形がなく、連用形・終止形・連体形・仮定形しか現れません。
「ん」は、さらに活用形が少なく、終止形・連体形しか現れません。
「ぬ」「ん」の類似表現
「ぬ」「ん」の類似表現は、「ない」
決して夢をあきらめぬ。
決して夢をあきらめん。
決して夢をあきらめない。
決して夢をあきらめず。
のように、「ぬ(ん) ⇔ ない」を置き換えても不自然ではないですね。
いずれも未然形(ナイ形の語幹)接続である点も、共通しています。
「ぬ」「ん」は、「ない」と比べて、古めかしい表現です。
「ない」に置き換えられない場合
○ あらぬ疑いをかけられた。
× あらない疑いをかけられた。
のように、連体形での慣用的な言い回しの中では、現代語においても「ぬ」が用いられます。
この場合は、
△ あらん疑いをかけられた。
のように、「ん」も用いられにくいですね。
参考書籍
今回は、
✅ 「ぬ」「ん」の意味・使い方
✅ 「ぬ」「ん」の類似表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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