
今回は、
✅ 音読み(字音)とは?
✅ 訓読み(字訓)とは?
✅ 音読み・訓読みの見分け方
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
漢字の読み方
同じ「行」という漢字であっても
行事
行動
行脚
行く
行く末
行う
のように、複数の読み方がありますね。
それぞれ
| 音読み | 訓読み |
| 行事 ぎょうじ | 行く いく |
| 行動 こうどう | 行く末 ゆくすえ |
| 行脚 あんぎゃ | 行う おこなう |
であり、音読み・訓読みの1対1でないことがわかります。
音読み(字音)とは?
「中国語の読み方なので、音読みは1つの漢字に1つだけ!」というわけではなく、
行
行事(ギョウジ)
行動(コウドウ)
行脚(アンギャ)
のように、1つの漢字に対して、複数の音読みがある場合もあります。
中国語の発音である音読みが複数存在するのは、時代によって異なる発音が伝わり、それが併存したからです。
日本語の発音も時代によって変わってきたように、中国語の発音も時を経て変化してきました。
音読みは、「いつの中国語の発音か?」によって、呉音・漢音・唐音(宋音)に分類されます。
ただし、この「呉・漢・唐」は王朝名ではなく、いずれも中国自体のことなので注意しましょう。
| 呉音 | 漢音 | 唐音 | |
| 頭 | 頭痛 ズツウ | 頭部 トウブ | 饅頭 マンジュウ |
| 内 | 内地 ナイチ | 境内 ケイダイ | - |
基本的には、「それぞれの時代において、1つの字に1つの読み方」しかありません。
音読みの種類
呉音
漢音
唐音
呉音・漢音・唐音については、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらも、あわせてご確認ください。


音読みがない漢字
| 音読み | 訓読み | |
| 峠 | – | とうげ |
| 辻 | – | つじ |
| 畑 | – | はたけ |
| 枠 | – | わく |
| 凪 | – | なぎ |
和製漢字である国字が多いですが、
| 音読み | 訓読み | |
| 働 | ドウ | はたら(く) |
| 搾 | サク | しぼ(る) |
のように、音読み・訓読みのいずれもある国字もあるため、「国字=訓読みしかない漢字」ではありません。
訓読み(字訓)とは?
訓読みがない漢字
| 音読み | 訓読み | |
| 胃 | イ | – |
| 絵 | カイ・エ | – |
| 期 | ゴ・キ | – |
| 候 | グ・コウ | – |
| 汽 | ケ・キ | – |
熟字訓とは?
| 一昨日 | おととい |
| 昨日 | きのう |
| 今日 | きょう |
| 明日 | あす |
| 明後日 | あさって |
| 一日 | ついたち |
| 二日 | ふつか |
| 一昨年 | おととし |
| 今年 | ことし |
| 七夕 | たなばた |
| 大人 | おとな |
| 従兄弟・従姉妹 | いとこ |
| 叔父・伯父 | おじ |
| 叔母・伯母 | おば |
| 梅雨 | つゆ |
| 時雨 | しぐれ |
| 五月雨 | さみだれ |
| 雪崩 | なだれ |
| 吹雪 | ふぶき |
| 紅葉 | もみじ |
| 海老 | えび |
| 烏賊 | いか |
| 大蛇 | おろち |
| 銀杏 | ぎんなん |
| 無花果 | いちじく |
| 紫陽花 | あじさい |
音読み・訓読みの見分け方
音から意味がわかるか?
「行動(こうどう)」「行く(いく)」の読み方は、それぞれ音読み・訓読みのどちらでしょうか?
という聞かれ方であれば、
- 「コウ」は音から意味がわからないので、音読み
- 「いく」は音から意味がわかるので、訓読み
だと判断することができます。
それでは、
「絵(え)」「絵画(かいが)」の読み方は、それぞれ音読み・訓読みのどちらでしょうか?
だと、どうでしょうか?
- 「エ」は音から意味がわかるので、音読み
- 「カイ」は音から意味がわからないので、訓読み
というのは間違いで、正しくは
- 「エ」「カイ」は、いずれも音読み
です。
音読みの中で2つの読み方があるのは、
- 呉音での読み方が「エ」
- 漢音での読み方が「カイ」
であるからです。
- 音から意味がわかる読み方は、訓読み
- 音から意味がわからない読み方は、音読み
と判断するのは、有効ではあるものの、絶対ではないことを念頭に置いておきましょう。
送りがなが必要な読み方
「運動(うんどう)」「運ぶ(はこぶ)」のうち、訓読みはどちらでしょうか?
- 「ウン」は送りがなを必要としないので、音読み・訓読みのいずれか
- 「はこ」は送りがなを必要とするので、訓読み
のように、送りがなが必須の読み方については、それだけで訓読みだと判断することができます。
これの例外は、「●●する」「●●じる」などの形の動詞です。
接する
生じる
などは、送りがなを必要としますが、●●の部分が音読みです。
読み方が4字以上
「私用(しよう)」「私(わたくし)」のうち、訓読みはどちらでしょうか?
- 「シ」は1字なので、音読み・訓読みのいずれか
- 「わたくし」は4字なので、訓読み
のように、読み方の文字数が4字以上であれば、それだけで訓読みだと判断することができます。
音読みは必ず3字以下ですが、訓読みでも3字以下のものがあるので、「4字以上でなければ、音読み」ではないことに注意しましょう。
参考書籍
今回は、
✅ 音読み(字音)とは?
✅ 訓読み(字訓)とは?
✅ 音読み・訓読みの見分け方
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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