令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題3B
の解説です。
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(6) 金田一春彦の動詞分類
解説 金田一春彦の動詞分類
状態動詞
いる
ある
動詞の可能形
などが該当します。
継続動詞(動作動詞)
話す
走る
などが該当します。
瞬間動詞
消える
死ぬ
などが該当します。
第4種の動詞
そびえる
きわだつ
などが該当します。
その答えになる理由
典型的な「動き」を表す動詞は、「継続動詞(動作動詞)」です。
1 状態動詞
2 状態動詞
3 状態動詞
4 継続動詞(動作動詞)
4が正解です。
問2 動作名詞(動名詞)
その答えになる理由
日本語の動作名詞(動名詞)とは、「~する」をつけると動詞になる名詞のことです。
1 × 火事する
2 × 大会する
3 × 感覚する
4 ○ 意味する
4が正解です。
問3 形容詞
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
程度副詞とは、
とても
すごく
非常に
のような状態性の意味のある語にかかって、その程度を限定する副詞のことです。
この絵は、とても美しい。
では、程度副詞「とても」が形容詞「美しい」を修飾していますね。
1が正解です。
アスペクトとは、
生徒が給食を食べ始めた。
生徒が給食を食べている。
生徒が給食を食べ終わった。
のように、動きがどのような局面かを示す表現です。
動きに関する内容なので、形容詞や「ある・いる」のような状態を表す動詞には、アスペクトが存在しません。
2は間違いです。
この料理は、見た目は良かったが、おいしくなかった。
では、形容詞のタ形「良かった」に接続助詞の「が」が後接しています。
3は間違いです。
この料理、おいしいね。
では、形容詞「おいしい」に伝達のモダリティの「ね」が後接しています。
4は間違いです。
(9) 2つ以上の品詞にまたがるもの
その答えになる理由
幸せの象徴
の「幸せ」は名詞ですが、
幸せな姿
の「幸せ」はナ形容詞の語幹ですね。
2つ以上の品詞にまたがっているので、3が正解です。
(5) その品詞としての典型的な意味を表さないために、話し言葉では活用に揺れが生じている語
その答えになる理由
動詞の典型的な意味は、動きです。
選択肢の中で、動きを表していないものを探してみると……「違う」が怪しそうですね。
これだけ、動きというよりも状態です。
各選択肢をテ形にしてみると
1 違って
2 行って
3 曲がって
4 落として
ですが、若者を中心とした話し言葉で、
違くて
という表現を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
これは、動詞「違う」をイ形容詞のように、変化させたものです。
違くない
違くて
違かった
のように、活用に揺れが生じているとする説もあります。
1が正解です。