【令和元年度 日本語教育能力検定試験 過去問】試験Ⅰ 問題9の解説!

令和元年度_試験Ⅰ

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問1 プロトタイプ

解説 プロトタイプ

「プロトタイプ」とは、その語・カテゴリーを代表する中心的な典型例のことです。
●その語・カテゴリーの特徴をすべて備えており、すぐに思い描くことができるもの
●長期的に安定して記憶されているもの
●多くの人が同じように認識できるもの
などが特徴として挙げられます。

①「つぼを割ってしまった
②「70点台を割ってしまった
「割る」であれば①がプロトタイプ的用法、②が非プロトタイプ的用法です。

その答えになる理由

「落とす」のプロトタイプ的用法は「(人)が(物)を落下させる」なので、3が正解です。

1 「しみ」を落下させているわけではないので、非プロトタイプ用法です。
2 「信用」を落下させているわけではないので、非プロトタイプ用法です。
4 「順位」を落下させているわけではないので、非プロトタイプ用法です。

問2 メンタル・レキシコン (心的辞書)

解説 メンタル・レキシコン (心的辞書)

「メンタル・レキシコン(心的辞書)」とは、長期記憶の中に「辞書」のようなものがあり、そこに語彙が蓄えられていると考えられているという考え方のことです。
●母語でも第二言語でも、覚えた単語は単語内、単語間で関連づけられ、音・意味・文法形式の三つからなる特徴の集合として保存されている。
●保存のされ方は五十音順やアルファベット順でなく、常に情報の追加・更新を行っている。
ことが特徴として挙げられています。

その答えになる理由

上記より、1が正解で2・4は間違い…までは大丈夫だと思います。

3ですが、語彙数が明らかに少ないですね。
日本語能力試験を例にすると、
 N1 10,000語
 N2 6,000語
 N3 3,000語
なので、成人日本語母語話者の語彙数が5,000ということはありません。

問3 コロケーション

解説 ダイクシス (現場指示)

「ダイクシス(現場指示)」とは、発話場面において、直接物事を指し示す用法のことです。
「これは誰の車ですか?」のように、現場にあるものを指します。
●自分の近くにあるもの … コ系列
●相手の近くいあるもの … ソ系列
●両者から離れているもの … ア系列

解説 コロケーション

「コロケーション」とは、文や句における語の慣用的なつながり(慣用句)のことです。
「油を売る」「喉から手が出る」のように2つ以上の組み合わせが固定化され、一定の意味をなすようになったものを指します。

解説 語構成

「語構成」とは、語の分類法の1つで、語の組み立て方や結びつき方に着目したものを言います。
大きく「単純語」「合成語」の2つに分けられます。

単純語
1つの語の中に1つの形態素を持つもの
「山」「ペン」など

合成語
1つの語の中に複数の形態素を持つもの
「山登り」「筆ペン」など

解説 転成

「転成」とは、既存の言語要素を利用して新しい語をつくる方法のことです。
「話す(動詞)→話(名詞)」
「すごい(形容詞)→すごく(副詞)」

その答えになる理由

「このハンガーに服をかけてください」の方が適切ですね。
「服をかける」というコロケーションを知らずに、「服をつける」と言ってしまっています。
2が正解です。

問4 キーワード法

解説 キーワード法

「キーワード法」とは、その音が使われている言葉をキーワードにして、単語を覚えていく学習法のことです。

幼児が「ひらがな絵本」「ひらがなカード」などを使って
「あひる」の「あ」
「いるか」の「い」
のように文字を覚えていくのは、キーワード法を使っています。

外国語学習であれば、覚えたい学習言語の語で使われている音をキーワードにして、似ている音が使われている母語を紐づけて記憶します。

その答えになる理由

1が正解です。
覚えたい語と「音声的」に似ている母語の言葉のイメージを関連付けるのが「キーワード法」です。

問5 読解の授業における新出語の扱い方

その答えになる理由

選択肢を1つずつ見ていきましょう。

内容理解に重要で意味の推測が難しい語は、事前に指導しておくことでスムーズな導入が可能です。
1は間違っていません。

内容理解に重要で意味の推測がいしやすい語は、学習者に推測させることでより浸透しやすくなります。
2は間違っていません。

内容理解に重要でなく覚える必要のない語は、説明すると学習者の負担を増やしてしまいます。
3は間違っていません。

あくまで読解授業なので、内容理解に重要でないのであれば、覚えるべき語であっても事前の指導は不要です。
関連する課のタイミングの指導で問題ないと思います。
4が間違いです。

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