今回は、
✅ 「にもまして」の意味・使い方
✅ 「にもまして」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
「にもまして」の意味・使い方
「にもまして」は、2つの事物を比較する表現
Aさんは、Bさんより体力がある。
「AはBより●●する」「AはBより●●だ」のように、「より」を用いることで、●●という点に関してAとBの2つの事物の間に差があることを表現することができますね。
この「より」は、格助詞です。
格助詞「より」には、起点の用法があり、「Bさんを起点にして考えると、Aさんの方が体力がある」という内容を表しています。
格助詞「より」に近い働きをするのが、複合格助詞「にもまして」です。
「まして」の部分は、動詞「増す」のテ形(連用形+て)なので、「にも増して」と表現することもあります。
Aさんは、Bさんより体力がある。
Aさんは、Bさんにもまして体力がある。
のように、この場合は「より ⇔ にもまして」を置き換えても不自然ではないですね。
格助詞「より」については、以下の記事で解説しています。
こちらも合わせてご確認ください。
「にもまして」の類似表現
「にもまして」の類似表現は、「以上に」
Aさんは、Bさんにもまして体力がある。
Aさんは、Bさん以上に体力がある。
のように、「にもまして ⇔ 以上に」を置き換えても不自然ではないですね。
どちらも、「Bさんを起点にして考えると、Aさんの方が体力がある」ことを表しています。
「にもまして」「以上に」は、「より」に置き換えられない場合がある。
Aさんは、Bさんより体力がある。
Aさんは、Bさんにもまして体力がある。
Aさんは、Bさん以上に体力がある。
のように、この場合は「より ⇔ にもまして ⇔ 以上に」を置き換えても不自然ではないですね。
それでは、次の場合はどうでしょうか?
○ Aさんは、病気がちなBさんより体力がある。
× Aさんは、病気がちなBさんにもまして体力がある。
× Aさんは、病気がちなBさん以上に体力がある。
「より」は自然ですが、「にもまして」「以上に」は不自然ですね。
これは、「AさんもBさんも体力がある」という前提がないからです。
「より」は、AとBが共通した性質をもっているかに関係なく、単純にAの方が●●であるということを表現することができます。
「にもまして」「以上に」は、AとBが共通した性質をもっていることを前提にし、Aの方が●●であるということを表現します。
「より」の方が、「にもまして」「以上に」と比べて使える範囲が広いですね。
参考書籍
今回は、
✅ 「にもまして」の意味・使い方
✅ 「にもまして」の類似表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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