【文法】格助詞「に」の用法①【日本語を基礎から、もう1度】

「日本語」を基礎から、もう1度

日本語を基礎から学ぶ方・学び直す方向けの講座です。

「こう教えてもらっていればわかったのに…」
を実現してくことを目的としています。

本講座では、主に

言語学全般

日本語文法

について取り扱っていきます。

日本語教育能力検定試験の学習のため

以外にも、

日本語教師としてレベルアップしていきたい

現場知識だけでなく、きちんと土台も固めておきたい

という方は、ぜひご一読ください。

「ガ格」「ニ格」……、なんとなく心理的な抵抗感はありませんか?

【復習】「格」とは何か?

「格」とは「名詞と述語の間に成り立つ意味関係」を表す文法用語です。

…なんだかイメージしづらいですよね。
例文で考えてみましょう。

降る。
であれば、「降る」という【動きの主体】が「雨」であることを表しています。

私は逆上がりできる。
であれば、「できる」という【能力の対象】が「逆上がり」であることを表しています。

同じ「が」でも、意味関係が違いますね。
「雨」は【動きの主体】、「逆上がり」は【能力の対象】です。
これらの意味関係は、名詞につく「格助詞」によって示されます。
言い換えれば、「直前の名詞が、述語に対してどのような関係か?」を格助詞で表しています。

格助詞は「が」「を」「に」「へ」「と」「から」「より」「で」「まで」です。
まずは、この9つを覚えましょう。

「に」の用法

「に」は大きく分けて【着点】【相手】【場所】【起因・根拠】【主体】【対象】【手段】【時】【領域】【目的】【役割】【割合】の12個の用法があります。

盛りだくさんなので、3回に分けて勉強していきましょう。
今回は【着点】【相手】【場所】【起因・根拠】です。

【着点】の用法

【移動の着点
着いた。

【相手】の用法

【動作の相手
芸能人サインを頼んだ。

【授与の相手
誕生日プレゼントをあげた。

【受身的動作の相手
知らない人話しかけられた。

【基準としての相手
彼の技術は師匠勝るとも劣らない。

【場所】の用法

【存在の場所
本棚参考書がある。

【出現の場所
浴室カビが生えた。

【起因・根拠】の用法

【感情・感覚の起因
彼の考え方親近感がわいた。

【継続的状態の起因
秋風稲穂が揺れていた。

下線部は、【着点】【相手】【場所】【起因・根拠】のどの用法でしょうか?

① 彼の態度腹を立てた。
② 木の下男の子がいる。
③ 自転車で学校行く。
④ 先生ノートを見せた。

① 彼の態度腹を立てた。
【感情・感覚の起因

② 木の下男の子がいる。
【存在の場所

③ 自転車で学校行く。
【移動の着点

④ 先生ノートを見せた。
【動作の相手

下線部の中で、他の選択肢と用法が異なるものはどれでしょうか?

① 子供絵本を読み聞かせる。
② 鳩エサをやった。
③ 駅前お洒落なカフェがある。
④ 現行犯で警察逮捕された。

① 子供絵本を読み聞かせる。【動作の相手
② 鳩エサをやった。【授与の相手
③ 駅前お洒落なカフェがある。【存在の場所
④ 現行犯で警察逮捕された。【受身的動作の相手

②だけ【場所】の用法ですね。

文法書によって言葉の定義が異なるので、「動作」「授与」「存在」「受身的動作」までは覚えなくても大丈夫です。
大分類の名称(今回であれば【相手】【場所】など)だけ覚えておいて、そこからの細分化は区別だけできるようにしていきましょう。

他の記事はこちら

格助詞「が」の用法
格助詞「を」の用法
格助詞「に」の用法 ① ←今回の内容
格助詞「に」の用法 ②
格助詞「に」の用法 ③
格助詞「へ」「まで」の用法
格助詞「で」の用法①
格助詞「で」の用法②
格助詞「から」の用法
格助詞「より」の用法
格助詞「と」の用法

参考書籍

今回は、以下を参考にしています。

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