【文法】格助詞「に」の用法③【日本語を基礎から、もう1度】

「日本語」を基礎から、もう1度

日本語を基礎から学ぶ方・学び直す方向けの講座です。

「こう教えてもらっていればわかったのに…」
を実現してくことを目的としています。

本講座では、主に

言語学全般

日本語文法

について取り扱っていきます。

日本語教育能力検定試験の学習のため

以外にも、

日本語教師としてレベルアップしていきたい

現場知識だけでなく、きちんと土台も固めておきたい

という方は、ぜひご一読ください。

「ガ格」「ニ格」……、なんとなく心理的な抵抗感はありませんか?

【復習】「格」とは何か?

「格」とは「名詞と述語の間に成り立つ意味関係」を表す文法用語です。

…なんだかイメージしづらいですよね。
例文で考えてみましょう。

降る。
であれば、「降る」という【動きの主体】が「雨」であることを表しています。

私は逆上がりできる。
であれば、「できる」という【能力の対象】が「逆上がり」であることを表しています。

同じ「が」でも、意味関係が違いますね。
「雨」は【動きの主体】、「逆上がり」は【能力の対象】です。
これらの意味関係は、名詞につく「格助詞」によって示されます。
言い換えれば、「直前の名詞が、述語に対してどのような関係か?」を格助詞で表しています。

格助詞は「が」「を」「に」「へ」「と」「から」「より」「で」「まで」です。
まずは、この9つを覚えましょう。

「に」の用法

「に」は大きく分けて【着点】【相手】【場所】【起因・根拠】【主体】【対象】【手段】【時】【領域】【目的】【役割】【割合】の12個の用法があります。

盛りだくさんなので、3回に分けて勉強していきましょう。
今回は【領域】【目的】【役割】【割合】です。

【領域】の用法

【認識の成り立つ領域
は、彼の考え方が革新的に思えた。

【目的】の用法

【移動の目的
明日、買い物行こうよ。

【役割】の用法

名目
お礼ギフト券を贈った。

【割合】の用法

割合
10人1人が当選しています。

下線部は、【領域】【目的】【役割】【割合】のどの用法でしょうか?

① 1週間1回は運動するようにしましょう。
② 父の迎え駅まで向かった。
③ 私は、海外の経験が刺激的だった。
④ プレゼントのお返し時計をもらった。

① 1週間1回は運動するようにしましょう。
割合

② 父の迎え駅まで向かった。
【移動の目的

③ 私は、海外の経験が刺激的だった。
【認識の成り立つ領域

④ プレゼントのお返し時計をもらった。
役割(名目)】

下線部の中で、他の選択肢と用法が異なるものはどれでしょうか?

① 母に会えるのは、年1・2回だ。
② 飲酒は、2日に1回までにしてください。
③ プレゼントを買いデパートに行った。
④ 10年1人の逸材だ。

① 母に会えるのは、年1・2回だ。【割合
② 飲酒は、2日に1回までにしてください。【割合
③ プレゼントを買いデパートに行った。【移動の目的
④ 10年1人の逸材だ。【割合

③だけ【目的】の用法ですね。

他の記事はこちら

格助詞「が」の用法
格助詞「を」の用法
格助詞「に」の用法 ①
格助詞「に」の用法 ②
格助詞「に」の用法 ③ ←今回の内容
格助詞「へ」「まで」の用法
格助詞「で」の用法①
格助詞「で」の用法②
格助詞「から」の用法
格助詞「より」の用法
格助詞「と」の用法

参考書籍

今回は、以下を参考にしています。

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