平成29年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題5
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
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問1 使用語彙
解説 使用語彙
「使用語彙」とは、自由に運用・産出することができる語の集合のことです。
意味がわかるだけでなく自由に使いこなせる必要があるため、後述の「理解語彙」よりも数は少なくなります。
解説 理解語彙
「理解語彙」とは、聞いたり読んだりして意味がわかる語の集合のことです。
一般的に、日本語母語話者の理解語彙は4~5万語だと言われています。
解説 基礎語彙
「基礎語彙」とは、ある言語において、使用頻度が高く、基礎的な意味を担う語の集合のことです。
解説 基本語彙
「基本語彙」とは、特定の分野における語彙の中で、特に重要度の高い語の集合のことです。
その答えになる理由
語彙は、理解と使用の点で「理解語彙」と「使用語彙」、使われる領域から「基礎語彙」と「基本語彙」などに区別することができます。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1 「基礎語彙」の説明です。
2 「理解語彙」の説明です。
3 「使用語彙」の説明です。これが正解です。
4 「基本語彙」の説明です。
問2 初級学習者にとって覚えやすい語
その答えになる理由
これは解説不要ですね。
2が正解です。
問3 ダイクシス(直示表現)
解説 ダイクシス (直示表現)
「ダイクシス(直示表現)」とは、発話場面によって、内容が決まる用法のことです。
「これは誰の本ですか?」や「明日までに宿題をやらなければならない」などが該当します。
その答えになる理由
1は、全て会話の場面がわからないと指し示すものもわかりません。
これが正解です。
2は、「行く」「来る」はダイクシス(直示表現)ですが、「逃げる」はダイクシスではありません。
3は、「あげる」「もらう」はダイクシス(直示表現)ですが、「捨てる」はダイクシスではありません。
4は、全てダイクシス(直示表現)ではありません。
時の表現では、「今日」「明日」「明後日」などがダイクシスです。
問4 語の意味の指導
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
和語と漢語のどちらが易しいかは、学習者の母語が漢字圏かどうかによって捉え方が異なります。
1は間違いです。
2は何も問題ありません。
これが正解です。
外来語が易しいかどうかは、英語圏かどうかで決まるわけではありません。
外来語が英語由来のものだけではないからです。
3は間違いです。
漢語は、必ずしも漢字圏の学習者の言語と同じ意味とは限りません。
4は間違いです。
問5 スリーヒントゲーム
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
手順②でカードを見た学習者がヒントを3つ考えて、他の学習者に伝えます。
ここでは授業で習った語を使って文を作るため、1は間違いではありません。
手順②でカードを見た学習者がヒントを3つ考えて、他の学習者に伝えます。
習った語でヒントを与えられることにより、与えられた側はそれを思い出すことができますね。
3は間違いではありません。
手順②でカードを見た学習者がヒントを3つ考えて、他の学習者に伝えます。
習った語でヒントを与えられることにより、与えられた側はそれを関連づけることができますね
4は間違いではありません。
残った2が正解です。