
日本語を基礎から学ぶ方・学び直す方向けの講座です。
「こう教えてもらっていればわかったのに…」
を実現してくことを目的としています。
本講座では、主に
・言語学全般
・日本語文法
について取り扱っていきます。
・日本語教育能力検定試験の学習のため
以外にも、
・日本語教師としてレベルアップしていきたい
・現場知識だけでなく、きちんと土台も固めておきたい
という方は、ぜひご一読ください。
こんなお悩みはありませんか?
「●●節」のような文法用語に抵抗感がある…
「従属度が高い」ってどういうこと…?
モダリティ・テンスなど、ほかの文法が混ざってきて難しい…

この連載記事では…
「複文」の問題を解くために必要な知識を一通り確認すること
を目標に解説していきます。
複文とは?
述語を1つもつ文を「単文」、2つ以上もつ文を「複文」と言います。
まずは、「単文」から見ていきましょう。
日本語で述語にくるのは、
動詞
形容詞(イ形容詞・ナ形容詞)
名詞
です。
【動詞文】
中華料理を食べた。
【イ形容詞文】
そなたは美しい。
【ナ形容詞文】
窓からの景色がきれいだ。
【名詞文】
この女性が彼の妹だ。
これらの文は、すべて述語が1つですね。
このように、述語が1つの文を「単文」と言います。
それでは、次の文はどうでしょうか?
Aさんが作った中華料理を食べた。
「食べた」「作った」の2つの述語が存在しているので、これは「複文」です。
また、「中華料理を食べた」「Aさんが作った」のどちらがメインかを考えてみると…
「中華料理を食べた」がメインで、「Aさんが作った」がサブですね。
「Aさんが作った」は、どんな中華料理だったかを説明する役割をしています。
「中華料理を食べた」「Aさんが作った」のように、1つの述語を中心とした文のまとまりのことを「節」と言います。
「複文」は複数の述語をもっているので、複数の「節」をもっているとも言えます。
先ほどの例文では、メインの「節」が「中華料理を食べた」・サブの「節」が「Aさんが作った」でした。
このように、複数ある「節」のうち、メインとなるものを「主節」・サブとなるものを「従属節」と言います。
「主節」「従属節」について、もう少し例文で見ていきましょう。
私は、彼が犯人だと知っている。
この文の述語は、「知っている」と「犯人だ」ですね。
また、これらの述語が中心となる節は、「私は知っている」と「彼が犯人だ」です。
「私は知っている」と「彼が犯人だ」のうち、メインなるものは「私は知っている」ですね。
そのため、この文の主節は「私は知っている」・従属節は「彼が犯人だ」です。
勉強しているときに、電話がかかってきた。
この文の述語は、「勉強している」と「かかってきた」ですね。
また、これらの述語が中心となる節は、「勉強している」と「電話がかかってきた」です。
「勉強している」と「電話がかかってきた」のうち、メインとなるものは「電話がかかってきた」ですね。
そのため、この文の主節は「電話がかかってきた」・従属節は「勉強している」です。
彼は就職し、私は進学した。
この文の述語は、「就職した」と「進学した」です。
また、これらの述語が中心となる節は、「彼は就職した」と「私は進学した」です。
「彼は就職した」と「私は進学した」のうち、メインとなるものを考えると…
どちらかがメイン…ということはなさそうですね。
このように、複文は複数の「節」をもちますが、「主節」「従属節」が決まらない場合もあります。
これは、複文の中でも「従属度」が異なるためです。
「従属度」については、以降の記事にて説明していきますが、今の時点では
彼は就職し、私は進学した。
のように「それぞれが単文に近い」場合は、従属度が低く、「主節」「従属節」が決まらない…という理解でOKです。
まとめ
この記事では
「複文」とはどのような文のことか?
「節」とは何か?
「主節」「従属節」とは何か?
について、ご案内してきました。
次の記事では、
「複文」にはどのような種類のものがあるのか?
について、ご案内します。