
今回は、「外国語教授法」の問題です。
まずは人の名前・教授法名を覚えながら、キーワードをしっかりと押さえていきましょう。
※ 「言語と心理」「言語と教育」の内容等、教授法と紐づけて覚えておいた方が良いものも掲載しています。
問題1
「言語の本質をどのように捉えるか?」という信念や仮説に基づいた言語学習理論を何というか?
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アプローチ
「アプローチをどのように授業に反映させるか?」という観点から示された具体的な手順や技法を何と言うか?
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メソッド
アプローチは「その言語がどのようなもので、どう教えるのが良いのか…?/この方向性で教えるのが良いと思う!」という仮説や信念、メソッドは「それでは、具体的にどのような指導をしていけば良いか…」という手順・技法です。
これらのワード自体が聞かれることはないですが、後述の内容が「アプローチ」の内容なのか・「メソッド」の内容なのか…を意識するきっかけにしてみてください。
問題2
19世紀後半ごろまでヨーロッパで主流であった、教師が文法を解説し、学習者が文法規則等を暗記して母語に訳すことで内容を理解する教授法は何か?
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文法訳読法(文法翻訳法、対訳法、GTM)
文法訳読法で授業を行うことによる「学習者側」のメリットは何か?
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読解力が身に付く、独習にも応用可能
文法訳読法で授業を行うことによる「教師側」のメリットは何か?
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その言語を話せなくても教えられるので、指導の負担が軽い
文法訳読法で授業を行うことによるデメリットは何か?
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音声面の能力(コミュニケーション能力)が身に付かない
ドイツの学者で19世紀半ばに、それまでラテン語教育で使われていた伝統的な文法訳読法を理論的に体系化した人物は誰か?
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プレッツ
ドイツの文法学者で19世紀半ばに、文法訳読法に口頭練習を加えた教授法を提唱した人物は誰か?
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オレンドルフ
「文法訳読法」は、ヨーロッパで伝統的にラテン語教育に用いられていました。
前提となるのは、
① 文学作品などの「文字言語」は「音声言語」よりも優れている
② 目標言語のすべての単語は、母語に翻訳することができる
という考え方です。
そのため、文法訳読法が目指すのは
単語や規則を暗記して、翻訳できるようになること
でした。
文法訳読法が批判されるようになった19世紀後半ごろは、産業革命による鉄道網の拡大等で人の往来が盛んになった時代です。
人の往来が盛んになる
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異なる言語の人と会話
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コミュニケーションって大事!
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翻訳だけでは、話せるようにならないじゃん!
…といった流れで、次の教授法へとバトンが渡されていきます。
文法訳読法と次の教授法の橋渡し的な位置づけになるのが、オレンドルフの「プラクティス・メソッド」と呼ばれる教授法です。
問題3
19世紀後半ごろに、音声面の能力が身に付きづらい「文法訳読法」への批判から開発された、幼児が母語を習得する過程を外国語学習に適用することで「自然な」言語習得を目指した教授法全般を何というか?
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ナチュラル・メソッド(自然主義教授法)
ナチュラル・メソッドの提唱者の1人で、へネスとともに19世紀後半にアメリカ東部においてナチュラル・メソッドによる外国語教育を行った人物は誰か?
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ソブール
「ナチュラル・メソッド」の代表例の1つで、ラテン語教師のグアンが開発した、幼児が思考の順に言葉を使うことに着目した教授法は何か?
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サイコロジカル・メソッド(シリーズ・メソッド、グアン・メソッド)
サイコロジカル・メソッドで授業を行うことによるメリットは何か?
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目標言語の音声への接触が多い
戦前に、当時日本が統治していた台湾・朝鮮半島・満州での日本語教育において「サイコロジカル・メソッド」を採用した人物は誰か?
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山口喜一郎(やまぐち きいちろう)
山口喜一郎が「サイコロジカル・メソッド」による日本語教育を実施する以前の19世紀末に、台湾で訳読法による日本語教育を始めた人物は誰か?
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伊沢修二(いざわ しゅうじ)
「ナチュラル・メソッド」の代表例の1つで、語彙や文法の意味理解を絵カード・レアリアなどで促す形で導入し、口頭練習を重視した教授法は何か?
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ベルリッツ・メソッド
ナチュラル・メソッドの提唱者であるソブールとへネスは、アメリカ東部において伝統的な訳読法からナチュラル・メソッドへ大きく転換するために、
・初日から辞書を使わずに目標言語だけで話す
・音に集中するため、一定期間教科書を見せない
などの大胆な手法を取っていました。
ナチュラル・メソッドの代表例、ベルリッツ・メソッドの方は良いのですが…
・サイコロジカル・メソッド
・シリーズ・メソッド
・グアン・メソッド
・グアン式教授法
…呼び方、1つにしてくれればいいのにって思いますよね。
でも、全部覚えてください。
実際の試験で、どの呼び方で出てくるかわからないからです。
発達心理学(psychology)を理論的根拠としていることから「サイコロジカル・メソッド」、シリーズと呼ばれる連続した動作を示す文によって授業の課が構成されていることから「シリーズ・メソッド」、グアンが提唱したので「グアン・メソッド(グアン式教授法)と呼ばれています。
ベルリッツ・メソッドのように最後のだけでいいじゃん…と思ったあなた、私と思考が同じです。
余談ですが、ベルリッツはあの有名な「ベルリッツ・スクール」の創始者です。
問題4
言語学者のパーマーが提唱した、「聞く」「話す」を第一技能・「読む」「書く」を第二技能とし、第一技能の習得を優先させた教授法は何か?
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オーラル・メソッド
パーマーとともに文部省に勤務し、オーラル・メソッドを日本語教育に導入した人物は誰か?
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長沼直兄(ながぬま なおえ)
パーマーは、ソシュールの言語理論に基づいて、言語を「体系としての言語」「運用としての言語」に分け、言語学習の対象は「運用としての言語」の方だとしていました。
とことん「音声言語の方が大事!」を貫き、
・入門期は文字を全く見せずに、口頭練習のみ
・文字の導入後も「聞く→話す→読む→書く」の順で進行
を徹底させていました。
長沼直兄(ながぬま なおえ)がオーラル・メソッドを日本語教育に応用して開発した教授法は「問答法」と呼ばれています。
問題5
フィーエトル、スウィート、イェスベルセン等が提唱した、訳読法への批判により開発された、発音記号を使った発音練習の重視し、翻訳を介さないことばと意味の直接連合を原理とした教授法は何か?
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フォネティック・メソッド
「フォネティック(phonetic)」とは「音声(学)の」という意味です。
「フォネティック・メソッド」は、1888年に国際音声字母(IPA)の最初の版が制定されるなど、音声学研究の高まりを背景に成立しました。
ナチュラル・メソッド等と同様に訳読法への批判から提唱されているので、話しことばからの導入・発音記号を使った発音練習の重視などに特徴があります。
音声記号、苦手意識のある方が多いのではないかと思います。
単独で見るとイマイチ規則性が見えないのですが、集まっているのを見ると意外と理解しやすい良い奴らです。
問題6
ゲシュタルト心理学を背景として開発された、簡単な項目から難しい項目へと段階的に授業が進み、媒介語を使わずに直接的に概念理解を進めていく教授法は何か?
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GDM(Graded Direct Method、段階的直接教授法)
GDMにおいて、段階的に提示されていく850語の単語を基にした簡略化された英語の体系を何と言うか?
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ベーシック・イングリッシュ
GDMではゲシュタルト心理学に基づき、「文」と「場面」の関係を何と言う単位で考えているか?
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SEN-SIT(センシット)
GDMは、Graded Direct Method の略です。
簡単な項目から難しい項目へと段階的(Graded)に進んでいき、媒介語を使わずに直接(Direct)その概念を理解することができるとされています。
ハーバード大学のリチャーズとギブソンが約20年かけて開発した入門期の外国語教授法で、850語の単語を基にした簡略化された英語体系である「ベーシック・イングリッシュ」を使用します。
この「ベーシック・イングリッシュ」は、実際のコミュニケーションに役立つかの観点から語彙と文法を制限されており、簡単なものから難しいものの順番で並べられて、その順番を厳密に守って段階的に教えていくのが特徴です。
ゲシュタルト心理学は、日本語研究史でも出てきますね。
心理学の用語で「全体は部分よりも大きいものであり、いかなるものであれ、全体の属性は部分の個別的な分析から導き出すことはできない」とする考え方のことです。
ゲシュタルト心理学では、心は要素の集合体ではなく、機能的構造をもった統一体として捉えています。
GDMでは、ゲシュタルト心理学に基づいて物事を全体的な枠組みの中で捉えるので、常に「文(sentence)」と「場面(situation)」を紐づけて考えています。
この「文(sentence)」と「場面(situation)」を組み合わせた単位を「SEN-SIT(センシット)」と呼び、SEN-SITも段階的に配置されて学習者に提示されるのも特徴の1つです。
授業は母語を使わない直接法で行われ、文型は教師の行動やスティック・フィギュア(線画)で提示されて、文脈理解による学習者の自発的な発言を促します。
問題7
第二次世界大戦末期にASTP(米国陸軍専門教育計画)で用いられた、文法説明は母語と目標言語の両方に精通した者・会話練習は目標言語の母語話者が行う教授法は何か?
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アーミー・メソッド
アーミーメソッドが理論基盤としている考え方は何か?(2つ)
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(アメリカ)構造主義言語学
行動主義心理学
アーミーメソッドにおいて、口頭練習を担当する役割を何と言うか?
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ドリル・マスター
アーミーメソッドにおいて「ドリル・マスター」を担当する、言語学における「目標言語の母語話者」を表す用語を何と言うか?
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インフォーマント
アーミーメソッドは、
・(アメリカ)構造主義言語学(言語の基本は音声である)
・行動主義心理学(客観的に観察できる行動のみを観察対象にする)
の2つが理論基盤になっています。
目標はシンプルに「その言語を話せるようになること」です。
戦時下なので、短期集中で話せるようにするために反復練習を重視していました。
授業は、
① 言語学者が文法などを「母語で」説明する
② 「目標言語の母語話者」と口頭練習を繰り返す
の流れで行われていました。
②のコーチ側の役割のことを「ドリル・マスター」と言います。
また、言語学において、学習言語の母語話者のことを「インフォーマント」と言います。
つまり、アーミーメソッドでは、「目標言語の母語話者(インフォーマント)」が「学習者との口頭練習を繰り返す役割(ドリル・マスター)」を担っているということですね。
試験ではここまでの深堀りはありませんが、用語が少しややこしいので、整理してすっきりしておきましょう。
問題8
ミシガン大学のフリーズが提唱した、「(アメリカ)構造主義言語学」「行動主義心理学」を理論基盤とした教授法は何か?
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オーディオ・リンガル・メソッド(ミシガン・メソッド、フリーズ・メソッド、AL法)
オーディオ・リンガル・メソッドで行われた代表的な練習方法の1つで、教師が口頭で示した文型を正確な発音・正確なアクセント・正確なリズムで模倣・反復・記憶するものを何と言うか?
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ミムメム練習
オーディオ・リンガル・メソッドで行われた代表的な練習方法の1つで、目標とする文型を音声的・文法的に正確に操作する力を身に着けることを目的としたものを何と言うか?
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パターン・プラクティス
パターンプラクティスにおいて、以下のような練習を何と言うか?
教師:駅へ行きます。
学習者:( 公園 )へ行きます。
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代入練習
パターンプラクティスにおいて、以下のような練習を何と言うか?
教師:食べます。
学習者:食べてください。
教師:読みます。
学習者:読んでください。
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変形練習
パターンプラクティスにおいて、以下のような練習を何と言うか?
教師:納豆は好きですか?
学習者:はい、好きです。
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応答練習
パターンプラクティスにおいて、以下のような練習を何と言うか?
例:男の子がいます。
→ 小さい男の子がいます。
→ 木のそばに小さい男の子がいます。
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拡大練習
オーディオ・リンガル・メソッドのデメリットは何か?
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機械的な練習では、コミュニケーション能力が身に付かない
え…?どこまでスクロールするの…?となっている方、大丈夫です。
もう折り返しています。
オーディオ・リンガル・メソッドの考え方は、アーミーメソッドと同じく
・(アメリカ)構造主義言語学(言語の基本は音声である)
・行動主義心理学(客観的に観察できる行動のみを観察対象にする)
です。
「言語は構造になっていて、音声が1番大事」という考え方をベースに、「習慣形成」による言語習得を目標としています。
1950年~60年代にかけて外国語教授法界隈を風靡したのですが、「機械的に練習を繰り返しているだけでは、コミュニケーションできないじゃん…」という批判のもと流行が収束していきました。
…とはいえ、初期学習においてより効果があることは間違いなく、戦後日本の英語教育において最も大きな影響を与えた教授法だと言われています。
問題9
心理学者のガッテーニョが提唱した、教師はできるだけ沈黙し、サウンド・カラーチャートやロッド等の特殊な教具を用いる教授法は何か?
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サイレント・ウェイ
日本語教育能力検定試験の出題範囲の中で「教師がほとんど話さない」「特殊な教具」と出てきたら、「サイレント・ウェイ」のことです。
「真の習得は、学習者の気づきなしには起こりえない」という考え方えをベースに
・教師は沈黙する
・学習者は自ら考え、規則や体系を発見する
・↑にはリラックスした状態で学習者同士が協力しあうことが必要
とされています。
実際に授業を行うには「特殊な教具」を使いこなす必要があることから、日本ではあまり流行らなかったそうです。
問題10
心理学者のカランが提唱した、学習者の不安を取り除くことを重視し、教師=カウンセラー・学習者=クライアント・クラス=コミュニティと呼ぶ教授法は何か?
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コミュニティ・ランゲージ・ラーニング(CLL、カウンセリング・ラーニング)
「コミュニティ・ランゲージ・ラーニング」とは、教室内において「他の学習者の前で間違えることへの不安」を和らげるために、カウンセリングのやり方を応用した教授法のことです。
① 学習者同士で「目標言語」を使って自由に話す
② ①を録音しておく
③ ①の際にわからない表現があれば、媒介語を使って教師が補助する
④ ①の録音を文字化したものを教材として授業を行う
学習者が話したことがベースになるため、授業内容は学習者のニーズに合ったものになります。
一方で、教師側は「目標言語」「媒介語」の両方の運用力が必要になり、ハードルが高い教授法だとも言えます。
問題11
心理学者のアッシャーが提唱した、教師が指示・命令を口頭で行い、学習者は指示通りに体を動かすことによって理解していることを示す教授法は何か?
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TPR(全身反応教授法)
TPRでは、
・学習者は自分が話したい/今ならいける!と思ったときに話し出せばOK
・ストレスのない学習環境だと、自然な言語習得が実現できる
・左脳(知的行為)と右脳(身体的行為)の両方を活用することで、言語習得が加速していく
とされています。
動作以外の文型・表現の指導が難しいのが欠点です。
問題12
精神科医のロザノフが提唱した、教室内のものや採光に注意したり、クラシック音楽を利用したりしてリラックスできる環境を準備して学習者の潜在能力の開発を行う教授法は何か?
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サジェストペディア
「リラックスできる環境」は他の教授法でも出てくるのですが、「クラシック音楽」が出てきたら「サジェストペディア」一択です。
これまでの教授法は言語学者・心理学者の発案が多かったのですが、サジェストペディアを考案したロザノフは精神医です。
サジェストペディア自体も「暗示」により学習者の不安を取り除く…という考え方がベースになっています。
・環境を用意する必要があるので、多人数のクラスに向かないこと
・暗示等、教師側に専門知識が必要なこと
から、あまり流行らなかったとされています。
● サイレントウェイ
● コミュニティ・ランゲージ・ラーニング
● TPR
● サジェストペディア
は「ヒューマスティックな教授法」と総称されています。
1960年代に高まったオーディオ・リンガル・メソッドに対する批判(機械的は練習ばかりでは…!!)から、学習者の成長の可能性を信じて、教師がそれを補助していく…という点が共通点です。
問題13
言語をどのように聞き取って再生するかという「言語聴覚論」に基づき、リズム・イントネーション等を「身体リズム活動」を活用して正しい方向へ導く教授法は何か?
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VT法(ベルボ・トナル法)
「身体リズム活動」がキーワードですね。
VT法は、もともとは言語全体に関する理論だったのですが、現在では「音声指導法」として広く認知されています。
アクセントやイントネーションであれば、音の高低に合わせて手を上下する…のように「言語音の音声的特徴」を「身体の動き」と関連付けて身に着けていきます。
平井堅のようなイメージです。
問題14
1972年に言語学者のウィルキンズが欧州評議会に提出した概念シラバスがもとになった、実際に日常生活でコミュニケーションを行えることを目的とした教授法は何か?
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コミュニカティブ・アプローチ(CA)
コミュニカティブ・アプローチの理論基盤となっているものは何か?(2つ)
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ハリデーの機能言語学
ハイムズの社会言語学
ハリデーの機能言語学では、言語の何と何を重視しているか?
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言語の意味と機能
上記により、コミュニカティブ・アプローチで採用されているシラバスは何か?
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機能シラバス
ハイムズの社会言語学では、言語能力とは何の総体だと言われているか?
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伝達能力(コミュニカティブ・コンピテンス)
ハイムズは、コミュニケーションを行うためには、正確な形式・表現を使うだけでなく、その場における適切な言語使用が必要であることを唱えた。
また、社会言語学者カナルは、そこから発展させて「伝達能力」が4つの要素で成り立っていると唱えた。
カナルが唱えた「伝達能力」の要素の1つで、語や文法を正確に使用できる能力を何と言うか?
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文法能力
カナルが唱えた「伝達能力」の要素の1つで、相手や場面に応じて適切な表現を使用できる能力を何と言うか?
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社会言語学的能力
カナルが唱えた「伝達能力」の要素の1つで、コミュニケーションを正確に行うための能力を何と言うか?
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ストラテジー能力
カナルが唱えた「伝達能力」の要素の1つで、「会話の切り出し方」や「発話の順番の取り方」等、文よりも上のレベルで発話を理解・構成する能力を何と言うか?
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談話能力
コミュニカティブ・アプローチ等で行われる練習法の1つで、個人やグループで具体的なテーマを決めて、テーマに合わせた情報収集等を行って、その結果をまとめ・発表する活動を何と言うか?
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プロジェクト・ワーク
コミュニカティブ・アプローチ等で行われる練習法の1つで、会話の目的・状況等を設定しておき、与えられた役割に応じて会話を進めていく活動を何と言うか?
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ロールプレイ
コミュニカティブ・アプローチ等で行われる練習法の1つで、ある状況下で何らかの問題が発生していると仮定し、その問題解決のために学習者同士で調査報告や意見交換などを行う活動を何と言うか?
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シミュレーション
コミュニカティブ・アプローチ等で行われる練習法の1つで、
① 共通の目標を設定する(例:文章を完成させる)
② 必要となる情報をいくつかに分ける
③ 学習者もいくつかのグループに分ける
④ グループごとに異なる②を与える
⑤ 各グループから1名ずつ出し、集まった学習者で新しいグループを作る
⑥ ⑤のグループで、持ってきた情報を交換し合う
⑦ ⑤→⑥を繰り返す
⑧ 最終的に多くの情報を統合した1つのものを完成させる
といった活動を何と言うか?
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ジグソー
上記のような活動を行う上で前提となる、話し手と聞き手の間に存在する情報量の差のことを何と言うか?
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インフォメーション・ギャップ
……そろそろ嫌になってきましたね…!!
この問題が終われば、あと2問です。
一緒に頑張っていきましょう (‘◇’)ゞ
「コミュニカティブ・アプローチ」は、オーディオ・リンガル・メソッドへの批判(機械的は練習ばかりでは…!!)から提唱されました。
「学習者の成長を信じる」
● サイレントウェイ
● コミュニティ・ランゲージ・ラーニング
● TPR
● サジェストペディア
などの「ヒューマンニスティックな教授法」とは別の位置づけで、「コミュニケーションにつながる教授法」であるとされています。
比較的新しいこともあって、よく出題される分野ですね。
理論基盤となる考え方(ハイムズの社会言語学・コミュニケーション能力の4分類)や、ロールプレイ等の練習方法まで、バリエーションは様々です。
問題15
テレルによって提唱され、クラッシェンによって理論的に体系化された、成人のための外国語教授法は何か?
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ナチュラル・アプローチ
クラッシェンが提唱した第二言語習得理論全体のことを何と言うか?
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モニターモデル(インプット仮説・インプット理論)
クラッシェンが提唱したモニターモデルの中で、言語習得には、幼児が母語を習得するときに無意識に身に着ける「習得」と、学校などで意識的に身に着ける「学習」があるとした仮説を何と言うか?
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習得・学習仮説
クラッシェンが提唱したモニターモデルの中で、言語を習得するにあたり、習得する自然な順序が存在するとした仮説を何と言うか?
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自然習得順序仮説(自然順序仮説)
クラッシェンが提唱したモニターモデルの中で、「学習」は「習得」にはならないが、発話の際の修正・チェックをするモニターとして働くとした仮説を何と言うか?
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モニター仮説
クラッシェンが提唱したモニターモデルの中で、言語習得は「理解可能なインプット(i+1)」を通して進むとした仮説を何と言うか?
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インプット仮説
クラッシェンが提唱したモニターモデルの中で、学習者の不安などがフィルターを作り、そのフィルターが高くなると習得が進まないとした仮説を何と言うか?
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情意フィルター仮説
「ナチュラル・アプローチ」は、母語習得の過程を観察・実践を重ねたテレルによる教授法を、クラッシェンが第二言語習得理論仮説により裏付けを行ったものです。
自然に身に付いていく「習得」と意識的に身に着けていく「学習」を分け、実際のコミュニケーションに役立つのは「習得」であるという言語観から提唱されました。
コミュニカティブ・アプローチと同じく、「コミュニケーションにつながる教授法」として位置付けることができます。
問題16
ロングが提唱した概念で、コミュニケーション活動を重視するが、意味の理解ややり取りだけでなく、そこで用いられる音声・語彙・文法などの言語の形式にも焦点を当てることを何というか?
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フォーカス・オン・フォーム(FonF)
フォーカス・オン・フォームを理論基盤とした、オーディオ・リンガル・メソッドとコミュニカティブ・アプローチの長所を得るべく開発された教授法は何か?
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タスク中心の教授法
フォーカス・オン・フォームとは対照的に、コミュニケーションや意味理解は軽視され、特に文法を中心とした言語の形式面に注目する概念を何と言うか?
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フォーカス・オン・フォームズ(FonFs)
フォーカス・オン・フォームズの教授法の代表例は何か?
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オーディオ・リンガル・メソッド
フォーカス・オン・フォームズとは対照的に、コミュニケーションの中で意味の理解・やり取りにも注目させる概念を何と言うか?
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フォーカス・オン・ミーニング(FonM)
フォーカス・オン・ミーニングの教授法の代表例は何か?(2つ)
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ナチュラル・アプローチ
コミュニカティブ・アプローチ
● フォーカス・オン・フォーム(FonF)
● フォーカス・オン・フォームズ(FonFs)
などは「どっちがどっちだっけ…?」となりやすい分野です。
しっかりと整理しておきましょう。
「タスク中心の教授法」は、
● コミュニカティブ・アプローチ
● ナチュラル・アプローチ
等と同じく、「コミュニケーションにつながる教授法」として位置付けられています。

丸暗記よりも複数の問題に触れた方が知識が定着しやすくなります。
ぜひ、他の問題にもチャレンジしてみてください!