今回は、
✅ 「なり」の意味・使い方
✅ 「なり」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
「なり」の意味・使い方
「なり」は、そのままの状態であることを表す
弟は、帰ってくるなり、ゲームを始めた。
- 帰る
- ゲームを始める
という2つの動きが続いて起きていることがわかりますね。
これが、1つ目の動きが時間的に連続していることを表す用法です。
Aさんは、東京に行ったなり、地元に帰ってこなかった。
Aさんは、東京に行ったなり、地元に帰ってこなかった。
- 行く
- 帰ってこない
の順ではありますが、動きが連続的であるわけではないですね。
東京に行った状態がずっと続いていることを意味しています。
これが、2つ目の状態持続であることを表す用法です。
これらの例文は、いずれも述語を2つ以上もつ「複文」に属します。
弟は、帰ってくるなり、ゲームを始めた。
は、主節の動きや状態が成立する時を別の事態との関係によって限定する「時間節」、
Aさんは、東京に行ったなり、地元に帰ってこなかった。
は、主節の事態の仕方やあり方を述べて、主節の事態を修飾する「様態節」です。
「なり」の接続
【動きの連続性を表す時間節の用法】
弟は、帰ってくるなり、ゲームを始めた。
【状態持続を表す様態節の用法】
Aさんは、東京に行ったなり、地元に帰ってこなかった。
「なり」の類似表現
時間節の「なり」の類似表現は、「と同時に」「とすぐに」
弟は、帰ってくるなり、ゲームを始めた。
弟は、帰ってくると同時に、ゲームを始めた。
弟は、帰ってくるとすぐに、ゲームを始めた。
のように、「なり ⇔ と同時に ⇔ とすぐに」を置き換えても不自然ではないですね。
様態節の「なり」の類似表現は、「きり」「まま」
Aさんは、東京に行ったなり、地元に帰ってこなかった。
Aさんは、東京に行ったきり、地元に帰ってこなかった。
Aさんは、東京に行ったまま、地元に帰ってこなかった。
のように、「なり ⇔ きり ⇔ まま」を置き換えても不自然ではないですね。
これらの表現は、共通して、
× Aさんは、東京に行ったなり、地元に帰ってきた。
× Aさんは、東京に行ったきり、地元に帰ってきた。
× Aさんは、東京に行ったまま、地元に帰ってきた。
のように、期待されている事態が起こらないことを表す場合にしか用いることができないので、注意しましょう。
「きり」については、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらも、あわせてご確認ください。
参考書籍
今回は、
✅ 「なり」の意味・使い方
✅ 「なり」の類似表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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