今回は、
✅ 「には」「のには」の品詞・接続
✅ 「には」「のには」の意味・使い方
について、一緒に勉強していきましょう。
この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、以下をブックマークしてご確認ください。
例文で学ぶ 日本語文法
「には」「のには」の品詞・接続
「には」の品詞・接続
学校に行かない。
で使われている格助詞「に」は、着点の用法です。
二格名詞「学校」が述語で使われている動詞「行く」の移動の着点であることを表しています。
とりたて助詞「は」が付加して
学校には行かない。
になると、二格名詞「学校」が述語で使われている動詞「行く」の移動の着点であることを表していることは変わりませんが、「学校以外の場所に行く」という内容が読み取れますね。
これは、とりたて助詞「は」が対比を表しているからです。
ピーマンが好きです。
ピーマンは好きです。
だと、後者に「ピーマン以外は、好きではない」という内容が含まれていることがわかると思います。
「には」の「に」は、格助詞なので、名詞接続です。
○ そんなことを言う人には、何もあげません。
× そんなことを言うには、何か理由があるのだろう。
動詞述語・イ形容詞述語・ナ形容詞述語に接続するときは、
○ そんなことを言うのには、何か理由があるのだろう。
のように、「のには」が用いられます。
「のには」の品詞・接続
準体助詞は、前部の内容をひとまとめにして名詞化する働きをもっています。
私は、映画が好きです。
私は、映画を撮るのが好きです。
「には」の「に」は、格助詞なので
私には、大いなる野望がある。
13時には、会社に戻りましょう。
のように、名詞にしか接続できません。
準体助詞「の」は、前部の内容をひとまとめにして名詞化する働きをもっているので、
× 映画撮影のには、高価な機材が必要だ。
○ 映画を撮るのには、高価な機材が必要だ。
○ 彼女が美しいのには、理由がある。
○ 彼女がきれいなのには、理由がある。
のように、動詞述語・イ形容詞述語・ナ形容詞述語に接続できるようになり、名詞に接続できなくなります。
「には」「のには」の意味・使い方
地元に、たくさんの観光名所がある。
地元には、たくさんの観光名所がある。
で使われている格助詞「に」は、場所の用法です。
ニ格名詞「地元」が述語で使われている動詞「ある」の存在の場所であることを表しています。
あなたに、バレンタインデーのチョコレートをあげない。
あなたには、バレンタインデーのチョコレートをあげない。
で使われている格助詞「に」は、相手の用法です。
二格名詞「あなた」が述語で使われている動詞「あげる」の授与の相手であることを表しています。
対比の意味がある「は」によってとりたてられることで、「ほかの人にはあげるが、あなたにはあげない」という内容であることがわかりますね。
「あげる」という事態を否定しているわけではないので、部分否定の内容になっています。
今日は、買い物に行かない。
今日は、買い物には行かない。
で使われている格助詞「に」は、目的の用法です。
ニ格名詞「買い物」が述語で使われている動詞「行く」の移動の目的であることを表しています。
対比の意味がある「は」によってとりたてられることで、「外出はするが、買い物ではない」という内容であることがわかりますね。
「行く」という事態を否定しているわけではないので、部分否定の内容になっています。
これらは、「のには」でも同様です。
彼の性格は、他者と暮らすのには向いていない。
このように、格助詞「に」のどの用法が用いられるかによって、「には」「のには」は様々な解釈をすることができます。
また、否定文のときは、部分否定の内容になるので注意しましょう。
格助詞「に」の用法については、
部分否定については、
で詳しく解説しています。
これらも、あわせてご確認ください。
参考書籍
今回は、
✅ 「には」「のには」の品詞・接続
✅ 「には」「のには」の意味・使い方
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。
また、この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、ブックマークしてご確認ください。