今回は、
✅ 二重否定とは?
✅ 二重否定の例
について、一緒に勉強していきましょう。
この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、以下をブックマークしてご確認ください。
例文で学ぶ 日本語文法
前の記事はこちら
否定文の基礎
肯定・否定とは?
今から、学校に行く。
日曜なので、学校に行かない。
コインの裏表のように、「学校に行く」という事態の成立・不成立を表すのが肯定・否定文です。
否定を表す基本的な形式
【動詞文】
走る ⇔ 走らない
走ります ⇔ 走りません・走らないです
【イ形容詞文】
美しい ⇔ 美しくない
美しいです ⇔ 美しくありません・美しくないです
【ナ形容詞文】
素敵だ ⇔ 素敵で(は)ない
素敵です ⇔ 素敵で(は)ありません・素敵で(は)ないです
【名詞文】
先生だ ⇔ 先生で(は)ない
先生です ⇔ 先生で(は)ありません・先生で(は)ないです
普通体の否定の場合、述語の種類に関わらず、「ない」を含む形で表されます。
丁寧体の否定の場合、動詞述語だと「ません」「ないです」、イ形容詞・ナ形容詞・名詞述語だと「ありません」「ないです」によって表されます。
二重否定とは?
① 言いたいことはない。
② 言いたいことがないことはない。
であれば、②が「二重否定」です。
否定の否定なので意味的には肯定に近いのですが、
② 言いたいことがないことはない。
③ 言いたいことがある。
だと、②=③というわけではないですね。
「言いたいことがない」という否定を否定していますが、完全に「ある」とは言い切れないニュアンスです。
二重否定の例
なくはない・ないことはない・ないではない
なくもない・ないこともない・ないでもない
あなたの言うことは、わからなくはない。
あなたの言うことは、わからなくもない。
あなたの言うことは、わからないことはない。
あなたの言うことは、わからないこともない。
あなたの言うことは、わからないではない。
あなたの言うことは、わからないでもない。
① なくはない・なくもない
② ないことはない・ないこともない
③ ないではない・ないでもない
は、「このような場面だと、●●●は使いにくい…」といった用法の違いはありますが、表す内容は変わりません。
これらの例文は、「わからない」という否定を否定していますが、「すごくわかるよ!」という全肯定のニュアンスではないですね。
①~③に含まれている「は」「も」は、どちらも取り立て助詞ですが、「なくはない・なくもない」などに明確な使い分けルールがあるわけではなりません。
「ない」「ません」を述語に付けるだけの
何も食べない。
だと、「食べる」しか否定できませんが、「は」を用いると
すべては正しくない。
のように、否定の作用が及ぶ範囲を広げ・明確にすることができます。
ここでは、「なくはない」などの「は」も、この「どこを否定しているか?」をわかりやすくしている…くらいの捉え方で大丈夫です。
「も」は、ぼかしの取り立て助詞です。
おぬしも悪よのう。
だと、「あなただけが悪い人だ」ではなく「ほかにも悪い人はいるが、あなたも…」ということがわかりますね。
「も」には、同類のものがほかにあることを含意することで、文全体の意味を和らげる働きがあります。
「なくもない」などの「も」も、全否定ではなく、ほかの可能性をふわっと示す表現です。
「なくもない」シリーズ以外の表現も見ていきましょう。
ないわけではない
あなたの意見に、賛同しないわけではない。
「わけではない」は、推論の否定です。
「ないわけではない」だと、「私の意見に賛同ではないんだよね…?」という聞き手側の「●●ではないということだろう」という推論を否定しています。
ないわけにはいかない
そこまで言われたら、賛同しないわけにはいかない。
「わけにはいかない」は、「●●する」が常識的にNG→実行しないということを表します。
「ないわけにはいかない」だと、「●●しない」が常識的にNG→実行するという内容です。
ないわけがない
こんなに実績が出来たのだから、あなたの賛同者にならないわけがない。
「わけがない」は、その事態が成立することはありえない!という強い否定を表します。
「ないわけがない」だと、その事態が成立しないことはありえない!なので、成立に対しての強い確信を表す内容です。
こんなに実績が出来たのだから、あなたの賛同者にならないはずがない。
のような二重否定でない形でも、同じ内容を表すことができます。
参考書籍
今回は、
✅ 二重否定とは?
✅ 二重否定の例
について、解説してきました。
について解説してきました。
を主に参考にしています。
さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。
また、この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、ブックマークしてご確認ください。