令和4年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題6
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
前の問題はこちら
問1 相互理解のための日本語
解説 CEFR
1人の人がいくつもの言語を必要に応じて使用するという「複言語主義」が背景にあり、言語能力を「can-do(~ができる)」という形で示しています。
解説 JF日本語教育スタンダード
その答えになる理由
出典元はこちら
ここでいる「相互理解のための日本語」とは、「発信者と受信者がある領域や場で特定の課題を共同で遂行するための日本語」ということができる
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
JF日本語教育スタンダードの全体像 P17
3が上記の内容そのままですね。
これが正解です。
「JFスタンダード」および「CEFR」の各段階については、日本語教育能力検定試験の頻出分野です。
必ず出典元を確認するクセをつけていきましょう。
問2 異文化理解能力
その答えになる理由
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最後に、「相互理解のための日本語」を学んだり、使ったりすることで、学習者は母語とは異なる言語や文化に触れる機会を得ることになる。それによって、複合的な視野を得て、自文化を相対化して新しい視点を持つことができるようになる。その際に求められる能力を「異文化理解能力」と呼ぶ。ここでいう異文化理解能力とは、日本語による発信者と受信者が互いに柔軟に調整しあう能力のことである。その柔軟性を生み出す能力が多様性へのまなざしにつながっていく。人は異文化理解能力を通じて人間的な豊かさを獲得することができるようになる。
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
JF日本語教育スタンダードの全体像 P18
2が正解です。
問3 JFスタンダードの木
その答えになる理由
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「JFスタンダード」では、CEFRの考え方に準じて、言語によるコミュニケーション力を「JFスタンダードの木」として例示しています。
「木の根となるコミュニケーション言語能力」として
- 言語構造的能力
- 社会言語能力
- 語用能力
「木の枝として表現されるコミュニケーション言語活動」として
- 受容
- 産出
- やりとり
が挙げられています。
選択肢の中で「木の枝として表現されるコミュニケーション言語活動」に含まれないのは、「翻訳」ですね。
3が正解です。
問4 JF Can-Do
その答えになる理由
参考はこちら
CEFR Can-do は汎言語的な記述で抽象性や包括性が高いため、日本語での言語活動が想定しにくい面があります。JFスタンダードでは、日本語の使用場面を想定し、日本語での具体的な言語活動を例示したCan-doとして、JF Can-do を作りました。
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
JFスタンダード 利用者ガイドブック P19
JF Can-doでは、日本語での具体的な言語活動を例示しています。
1は間違いです。
Can-do は、あくまでも言語活動と言語能力の例示であり、すべてを網羅したものではありません。言語能力や言語活動のカテゴリーも、網羅的なものではありません。したがって、各教育現場では、言語能力や言語活動のカテゴリーや、すでにある Can-do を参考にしながら、自分の現場にあった Can-do を新たに作っていく必要があります。
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
JFスタンダード 利用者ガイドブック P18
JF Can-doは、あくまでも言語活動と言語能力の例示だとされています。
網羅的に示されたものではなく、それだけで学習成果の評価を行うことはできません。
2は間違いです。
Can-do とは、言語の熟練度を「~ができる」という形式で示した文です。どのような文型や文法を知っているか、単語や漢字をいくつ知っているかという熟練度の捉え方に対して、Can-doは、たとえば「好きか嫌いか述べることができる」のように、言語の熟練の、ある段階でできる言語活動や持っている言語能力の例を示し、目安とするものです。
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
JFスタンダード 利用者ガイドブック P14
JF Can-doでは、言語の熟練度を「~ができる」という文で捉えています。
文型や単語などをどの程度知っているかという観点ではないですね。
3は間違いです。
さらに、日本語で専門分野を学ぶ大学生に必要な日本語能力について考える場合など、ターゲットとなる学習者に必要な言語活動とそれを支える言語能力を関連付けて学習目標を設定することもできます。
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
JFスタンダード 利用者ガイドブック P9
記載がありますね!
4が正解です。
問5 いろどり 生活の日本語
その答えになる理由
出典元はこちら
日本語コースブック『いろどり 生活の日本語』は、外国の人が日本で生活や仕事をする際に必要となる、基礎的な日本語のコミュニケーションを身につけるための教材です。
独立行政法人国際交流基金 日本語国際センター
いろどり 生活の日本語
Top>いろどりとは?
4が上記内容そのままですね。
これが正解です。