令和6年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅲ 問題16
の解説です。
執筆時点では、正式解答は公表されていません。
参考の1つとして、ご確認ください。
前の問題はこちら
問1 日本語能力試験
解説 日本語能力検定試験(JLPT)
N5(初級前半レベル)からN1(上級レベル)の5段階に分かれています。
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1の参考は、こちら
日本語能力試験では、①日本語の文字や語彙、文法についてどのぐらい知っているか、ということだけでなく、②その知識を利用してコミュニケーション上の課題を遂行できるか、ということも大切だと考えています。私たちが生活の中で行っている様々な「課題」のうち、言語を必要とするものを遂行するためには、言語知識だけでなく、それを実際に利用する力も必要だからです。そこで、この試験では、①を測るための「言語知識」、②を測るための「読解」、「聴解」という3つの要素により、総合的に日本語のコミュニケーション能力を測っています。
1は、正しいです。
日本語能力件試験は、国内では
Q6 試験会場はどこですか?
全国47都道府県で実施します。試験会場は直前まで確定しないため、受験者に「受験票」でお知らせします。
日本語能力試験 HP
海外では、各国の実施期間にて受験することができます。
PCなどで受験するCBTではなく、すべて現地での受験します。
2は、間違いです。
3の参考は、こちら
各レベルの試験は、それぞれ
- 言語知識
- 読解
に分かれており、すべて同日に行われるため、一次試験・二次試験が行われるわけではありません。
3は、間違いです。
日本語能力試験は、年2回実施されており、2024年度は
- 第1回:2024年7月7日
- 第2回:2024年12月1日
となっています。
4は、間違いです。
問2 日本留学試験
その答えになる理由
参考は、こちら
日本留学試験は、
1.目 的
2025 年度(令和 7 年度)日本留学試験実施要項
外国人留学生として,我が国の大学(学部)等に入学を希望する者について,日本語力及び基礎学力の評価を行う。
を目的としており、
① 日本語の科目は,記述,読解,聴解・聴読解の 3 領域から構成される。
2025 年度(令和 7 年度)日本留学試験実施要項
とある通り、記述問題も出題されます。
4が正解です。
問3 2023年時点における留学生が専修学校・各種学校に入学する際に求められる日本語の能力の条件
その答えになる理由
出典は、こちら
2 専修学校若しくは各種学校において教育を受けるに足りる日本語能力を試験により証明された者(注)であること
(注)以下のアからウのいずれかに該当する者
ア 公益財団法人日本国際教育支援協会及び独立行政法人国際交流基金が実施する日本語能力試験(JLPT)のN1(1級)又はN2(2級)に合格した者
イ 独立行政法人日本学生支援機構が実施する日本留学試験(日本語(読解、聴解及び聴読解の合計))の200点以上を取得した者
ウ 公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施するBJTビジネス日本語能力テストの400点以上を取得した者
1は、(ア)に該当しています。
3は、(イ)に該当しています。
4は、(ウ)に該当しています。
2が正解です。
問4 主観テスト
解説 主観テスト
- スピーチ
- プレゼンテーション
- ロールプレイ
- 作文
- レポート
などが例として挙げられます。
- 問題作成が簡単
というメリットがある反面、
- 実施も採点も時間がかかる
- 採点基準を一定に維持するのが難しい
というデメリットもあります。
解説 客観テスト
- 採点が短時間でできる
- 項目分析がしやすい
- 採点基準に沿って、誰でも公正に採点できる
- 広範囲から多くの学習項目を出題できる
というメリットがある反面、
- 断片的な知識を問う問題になりがちである
- まぐれ当たりする可能性がある
というデメリットもあります。
解説 テストの妥当性
後述の「信頼性」や「客観性」が低いと、連動して「妥当性」も低くなります。
解説 テストの信頼性
「レベルが同じ2つのクラスに同じテストを行ったときに、片方の平均点は80点・もう片方の平均点は30点…」という場合は、「信頼性」が低いテストだと言えます。
解説 テストの客観性
「A先生が採点したら○だが、B先生だと×…」という場合は、「客観性」が低いテストだと言えます。
解説 テストの有用性
「内容は良いが、記述問題が多くて採点が大変…」という場合は、「有用性」が低いテストだと言えます。
その答えになる理由
主観テストは、客観テストと比べて、採点が難しくなります。
一方、作成面だと、主観テストの方が客観テストよりも簡単です。
この時点で、前半が間違っている1と2が除外できます。
「妥当性」が担保されているかは、得点から受験生の能力を適切に測ることができるかが目安となります。
客観テストだと、まぐれ当たりする可能性があるため、主観テストの方が妥当性が得やすいですね。
「信頼性」が担保されているかは、あるテストを使って同じ能力を測った場合に安定した結果が得られるかが目安となります。
採点基準を明確にしやすい分、主観テストよりも客観テストの方が信頼性を得やすいですね。
客観テストと比べたときに
- 作成が容易
- 妥当性が得やすい
- 信頼性が課題となる
となっている3が正解です。
問5 ジャーナル・アプローチ
解説 ジャーナル・アプローチ
学習者自身に気づきや意識づけを促すことができます。
その答えになる理由
3がジャーナル・アプローチの説明そのままですね。
これが正解です。