大きいひまわり
大きなひまわり
それぞれの品詞は、何でしょうか?
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例文で学ぶ 日本語文法
連体詞とは?
連体詞は、活用せずに名詞を修飾する語
連体詞の「体」とは、「体言」のことです。
品詞の中で体言にあたるのは、名詞ですね。
「体言に連なる」の通り、「●●+名詞」の形で名詞を修飾するのが連体詞の役割です。
このように体言を修飾する語のことを「連体修飾語」と言います。
日本語の品詞については、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらも、あわせてご確認ください。
連体詞の性質
自立語とは?
毎日日本語の勉強をする。
文節で区切ると、
- 毎日
- 日本語の
- 勉強を
- する
ですね。
文節とは?
文節とは、文を
- 意味がわかり
- 発音上不自然にならない程度に
- できるだけ短く
区切ったもののことです。
毎日ネ 日本語のネ 勉強をネ する。
のように「ネ」を入れて確認してみましょう。
文節の中身は、「自立語のみ」「自立語+付属語」です。
- 毎日
- 日本語の
- 勉強を
- する
「毎日」のような名詞・「する」のような動詞は、単独で文節をつくることができる自立語ですね。
「の」「を」のような助詞は、単独で文節をつくることができる「日本語」「勉強」のような自立語にくっついている付属語です。
品詞名 | 自立語or付属語 | 文における主な働き |
動詞 | 自立語 | 述語になる |
形容詞 (イ形容詞) | 自立語 | 名詞を修飾する 述語になる |
形容動詞 (ナ形容詞) | 自立語 | 名詞を修飾する 述語になる |
名詞 | 自立語 | 助詞がついて主語や補語になる 「だ」などがついて述語になる |
副詞 | 自立語 | 動詞・形容詞・形容詞・ほかの副詞を修飾する |
連体詞 | 自立語 | 名詞を修飾する |
接続詞 | 自立語 | 文と文などを接続する |
感動詞 | 自立語 | 驚きなどの感情や応答を表す |
助動詞 | 付属語 | 動詞や形容詞などについて、複雑な述語をつくる |
助詞 | 付属語 | 名詞や動詞などについて、意味関係や伝達的な態度などを表す |
連体詞を含めた日本語の品詞については、以下で詳しく解説しています。
こちらも合わせてご確認ください。
活用とは?
次の文の( )に「読む」を入れてみましょう。
図書館で本を( )ます。
この本を( )ば、概要がわかると思う。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
図書館で本を( 読み )ます。
この本を( 読め )ば、概要がわかると思う。
あとに何が続くか?などの用いられ方によって、単語の終わりの部分が変化しましたね。
これが活用です。
「読む」のような動詞には、活用があることがわかります。
それでは、次はどうでしょうか?
( )に「本」を入れてみましょう。
図書館で( )を読みます。
この( )なら、概要がわかると思う。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
図書館で( 本 )を読みます。
この( 本 )なら、概要がわかると思う。
あとに続くのは「を」「なら」と違いますが、入るのはどちらも「本」そのままですね。
「本」のような名詞には、活用がないことがわかります。
品詞名 | 活用の有無 | 文における主な働き |
動詞 | 活用する | 述語になる |
形容詞 (イ形容詞) | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる |
形容動詞 (ナ形容詞) | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる |
名詞 | 活用しない | 助詞がついて主語や補語になる 「だ」などがついて述語になる |
副詞 | 活用しない | 動詞・形容詞・形容詞・ほかの副詞を修飾する |
連体詞 | 活用しない | 名詞を修飾する |
接続詞 | 活用しない | 文と文などを接続する |
感動詞 | 活用しない | 驚きなどの感情や応答を表す |
助動詞 | 活用する ※ | 動詞や形容詞などについて、複雑な述語をつくる |
助詞 | 活用しない | 名詞や動詞などについて、意味関係や伝達的な態度などを表す |
連体詞を含めた日本語の品詞については、以下で詳しく解説しています。
こちらも合わせてご確認ください。
あの本を持ってきてください。
であれば、「あの」が連体詞であり、直後の名詞「本」を修飾しています。
いかなる悪事にも屈しない。
であれば、「いかなる」が連体詞であり、直後の名詞「悪事」を修飾しています。
このように、連体詞は直後の名詞を修飾するのが役割です。
連体詞の例
~が | わが |
~の | この その あの どの 件(くだん)の 当の ほんの |
~な | こんな そんな あんな どんな 大きな 小さな おかしな いろいろな ろくな めったな |
~た(だ) | たいした とんだ |
~る | ある さる 単なる あくる あらゆる いわゆる いかなる きたる 堂々たる |
連体詞と形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)との違い・見分け方
連体詞と形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)の性質の違い
品詞名 | 自立語or付属語 | 活用の有無 | 文における主な働き |
連体詞 | 自立語 | 活用しない | 名詞を修飾する |
(イ形容詞) | 形容詞自立語 | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる 述語を修飾する |
(ナ形容詞) | 形容動詞自立語 | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる 述語を修飾する |
【連体詞】
この景色
【形容詞(イ形容詞)】
美しい景色
【形容動詞(ナ形容詞)】
きれいな景色
のように、いずれも「●●+名詞」の形で直接名詞を修飾することができます。
ただし、連体詞は活用しないため、
【形容詞(イ形容詞)】
景色が美しい。
【形容動詞(ナ形容詞)】
景色がきれいだ。
のように、述語にすることはできません。
連体詞と形容詞(イ形容詞)の簡単な見分け方
前述のように、連体詞は活用しないため、
美しい景色
↓
景色が美しい。
のように、「述語にできるか?」で連体詞か形容詞(イ形容詞)かを見分けることが可能です。
述語にできれば形容詞(イ形容詞)・できなければ連体詞ですね。
より簡単な見分け方では、「●●+名詞」の●●の部分に注目します。
形容詞(イ形容詞)には活用があるため、後続する内容によって
- 未然形
- 連用形
- 終止形
- 連体形
- 仮定形
- 命令形
に形が変わります。
この中で名詞(体言)が続くのは、「連体形」です。
形容詞(イ形容詞)の活用形を見てみると…
基本形 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
軽い | か | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
早い | はや | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
美しい | うつくし | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
正しい | ただし | -かろう | -く | -かっ-い | -い | -けれ | ○ |
からわかる通り、連体形は「軽い・早い・美しい・正しい」のように、すべて「●●い」となります。
このことから、「●●+名詞」のときに、
- 「●●い+名詞」であれば、形容詞(イ形容詞)
- 「●●い+名詞」でなければ、連体詞
「●●い+名詞」であれば形容詞(イ形容詞)・そうでなければ連体詞だとわかりますね。
連体詞と形容詞(イ形容詞)を見分ける練習問題
下線部は、連体詞・形容詞(イ形容詞)のどちらでしょうか?
父が怖い顔をしていた。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
父が怖い顔をしていた。
修飾する名詞の直前が「い」なので、形容詞(イ形容詞)です。
もう1問やってみましょう。
下線部は、連体詞・形容詞(イ形容詞)のどちらでしょうか?
大きなひまわりが咲いている。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
大きなひまわりが咲いている。
修飾する名詞の直前が「い」ではないので、連体詞です。
【連体詞】
大きなひまわり
【形容詞(イ形容詞)】
大きいひまわり
のように、似た語であっても修飾する名詞の直前を見れば、連体詞・形容詞(イ形容詞)を見分けることができます。
これらのように、「●●+名詞」のときに、「●●い+名詞」であれば形容詞(イ形容詞)・そうでなければ連体詞だと判断するようにしましょう。
連体詞と形容動詞(ナ形容詞)の簡単な見分け方
必要な本
は、
○ 本が必要だ。
にできますね。
この「必要な」は、形容動詞(ナ形容詞)です。
また、
おかしな話
は、
× 話がおかしだ
のように、「名詞が●●だ」にできないですね。
この「おかしな」は、連体詞です。
連体詞と形容動詞(ナ形容詞)を見分ける練習問題
下線部は、連体詞・形容動詞(ナ形容詞)のどちらでしょうか?
小さな花が咲いている。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
小さな花が咲いている。
「小さな花」は、
× 花が小さだ。
のように、「名詞が●●だ」にできないですね。
この「小さな」は、連体詞です。
もう1問やってみましょう。
下線部は、連体詞・形容動詞(ナ形容詞)のどちらでしょうか?
苦手な数学を勉強した。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
苦手な数学を勉強した。
「苦手な数学」は、
○ 数学が苦手だ。
のように、「名詞が●●だ」の形にできますね。
この「苦手な」は、形容動詞(ナ形容詞)です。
連体詞と副詞の違い・見分け方
連体詞と副詞の性質の違い
品詞名 | 自立語or付属語 | 活用の有無 | 文における主な働き |
連体詞 | 自立語 | 活用しない | 名詞を修飾する |
副詞 | 自立語 | 活用しない | 動詞・形容詞・形容詞・ほかの副詞を修飾する |
【連体詞】
あの日が忘れられない。
【副詞】
ゆっくり歩く。
とても美しい。
かなり必要だ。
非常にすっきりと片付いていた。
連体詞と副詞の簡単な見分け方
- 自立語である
- 活用しない
という点は共通しているので、ポイントとなるのは「何を修飾しているか?」です。
連体詞は名詞だけを・副詞は動詞・形容詞(イ形容詞)・形容動詞(ナ形容詞)・ほかの副詞を修飾します。
そのため、多くの場合
あらゆる問題に対応する。
であれば、後続の名詞を修飾しているので「連体詞」
あまり面白くない。
であれば、後続の形容詞(イ形容詞)を修飾しているので「副詞」だと判断することができます。
ただし、この見分け方は100%ではありません。
一部の副詞は、
まさかの展開に驚いた。
ピカピカのランドセル
のように、「副詞+の」で名詞を修飾することがあるからです。
このことから、「棚が乗る(たながのる)」で終われば連体詞…という見分け方だと正しく見分けられないことがわかります。
「●●の+名詞」のときは、もう1ステップ追加して、「●●」を使って動詞などを修飾する文が作れないかを考えてみましょう。
まさか彼がミスをするなんて。
蛍がピカピカ光っている。
のように、動詞などを修飾する文を作ることができれば「副詞」だと判断できます。
間違いやすい連体詞「大きな」「小さな」「ある」
「大きな」「小さな」は、連体詞
大きな花が咲いている。
のように、「●●な+名詞」になっているので、形容動詞(ナ形容詞)のように見えるかもしれません。
しかし、これは
× 花が大きだ。
のように、「●●だ」の形で述語にできないですね。
そのため、これは「●●な」の形ではあるものの、形容動詞(ナ形容詞)ではなく、連体詞です。
また、
○ 花が大きい。
のように、「●●い」の形で述語にできるので、形容詞(イ形容詞)のように見えるかもしれません。
しかし、それであれば、名詞を修飾するときも
大きい花が咲いている。
のように、「●●い+名詞」の形であるはずです。
そのため、これは形容詞(イ形容詞)ではなく、連体詞です。
「ある」は、動詞の場合も、連体詞の場合もある
「ある」は、
机の上に本がある。
のように、存在を表す動詞のこともあれば、
むかしむかし、あるところに…
のように、名詞を修飾する連体詞のこともあります。
見分けるポイントは、述語にできるかどうかです。
教室にある辞書を持ってきてください。
は、
教室に辞書がある。
のように、「ある」を述語にすることができますね。
この場合の「ある」は、連体詞ではなく、動詞です。
参考書籍
今回は、
- 連体詞とは?
- 連体詞と形容詞(イ形容詞)の違い・見分け方
- 連体詞と形容動詞(ナ形容詞)の違い・見分け方
- 間違いやすい連体詞「大きな」「小さな」「ある」
- 連体詞と副詞の違い・見分け方
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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