今回は、
✅ 主題とは?
✅ 主題になる成分
✅ 「は」以外の主題を表す表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
主題とは?
「主題」とは、その文が何について述べるのかを示すもののことです。
文を伝達という側面から見た場合、その文が何について述べているかを示す「主題」と主題の内容について述べる「解説」に分けることができます。
Aさんは教室にいます。
であれば、主題が「Aさんは」・解説が「教室にいます」です。
また、
昨日見た映画はハリーポッターです。
であれば、「(昨日見た)映画は」が主題に・「ハリーポッターです」が解説に当たります。
主題を表す典型的な表現は、とりたて助詞の「は」ですが、
ハサミならここにあります。
のように「なら」が使われたり、
コーヒー、ここに置いておきますね。
のように助詞が使われなかったりする場合もあります。
多くは主題を持つ「有題文」ですが、
雷だ!
のような知覚した内容をそのまま述べる文や、
昨日、隣町で火事があった。
のような出来事を客観的に報告する文では、主題を持たない「無題文」になります。
主題になる成分
文を構成する成分のうち、主題になることができるのは
● 格成分
● 名詞を修飾する名詞
● 被修飾名詞
● 述語を含む節
の4つです。
1つずつ見ていきましょう。
格成分
Aさんがボールを投げた。
のガ格「Aさんが」は、「投げる」という動作の主体ですね。
この格成分である「Aさん」を主体にすると、
Aさんはボールを投げた。
となります。
また、
Bさんに、あなたから用件を伝えてください。
のニ格「Bさんに」は、「伝える」という動作の相手ですね。
この格成分である「Bさん」を主体にすると、
Bさんには、あなたから用件を伝えてください。
となります。
格助詞「が・を・に・へ・と・から・より・で・まで」の格成分を「は」を用いて主題にする場合、ガ格・ヲ各の格成分は、「が」「を」が消えて「は」だけで示されます。
私がこのプロジェクトの責任者です。
↓
○ 私はこのプロジェクトの責任者です。
× 私がはこのプロジェクトの責任者です。
ついに、プロジェクトを終了した。
↓
○ ついに、プロジェクトは終了した。
○ ついに、プロジェクトをは終了した。
ガ格・ヲ格以外は、格助詞の後ろに「は」を付加して示すことが多いです。
彼と気が合わない。
↓
○ 彼とは気が合わない。
ここまで何で来ましたか?
↓
○ ここまでは何で来ましたか?
名詞を修飾する名詞
象の鼻が長い。
名詞「象」が「象の」の形で名詞「鼻」を修飾しています。
主題を持たない無題文ですが、「象は」のように名詞を修飾する名詞を主題にすることで
象は鼻が長い。
という有題文に変えることができます。
被修飾名詞
軽いバッグが欲しい。
名詞「バッグ」が形容詞「軽い」に修飾されています。
主題を持たない無題文ですが、「バッグは」のように被修飾名詞を主題にすることで
バッグは軽いのが欲しい。
という有題文に変えることができます。
述語を含む節
Aさんが課長に昇進した。
の述語は、「昇進した」ですね。
この述語を含む節「課長に昇進した」を主題にすると、
課長に昇進したのはAさんだ。
となります。
「は」以外の主題を表す表現
主題を表す典型的な表現は、「は」です。
趣味は読書です。
話し言葉の主題:無助詞
話し言葉では、主題が無助詞で表されることがあります。
この本、よかったよ。
ことばの解説を行う文での主題:「とは」など
ことばについて解説する場合、主題を提示するのに「とは」などが用いられます。
主題とは、その文が何について述べるのかを示すもののことです。
限定された叙述を行う主題:「については」など
あるものだけに限定した叙述を行う場合、主題を提示するのに「については」などが用いられます。
今後の進め方については、●ページをご確認ください。
立場を表す主題:「としては」など
ある立場から考えや感情を表す場合、主題を提示するのに「としては」などが用いられます。
機能としては申し分ないのですが、価格が…
敬意を表す主題:「におかれては・におかれましては」など
敬意の対象となる人物を主題として提示する場合、「におかれては・におかれましては」などが用いられます。
●●様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
評価を表す主題:「なんか」「ったら」など
人物や事柄を主題として提示し、それに対する話し手の評価を述べる場合、「なんか」「ったら」などが用いられます。
あなたのことなんか、もう知らない。
彼ったら、また結婚記念日を忘れていたんだけど。
発話の受け取りを表す主題:「なら」「といえば」ばど
聞き手の発話の一部を受けて、それに対する話題を発展させる場合、「なら」「といえば」などが用いられます。
A「小銭、持っていない?」
B「10円玉ならあるよ。」
A 「明日からGWだね。」
B 「GWといえば、Aさんは昨年ハワイに行ったらしいよ。」
段階に関連する主題:「となると」など
ほかのものよりも段階的に進んでいるものを主題にする場合、「となると」などが用いられます。
ここよりも家賃が安い部屋となると、駅からの距離が遠くなりますよ。
新しく示す主題:「だが」など
それまで主題となっていなかったものを新しく主題として示す場合、「だが」などが用いられます。
明日の予定だが、何をしようか?
参考書籍
今回は、
✅ 主題とは?
✅ 主題になる成分
✅ 「は」以外の主題を表す表現
について、解説してきました。
について解説してきました。
を主に参考にしています。
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