今回は、
✅ とりたてとは?
✅ とりたて助詞
✅ とりたての副詞
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
とりたてとは?
「とりたて」とは、文中のある要素をきわだたせ、同類の要素との関係を背景にして、特別な意味を加えることです。
第1章だけ勉強した。
では、「第1章」が「だけ」によってとりたてられています。
「第2章」「第3章」のような同類のものが排除され、「第1章」が勉強した唯一のもの…という限定の意味が加えられています。
ほかの例文も見てみましょう。
果物の中では、りんごも好きです。
この例文では、「りんご」が「も」によってとりたてられています。
「いちご」「みかん」のような好きな果物と同様なものとして、「りんご」が加えられていますね。
とりたての機能をもつ主な形式は、
● は
● も
● だけ
● しか
● ばかり
● こそ
● さえ
● まで
● でも
● だって
● なんか
● なんて
● など
● くらい
などの「とりたて助詞」です。
第1章を勉強した。
↓
第1章だけ勉強した。
りんごが好きです。
↓
りんごも好きです。
のような「格成分」以外にも、
内容が難しくて、少しずつしか読み進められない。
のような「副詞的成分」や
都合のよいときだけ、連絡してくる。
のような「節」がとりたてられることもあります。
とりたて助詞
累加を表すとりたて助詞 「も」
累加のとりたてとは、文中のある要素をとりたてて、同類のほかのものにその要素を加える意味を表すことです。
この本は、学校の図書館にもあります。
この本が置いてある場所について、「学校の図書館」という情報が加えられています。
対比を表すとりたて助詞 「は」「なら」
対比のとりたてとは、文中のある要素をとりたてて、同類のほかのものとの違いを示すことです。
英語なら話せます。
「なら」で「英語」をとりたてることで、ほかの言語は話せないが…ということが暗示されていますね。
限定を表すとりたて助詞 「だけ」「しか」「ばかり」「こそ」
限定のとりたてとは、文中のある要素をとりたてて、同類のものの中でその要素が唯一であることを示すことです。
Aさんこそ、真のアイドルだ。
「こそ」で「Aさん」をとりたてることで、Bさん・Cさんといったアイドルが排除されて、Aさんに限定されていますね。
極限を表すとりたて助詞 「さえ」「まで」「も」「でも」など
極限のとりたてとは、文中のある要素をとりたてて、同類のものの中でそれが極端な例であり、ほかのものは当然そうであるのを示すことです。
この本を読めば、初心者でも難解なプログラムを理解できるはずだ。
「でも」で「初心者」をとりたてることで、通常では考えにくい「難解なプログラムを理解できる」という極端な例が示されるとともに、当然「中級者」「上級者」は理解できることが暗示されています。
評価を表すとりたて助詞 「なんか」「なんて」「など」「くらい」など
評価のとりたてとは、文中のある要素をとりたてて、それに対する話し手の何らかの評価を示すことです。
スマホなんか見ていないで、もっと本を読みなさい。
「なんか」で「スマホ」をとりたてることで、スマホの方が本よりも価値が低い…と話し手が評価していることがわかります。
ぼかしを表すとりたて助詞 「も」「でも」「なんか」「など」など
ぼかしのとりたてとは、文中のある要素をとりたて、同類のものがほかにあることを漠然と示すことにより、文全体の意味をやわらげることです。
おぬしも悪よのう。
「も」で「おぬし」をとりたてることで、ほかにも悪い人はいるが…という内容が暗示され、文の意味がやわらいでいます。
とりたての副詞
とりたて助詞以外にも、「ただ」「単に」「特に」「なかでも」「とりわけ」などの副詞も、文の一部をとりたてる機能を持っています。
とりたて助詞の場合は、
出題範囲の中では、●●●も難易度が高い。
のように、とりたてる要素の後ろに現れますが、とりたての副詞の場合は
出題範囲の中でも、とりわけ●●●の難易度が高い。
のように、とりたてる要素の前に現れていますね。
現れる位置は異なりますが、とりたてられる要素は同じです。
●●●が好きです。
↓
とりわけ●●●が好きです。
のような「格成分」以外にも、
じっくりと読み進めていこう。
↓
特にじっくりと読み進めていこう。
のような「副詞的成分」や
時間があるので、ダラダラしている。
↓
ただ時間があるので、ダラダラしている。
のような「節」をとりたてることもできます。
参考書籍
今回は、
✅ とりたてとは?
✅ とりたて助詞
✅ とりたての副詞
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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