今回は、
✅ 「として」の意味・使い方
✅ 「として」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
「として」の意味・使い方
「として」は、1つの役割に着目していることを示す表現
「として」は、格助詞「と」+動詞「する」のテ形で構成される複合格助詞です。
格助詞と同様に、名詞に接続します。
Aさんが営業所に赴任した。
に対して
Aさんが課長として営業所に赴任した。
だと、どのような役割で赴任したかがわかりやすいですよね。
上の例文のような「主体の役割」に着目した使い方以外にも、「対象の役割」「行為の役割」に着目した使い方があります。
1つずつ確認していきましょう。
主体の役割に着目した「として」
Aさんが来日しました。
この文の述語は、「来日しました」ですね。
来日した主体は、Aさんです。
主体であるAさんが「どのような役割で来日したか?」を明確にすると
Aさんが留学生として来日しました。
となります。
対象の役割に着目した「として」
Bさんを採用した。
この文の述語は、「採用した」ですね。
採用した対象は、Bさんです。
対象であるBさんを「どのような役割で採用したか?」を明確にすると
Bさんを正社員として採用した。
となります。
行為の役割に着目した「として」
母に手紙を書いた。
この文の述語は、「書いた」です。
「どのような役割(目的)で手紙を書いたか?」を明確にすると
近況報告として母に手紙を書いた。
となります。
「として」の類似表現
「として」の類似表現は、「に」
近況報告として母に手紙を書いた。
近況報告に母に手紙を書いた。
のように、「として ⇔ に」を置き換えても不自然ではないですね。
ただし、この置き換えができるのは「行為の役割(目的)」の場合のみです。
○ Aさんが留学生として来日しました。
× Aさんが留学生に来日しました。
のような「主体の役割」を明確にする使い方や
○ Bさんを正社員として採用した。
× Bさんを正社員に採用した。
のような「対象の役割」を明確にする使い方では、「として ⇔ に」を置き換えることはできません。
「として」の方が、行為の役割(目的)であることがわかりやすい
近況報告に母に手紙を書いた。
上の例文には、格助詞「に」が2つ含まれています。
「近況報告に」は行為の役割(目的)の用法で、「母に」が授与の相手の用法です。
「として」は、役割という1つの用法の中で「どの役割に着目するか?」が分かれているだけなので、格助詞「に」よりも使い方がシンプルですね。
そのため、「として」の方が格助詞「に」よりも、表す内容が第一印象でわかりやすくなります。
参考書籍
今回は、
✅ 「として」の意味・使い方
✅ 「として」の類似表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
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