今回は、
✅ 「わりに」「わりには」の意味・使い方
✅ 「わりに」「わりには」の類似表現
について、一緒に勉強していきましょう。
この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、以下をブックマークしてご確認ください。
例文で学ぶ 日本語文法
「わりに」「わりには」の意味・使い方
「わりに」「わりには」は、主節と従属節の程度の差を示す表現
値段のわりに、質素な料理だった。
値段のわりには、質素な料理だった。
この文の主節は「質素な料理だった」・従属節は「値段の割に」です。
従属節「値段のわりに(は)」からは、話し手にとってその値段が高価であったことが想像できますね。
「高い値段」を基準として、出てきた料理が「思っていた程度ではなかった」ことがわかります。
値段のわりに、豪華な食材が使われていた。
値段のわりには、豪華な食材が使われていた。
この文の主節は「豪華な食材が使われていた」・従属節は「値段のわりに」です。
従属節「値段のわりに(は)」からは、話し手にとってその値段が高価ではなかったことが想像できますね。
「高くない値段」を基準として、出てきた料理が「思っていた程度以上だった」ことがわかります。
このように、「わりに」「わりには」は、実現している従属節の事態を基準として、主節の事態がそこから予測される程度にないことを表します。
「わりに」「わりには」の接続
【動詞】
初めて作ったわりに、パンケーキがきれいに焼けた。
【イ形容詞】
忙しいわりには、ゲームばかりしているのね。
【ナ形容詞】
調理が適当だったわりに、美味しかった。
【名詞】
祖父は、年のわりには、若く見える。
「は」は、省略可能
値段のわりに、質素な料理だった。
値段のわりには、質素な料理だった。
のように、「は」を省略しても不自然ではないですね。
この「は」は、対比を表すとりたて助詞です。
付与されていた方が、「値段が高いのだから…」のような意図がわかりやすくなります。
「わりに」「わりには」の類似表現
「わりに」「わりには」と意味が近いのは、「けど」などの逆接表現
「逆接」とは、前後が社会通念で予想されるものに反する関係にあるもののことです。
(高い)値段のわりに、質素な料理だった。
(高い)値段のわりには、質素な料理だった。
では、「値段が高いのであれば→それなりの料理が出てくるだろう」という予想に反していますね。
「わりに」「わりには」は、逆接表現の1つです。
「わりに」「わりには」と近い性質を持つ表現に
- けど
- が
- ものの
- に反して
などがあります。
それぞれ、従属節の内容に制限がある
(高い)値段のわりに、質素な料理だった。
(高い)値段のわりには、質素な料理だった。
(高くない)値段のわりに、豪華な食材が使われていた。
(高くない)値段のわりには、豪華な食材が使われていた。
「わりに」「わりには」は、従属節の程度をどう捉えているか?を明文化しなくても、主節の内容から推しはかることができます。
値段が高かったけど、質素な料理だった。
値段が高かったが、質素な料理だった。
値段が高かったものの、質素な料理だった。
のように、「けど」「が」「ものの」は、従属節の程度どう捉えているか?を明文化しなければなりません。
一方、「に反して」は、その制限なく使用することができます。
値段に反して、質素な料理だった。
のように、従属節の程度をどう捉えているか?を明文化しなくても「高い値段に反して」という内容がわかりますね。
接続の違いはありますが、
値段のわりに、質素な料理だった。
値段のわりには、質素な料理だった。
値段に反して、質素な料理だった。
のように、置き換えて使用しても不自然ではありません。
参考書籍
今回は、
✅ 「わりに」「わりには」の意味・使い方
✅ 「わりに」「わりには」の類似表現
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。
また、この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。
ぜひ、ブックマークしてご確認ください。