令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題7
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
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問1 「自己研修型教師」の養成
その答えになる理由
この本が出典元です。
教師の成長を「指導者によって教授能力を獲得し、教師としての専門性の獲得・向上を担うことによって教師の専門性を自ら高めていくこと」として「自己研修型教師」という用語が提唱されました。
問2で出てくる「アクション・リサーチ」の中で「内省」を行うことが必要だとしています。
2が正解です。
問2 アクション・リサーチ
解説 アクション・リサーチ
課題解決の過程の中で、教師自身が問題点に気づき、それを解決していくことで教師として成長していくことが求められています。
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、何も問題ありません。
これが正解です。
2は、「他の教育機関の教師の参考になるように」が違います。
非常に良い内容ではあるのですが、自己成長を目的としたアクション・リサーチの内容ではありません。
3は、前半・後半ともに違います。
アクション・リサーチの対象となるのは、教師自身の現場で起きている課題です。
4は、「同僚の教師に~フィードバックしてもらい」が違います。
非常に良い内容ではあるのですが、自身で課題発見→内省→解決を行うアクション・リサーチの内容ではありません。
問3 教師自身のビリーフ
解説 ビリーフ
- 学習者側のビリーフ
- 教師側のビリーフ
があり、一致して入ればプラスな作用・異なっていればマイナスな作用が生まれます。
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
ビリーフとは、言語習得に関して、どのようにすれば言語ができるようになるかの信念・考え方のことです。
授業評価のような教育活動の記録とは、関係ありません。
1は間違いです。
ビリーフとは、言語習得に関して、どのようにすれば言語ができるようになるかの信念・考え方のことです。
あくまで経験則からくる「その時点での自身にとっての正しさ」であり、思いこみも含まれています。
2が正解です。
ビリーフとは、言語習得に関して、どのようにすれば言語ができるようになるかの信念・考え方のことです。
教師個人・学習者個人の経験則からくる「その時点での自身にとっての正しさ」であり、普遍的なイメージではありません。
3は間違いです。
ビリーフとは、言語習得に関して、どのようにすれば言語ができるようになるかの信念・考え方のことです。
教師個人・学習者個人の経験則からくる「その時点での自身にとっての正しさ」であり、「こんな良い学習方法があったのか!」という経験があれば、上書きされることもあります。
恒久的な考え方ではないので、4は間違いです。
問4 教科書分析
解説 教科書分析
- その教科書の目的
- 学習項目の量や提示の仕方
- 学習項目の配列
などを確認します。
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
教科書によって、取り扱う文型・順序・取り扱い方が異なるのは、それぞれの教科書のゴールが違うからです。
文型の積み上げを重視するのか、実際のコミュニケーションを重視するのかなど、作成者の言語学習観や言語教育観を把握することで、その教科書の趣旨から外れることが少なくなります。
1は、適当な内容です。
教科書によっては、副教材が付属されていたり、同出版社による補助教材があったりします。
上手く活用して、効率的に授業ができると良いですね。
2は、適当な内容です。
目次・巻末などの一覧表により、どの文型・文法をどの段階で教えるのかを把握することができます。
教科書の全体像を確認することによって、計画的・連続的な授業設計をすることができますね。
3は、適当な内容です。
4は、前半・後半の内容が噛み合っていません。
提出文型を確認するには、3にあるような目次・巻末などの一覧表を使います。
会話場面に出てくる登場人物の関係は、教科書分析ではなく、その課の授業をするときに確認するレベルの内容ですね。
4は、不適当な内容です。
問5 「授業や教え方の改善」のプロセス
その答えになる理由
明らかに3が間違いですね。
これが正解です。
授業の問題点に関する客観的な事実を集める必要があり、肯定証拠だけでは偏った分析になってしまいます。