令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題8
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
前の問題はこちら
問1 道具的サポート
解説 ソーシャル・サポート
- 道具的サポート
- 情緒的サポート
- 情報的サポート
- 評価的サポート
の4つに分類することができます。
解説 道具的サポート
解説 情緒的サポート
解説 情報的サポート
解説 評価的サポート
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、留学生の就職活動がうまくいないという課題に対して、感情面での解決による援助を行っています。
これは、情緒的サポートの内容です。
2は、留学生のアルバイト先が見つからないという課題に対して、情報提供による援助を行っています。
これは、情報的サポートの内容です。
3は、留学生の生活が困窮しているという課題に対して、物資の提供による援助を行っています。
これが、道具的サポートの内容です。
4は、留学生の苦手な科目があるという課題に対して、肯定的な評価による援助を行っています。
これは、評価的サポートの内容です。
問2 ストレス
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
ストレスは、
- 希望していた部署に異動できた。上手くやっていけるかなぁ…ドキドキ
- 行きたくな部署に異動になった。上手くやっていけるかなぁ…ドキドキ
のように、本人にとって好ましい変化・好ましくない変化のどちらでも引き起こされる可能性があります。
1が正解です。
1のように、ストレスは必ずしも有害ではありません。
また、好ましくないストレスの場合は、減らしていくことで生産性が上がっていきますが、全くない状態にするのは難しいですね。
2は間違いです。
ストレスの感じ方は、人それぞれです。
同じ状況・同じ出来事であっても、気になってしまう人もいれば、ほとんど気にならない人もいますね。
3は間違いです。
緊張状態を保ちつつ解決方法を考え続けるのは……なかなかしんどいですね。。
そもそも解決できない場合もありますし、考え続けること自体がストレスになりえます。
4は間違いです。
問3 ソーシャル・サポート・ネットワーキング
解説 ソーシャル・サポート・ネットワーキング
これらの人々から行われるサポートが、問2の「ソーシャル・サポート」に該当します。
その答えになる理由
3だけサポートではなく、ただの業務ですね。
これが正解です。
問4 「危機介入」の留意点
その答えになる理由
「危機介入」なので、できる限り早く、学習者を救い出すことが求められています。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「相談者を家族や友人と切り離し」が違います。
家族・友人によるDVなどが原因でないのであれば、ソーシャル・サポート・ネットワーキングにあたる頼ることができる身近な人々の存在は、非常に重要ですね。
2は、「支援者の都合のよい場所と日時を指定し」が違います。
危機介入なので、できる限り早く、学習者を救い出さなければなりません。
3は、何も問題ありません。
これが正解です。
危機介入の場合は、何よりも、学習者を救い出すまでのスピードが求められています。
4は、内容自体は間違っていないのですが、危機介入ではありません。
危機介入で求められているのは、救い出すまでのスピードです。
救い出してからは、スピードよりもが相談者に寄り添った対応をしていけると良いですね。
問5 自己開示
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、何も問題ありません。
これが正解です。
2は、「相手に与える情報を調節し」が違います。
恩恵を得ることができるようなプラス面だけでなく、マイナス面も分け隔てなく見せていくのが自己開示です。
3は、「自分の能力を高く見せることを目的に」が違います。
2と同じく、プラス面だけでなく、マイナス面も分け隔てなく見せていくのが自己開示です。
4は、「相手との親密度が上がる」が違います。
「私はこんなに自己開示しているのに、Aさんは全然話してくれない…」のように、自己開示の度合いに差があると、親密度は下がりやすくなりますね。