平成30年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅲ 問題15
の解説です。
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問1 教師数の割合
その答えになる理由
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選択肢を1つずつ見ていきましょう。
P7より、常勤講師は12.2%を占めており、全体の10%を超えています。
1は間違いです。
P6より、非常勤講師は前年度より967人増加しています。
2は間違いです。
P10より、平成22年度→23年度、平成24年度→25年度は教師の総数が減少しています。
3は間違いです。
P7より、ボランティアが全体の58.1%を占めています。
4が正解です。
問2 日本語教師の養成・研修を実施している機関・施設等
その答えになる理由
出典元はこちら P23
日本語教師の養成・研修を実施している機関施設等は、上から
大学等機関 全体の33.3%
国際交流基金 全体の29.9%
法務省等告示機関・任意団体等 全体の19.6%
地方公共団体・教育委員会 全体の17.2%
となっています。
1が正解です。
問3 日本語教育のための教員養成について
その答えになる理由
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文書が公表された時点での日本語教育における課題観として、以下の2点が挙げられています。
まず,第一点として,日本語教育の内容については,昭和60年以降の
平成12年3月30日 日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議 日本語教育のための教員養成について
社会状況の変化や日本語教育学をはじめとした関係学問の成果を踏まえ,
例えば社会言語学やコミュニケーション学,情報メディアの活用などに関
する教育内容を取り入れたり,実践的な教育能力の育成を図るなど,日本
語学習者の多様な学習需要に適切に対応した教育内容へと改善を図ってい
くことを検討する必要に迫られている。
次に,第二点として,「標準的な教育内容」により日本語教員養成課程
平成12年3月30日 日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議 日本語教育のための教員養成について
が整備されてきたことは,各日本語教員養成機関がそれぞれの持つ日本語
教員養成の理念や目的に沿った課程を整備しようとするとき,「標準的な
教育内容」が硬直的な指針として受け止められ,各養成機関の創意工夫に
よった教育課程を編成する上での制約になっている嫌いがあると指摘され
ている。
上記を踏まえて、以下の2つの方針が提示されています。
① 日本語教育における現代的な課題や日本語学習者の学習需要の多様化に対応し,今後の日本語教員養成における教育内容として,画一的な「標準的な教育内容」ではなく,「基礎から応用に至る選択可能な教育内容」を示すことを基本とする。したがって,それぞれの日本語教育機関においては,そこに示された教育内容を基に,教育目的や学習者のレベル等の属性に応じていろいろな組み合わせをし教育課程が編成できるようにするものである。
平成12年3月30日 日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議 日本語教育のための教員養成について
② 各養成機関においてどのような教育課程を編成するかは,今回新たに示す教育内容を参考としてそれぞれの日本語教員養成機関の自主的な判断に委ねようとするものである。したがって,教育課程編成に際しての枠組みとなる標準単位数や,従来設けられていた主専攻・副専攻の区分は設けず,今後は,各大学等の教育目的がより一層実現しやすいようにするものである。
平成12年3月30日 日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議 日本語教育のための教員養成について
①の内容から、3が正解です。
問4 当時の時代の変化
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1990年の「出入国管理及び難民認定法」の改正により、「定住者」の在留資格が創設されました。
これにより、一部の例外を除いて日系3世までの就労が可能になり、南米日系人の流入が増加しました。
1が正解です。
在留資格「高度専門職」が新設されたのは、2014年度の入管法改正です。
1900年から2000年の間ではないため、2は間違いです。
「留学生30万人計画」が発表されたのは、2008年です。
1900年から2000年の間ではないため、3は間違いです。
難民認定制度が整備されたのは、1982年です。
1900年から2000年の間ではないため、4は間違いです。
問5 ティーチング・ポートフォリオ
解説 ティーチング・ポートフォリオ
「ティーチング・ポートフォリオ」とは、自身の教育に対する理念や、授業内容、自らの教育的枠割などを記録したもののことです。
単なる教育業績の一覧ではなく、文書を作成して他の教師と共有することで、教育内容への内省を深めることが第一目的とされています。
その答えになる理由
「ティーチング・ポートフォリオ」は、自身の教育内容について内省を深めるために実施します。
同僚についての内容となっている3が間違いです。