【平成28年度 日本語教育能力検定試験 過去問】試験Ⅲ 問題5の解説!

過去問解説

平成28年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における

 試験Ⅲ 問題5

の解説をしていきます。

お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。

※ 過去問は、大きな書店でも置いていないことがあるので、ネットでの購入をおススメします!

平成28年度 日本語教育能力検定試験 試験問題
日本語教師としての能力を測る試験「日本語教育能力検定試験」。「平成28年度 日本語教育能力検定試験」の問題と解答を一挙掲載! 巻末には28年度試験の実施状況や平均点などをまとめたデータが収録されています。

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問1 話し合いを活性化するための方法

その答えになる理由

選択肢を1つずつ見ていきましょう。

話し合いのゴールを明確にすることで、話し合う内容がぐたいてきになり、やりとりを活発化させることができます。
1が正解です。

テーマ設定を学習者の興味関心に沿ったものにすること自体は大切なことですが、学習者のレベルに合っていないと「どのように話せばよいか?」がわからず、やりとりの活発化にはつながりません。
2は間違いです。

話し合いの活動は、クラス全体のような大きな単位よりも、グループのような小さな単位で行った方が活発化しやすくなります。
3は間違いです。

話し合いが活発化しないときは、小さくゴールを設定してステップごとに取り組んだ方が、学習者は発言しやすくなります。
4は間違いです。

問2 スキャホールディングス

「スキャホールディングス」と言えば、「最近接発達領域(ZPD)」ですね。
用語の意味を確認しておきましょう。

解説  最近接発達領域(ZPD)

「最近接発達領域(ZPD)」とは、ヴィゴツキーが提唱した、他の人からの助言などを受けて何かができるようになる段階のことです。

「できない」から「できる」には、その中間の段階があるとしており「最近接発達領域」「発達の最近接領域」と呼んでいます。

ヴィゴツキーと言えば、「最近接発達領域(ZPD)」以外にも
● 外言 … 相手に何かを伝えるコミュニケーションのための言語
● 内言 … 自分の頭の中で、思考を組み立てるための言語
● スキャホールディング …「できない」から「できる」に至る上での支援・手助け
がキーワードです。
子どもの言語発達をこれらの概念を使って分析しています。

その答えになる理由

学習者は「金持ちと貧乏な人の」まではわかっていて、それを指し示す語がわからずに言い淀んでいますね。
他の人から助言があれば説明できるようになるギリギリの段階(最近接発達領域)にいると考えられます。

4では、学習者の状態に対して、教師が「格差?」と助言を与えていますね。
これは「できない」から「できる」に至る上での支援・手助けに当たるので「スキャホールディング」の例です。
これが正解です。

問3 不安や緊張

その答えになる理由

選択肢を1つずつ見ていきましょう。

不安や緊張があるとアウトプットだけでなく、頭の中の容量を取られてしまうことでインプットにも影響が出てきます。
1は間違いです。

不安や緊張の原因が何かは、人それぞれです。
クラスメートの態度だけでなく、教師が「意味上問題ないレベルのミスでも、その場で細かく訂正をする」といった態度だと、学習者に不安や緊張を与えてしまいますね。
2は間違いです。

不安や緊張は、さまざまな場面で感じえます。
教室内では間違うことを恐れない場合でも、実際の場面では緊張してしまう…というのはよくあるケースです。
3は間違いです。

不安や緊張によるプレッシャーは、プラスにもマイナスにも働きます。
プレッシャーにより上手く話せない場合もあれば、プレッシャーがあることでモチベーション高く臨める場合もありますね。
4が正解です。

問4 ジャーナル

学習者と教師でやり取りする手法ですが、「ジャーナル・アプローチ」という用語があります。

解説 ジャーナル・アプローチ

「ジャーナル・アプローチ」とは、学習者が学習内容などについての意見や感想を自由に書き、教師などの援助者からフィードバックを受ける学習方法のことです。

学習者自身に気づきや意識づけを促すことができます。

その答えになる理由

今回は学習者⇔教師ではなく、教師側での授業に対する振り返りの内容ですね。
その授業を行った教師が、自身が行った内容について振り返りを実施し、それを援助者に見せてフィードバックをもらうことを指しています。

2が正解です。

問5 自己研修型教師に求められる姿勢

その答えになる理由

明らかに3がおかしいですね。
ベテラン教師の授業を参考にすることは大切ですが、忠実に再現するだけでは「自己研修型教師」とは言えません。
これが正解です。

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