「複文」の基礎知識② 補足節とは?【日本語教育能力検定試験 過去問を解くための準備運動】

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「日本語」を基礎から、もう1度

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本講座では、主に

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日本語文法

について取り扱っていきます。

日本語教育能力検定試験の学習のため

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現場知識だけでなく、きちんと土台も固めておきたい

という方は、ぜひご一読ください。

こんなお悩みはありませんか?

「●●節」のような文法用語に抵抗感がある…

「従属度が高い」ってどういうこと…?

モダリティ・テンスなど、ほかの文法が混ざってきて難しい…

この連載記事では…

「複文」の問題を解くために必要な知識を一通り確認すること

を目標に解説していきます。

前の記事はこちら

前回は、「そもそも、複文って何?」について解説しています。

複文の種類

複文は、

従属節が、主節に対してどのような役割になっているか?

によって、大きく4つに分類することができます。

「主節」「従属節」って…?という場合は、前の記事で詳しく解説しているので、先にそちらを参照してみてください。

4つの分類とは、

① 補足節
② 名詞修飾節
③ 副詞節
④ 等位節・並列節

のことです。

今回の記事では、「① 補足節」について解説していきます。

「補足節」とは?

私は、日本酒が好きだ。

この文の述語は、「好きだ」ですね。
それでは、この文の「補語」は何でしょうか…?

「目的語」ではないの…?
と思った方もいるかもしれません。

英語では、

I am a student.

の下線部が「補語」で

I play baseball.

の下線部を「目的語」として勉強したかと思います。

日本語では、「述語の意味を補完する語」のことを「補語」と言います。

私は、日本酒が好きだ。

何が「好き」かと言うと…日本酒ですね。
この文の「補語」は、「日本酒」です。

少し、練習してみましょう。
次の例文における「補語」は何でしょうか?

ねずみがネコにかみついた。

図書館で本を読んだ。

上の例文の述語は、「かみついた」です。
何にかみついたかと言うと…「ネコ」ですね。

上の例文の「補語」は、「ネコ」です。

また、下の例文の述語は、「読んだ」です。
何を読んだかと言うと…「本」ですね。

下の例文の「補語」は、「本」です。

「日本酒が」「ネコに」「本を」のように、格助詞の「が」「に」「を」などがついて述語の意味を補完する語を「補語」と言います。

日本語では、補語をとる動詞を「他動詞」・とらない動詞を「自動詞」と言います。
以下の記事で解説しているので、ぜひご参照ください。

ここまでの内容で、文中のどの語が補語にあたるかは大丈夫かと思います。

それでは、次の例文で「補語の役割を果たす」のはどこでしょうか?

私は、日本酒を集めることが好きだ。

この文の述語は、「好きだ」です。
何が好きかと言うと…「日本酒を集めること」ですね。

この文の「補語」は、「日本酒を集めること」です。

「日本酒を集めること」の述語は、「集める」ですね。
このような「述語を中心としたまとまり」のことを「節」と言います。

先ほどの

私は、日本酒が好きだ。

では、述語が「好きだ」・補語が「日本酒」でした。

上の例文の「日本酒を集めること」という「節」は、下の例文の「補語」にあたる「日本酒」と同じ役割をしていますね。

このように、「補語」の役割をしている「節」のことを「補足節」と言います。

少し、練習してみましょう。
次の例文における「補足節」は、どの部分でしょうか?

彼は、Aさんが犯人だと言っている。

私には、誰が犯人かわからない。

上の例文の述語は、「言っている」です。
何を言っているかと言うと…「Aさんが犯人だ」ですね。

上の例文の「補足節」は、「Aさんが犯人だ」です。

また、下の例文の述語は、「わからない」です。
何がわからないかと言うと…「誰が犯人か」ですね。

下の例文の「補足節」は、「誰が犯人か」です。

それでは、次の例文ではどうでしょうか?
どこの部分が「補足節」にあたるかを考えてみてください。

私の趣味は、日本酒を集めることだ。

日本酒を集めることが、私の趣味だ。

「???」となった方は、ここまでの内容がきちんと理解できています…!!

「補足節」とは、「補語」の役割をする「節」のこと

「補語」とは、述語の意味を補完する語のこと

として、ご案内してきました。

そのため、

私は、日本酒が好きだ。
私は、地元でつくられた日本酒が好きだ。

のように、「補語の位置にポンとあてはめられる節」が「補足節」のよくある形なのですが、別の形として

私の趣味は、日本酒を集めることだ。

のように、「だ」「である」などがついて「述語化」したり、

日本酒を集めることが、私の趣味だ。

のように、「主語化」することがあります。

少し、練習してみましょう。
次の例文における「補足節」は、どの部分でしょうか?

1番嬉しかったのは、日本語教育能力検定試験に合格できたことだ。

用語を丸暗記しないことが、大切だ。

上の例文の「補足節」は、「日本語教育能力検定試験に合格できたこと」
下の例文の「補足節」は、「用語を丸暗記しないこと」
です。

このように、「補足節」とは

1)述語の意味を補完する「補語」の役割をする「節」
2)「だ」「である」などがついて、述語化する「節」
3)述語に対する「主語」の役割をする「節」

だと整理しておきましょう。

最後に、例文で確認してみます。
次の例文における「補足節」は、どの部分でしょうか?

① 彼の使命は、世界の平和を守ることである。

② 娘は、父の正体がスパイだと知っている。

③ 寝る前に過去問を解くのが、私の習慣だ。

① 彼の使命は、世界の平和を守ることである。

② 娘は、父の正体がスパイだと知っている。

③ 寝る前に過去問を解くのが、私の習慣だ。

まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では、「補足節」とは

1)述語の意味を補完する「補語」の役割をする「節」
2)「だ」「である」などがついて、述語化する「節」
3)述語に対する「主語」の役割をする「節」

であることをご案内してきました。

次の記事では、

「補足節」の種類

について、ご案内します。

次の記事はこちら

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