令和4年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅲ 問題7
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
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問1 クローズド・クエスチョン
質問を「答え方の自由度」で分類したのが「オープン・クエスチョン」「クローズド・クエスチョン」です。
解説 オープン・クエスチョン クローズド・クエスチョン
●●について、どう思いますか?
●●を選んだのは、なぜですか?
などが該当します。
解説 クローズド・クエスチョン
赤色は、好きですか?
→ はい/いいえ
赤色と青色は、どちらが好きですか
→ 赤色が好きです。
などが該当します。
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「どのように?」なので、相手が答えられる選択肢が限定されているわけではないですね。
これは、オープン・クエスチョンの例です。
2は、「何?」なので、相手が答えられる選択肢が限定されているわけではないですね。
これは、オープン・クエスチョンの例です。
3は、「いつ?」なので、相手が答えられる選択肢が限定されているわけではないですね。
これは、オープン・クエスチョンの例です。
4は、「同じ意見?」なので、「はい/いいえ」のように相手が答えられる選択肢が限定されていますね。
これが、クローズド・クエスチョンの例です。
4が正解です。
問2 「テーマを決める」際の条件
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
ディスカッションは、全員が発言し、議論を活発化させていくことが望ましいです。
そのためには、一部の学習者にしか関係ないテーマではなく、全員が関心のある内容が良いですね。
1は、ディスカッションのテーマを決める際の条件として適当です。
ディスカッションのテーマにするのは、「地球温暖化の原因は何か?」のような社会的に合意が得られた結論が出ているものよりも、「地球温暖化を防ぐために、私たちにできることは何か?」のようなものの方が良いですね。
後者の方が様々な意見が出てくるので、議論が活発になります。
2は、ディスカッションのテーマを決める際の条件として不適当です。
「地球温暖化は防ぐべきか?」のような賛否が決まってしまうテーマだと、意見が偏ってしまい、活発な議論ができなくなってしまいます。
ある程度、参加者同士で賛否が分かれるテーマの方が良いですね。
3は、ディスカッションのテーマを決める際の条件として適当です。
3でもあるように、賛否が決まってしまうテーマだと、意見が偏ってしまい、活発な議論ができなくなってしまいます。
それを防ぐための1つの方法として、複数の立場の人が関係するテーマを選ぶのは良いことですね。
4は、ディスカッションのテーマを決める際の条件として適当です。
問3 「ディスカッションに参加する際の留意点」
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
意見を述べる際には、主張だけでなく「なぜそう思ったのか?」を提示すべきですね。
本文の「第3回」に記載されている評価は、この意見と根拠のロジックが通っているかが1つの基準になります。
1が正解です。
上級レベルの留学生が想定されていますが、専門用語を使わなくてもできるのであれば、それに越したことはないですね。
議論が複雑化していく原因になってしまうため、2は間違いです。
時間制限はありますが、あまりにも早い段階で全員の意見が一致してしまうと、そこから意見が出づらくなってしまいます。
議論の活発化を阻害する原因になってしまうため、3は間違いです。
ディスカッションの結論に正解はないので、賛成/反対のどちらが多くても構いません。
どちらかに偏ると議論しづらくなってしまうため、4は間違いです。
問4 「時間の管理」に関する記述
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
ディスカッションで時間の経過をチェックするためには、
- 学習者の中にタイムキーパーを置く
- 教師がタイムキーパーになる
のいずれかが必要ですね。
1は適当な内容です。
ディスカッションで1番重要なのは、議論の過程です。
序論→本論→結論の中で時間をかけるべきなのは、本論ですね。
2は不適当内容です。
発言する人が偏ってしまったり、各々が意見を述べただけで終わってしまったりする事態は、避けなければなりません。
1人当たりの発言時間を制限するなど、事前におおよその時間配分を決めておく必要があります。
3は適当な内容です。
3の解説の通り、1人当たりの発言時間を制限するなど、事前におおよその時間配分を決めておくことで、特定の人が話し過ぎてしまう事態を避けることができます。
4は適当な内容です。
問5 「アイスブレイク」で行うことの例
解説 アイスブレイク
その答えになる理由
1がアイスブレイクの内容そのままですね。
これが正解です。