令和6年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題2
の解説です。
執筆時点では、正式解答は公表されていません。
参考の1つとして、ご確認ください。
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(1)テ形
その答えになる理由
【】内では、「かって」とすべきところが「かて」になっています。
テ形にするときに促音便になる部分がなっていない誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「いって」とすべきところが「いて」になっています。
これは、テ形にするときに促音便になる部分がなっていない誤用です。
2は、「たって」とすべきところが「たて」になっています。
これは、テ形にするときに促音便になる部分がなっていない誤用です。
3は、「しって」とすべきところが「して」になっています。
これは、テ形にするときに促音便になる部分がなっていない誤用です。
4は、「きいて」とすべきところが「きて」になっています。
これは、テ形にするときにイ音便になる部分がなっていない誤用です。
4のみ、誤用の種類が違いますね。
これが正解です。
音便については、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてご確認ください。
(2)連体助詞「の」
その答えになる理由
【】内では、「学生のとき」とすべきところが「学生とき」になっています。
連体助詞の「の」が抜け落ちる誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「雨のせいで」とすべきところが「雨せいで」になっています。
これは、連体助詞の「の」が抜け落ちる誤用です。
2は、「授業のあとで」とすべきところが「授業あとで」になっています。
これは、連体助詞の「の」が抜け落ちる誤用です。
3は、「試験のために」とすべきところが「試験ために」になっています。
これは、連体助詞の「の」が抜け落ちる誤用です。
4は、「休みなので」とすべきところが「休みので」になっています。
ナ形容詞「休みだ」の活用語尾が抜け落ちる誤用です。
4のみ、誤用の種類が違いますね。
これが正解です。
連体助詞の「の」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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(3)複合格助詞「にとって」
その答えになる理由
【】内では、「多くの若い人は」などにすべきところが「多くの若い人にとって」になっています。
主題を述べるときに、複合格助詞「にとって」を用いる誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「代表として」とすべきところが「代表にとって」になっています。
複合格助詞「として」を用いるところに「にとって」を用いる誤用です。
2は、「私は」とすべきところが「私にとって」になっています。
これは、主題を述べるときに、複合格助詞「にとって」を用いる誤用です。
3は、「彼は」とすべきところが「彼にとって」になっています。
これは、主題を述べるときに、複合格助詞「にとって」を用いる誤用です。
4は、「普通の子どもは」とすべきところが「普通の子どもにとって」になっています。
これは、主題を述べるときに、複合格助詞「にとって」を用いる誤用です。
1のみ、誤用の種類が違いますね。
これが正解です。
複合格助詞「にとって」「として」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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(4)
その答えになる理由
【】内では、「おいしいです」とすべきところが「おいしいである」になっています。
接続できない「である」をイ形容詞に後続させている誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「読みたいです」とすべきところが「読みたいである」になっています。
「たい」は、イ形容詞型の活用をする助動詞です。
これは、【】内の誤用と同種ですね。
2は、「親切な人らしいです」とすべきところが「親切な人らしいである」になっています。
「らしい」は、イ形容詞型の活用をする助動詞です。
これは、【】内の誤用と同種ですね。
3は、「教えてくれました」とすべきところが「教えてくれたである」になっています。
これは、補助動詞「くれる」に接続できない「である」を後続させている誤用です。
4は、「簡単ではなかったです」とすべきところが「簡単ではなかったである」になっています。
これは、接続できない「である」をイ形容詞「ない」に後続させている誤用です。
【】内の誤用と同種ですね。
(5)ときどき
その答えになる理由
【】内では、「少し」などにすべきところが「ときどき」になっています。
量の少なさを表すところに「ときどき」を用いる誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「少し」などにすべきところが「ときどき」になっています。
これは、量の少なさを表すところに「ときどき」を用いる誤用です。
2は、「あまり」などにすべきところが「ときどき」になっています。
これは、量の多さを表すところに「ときどき」を用いる誤用です。
3は、「少し」などにすべきところが「ときどき」になっています。
これは、量の少なさを表すところに「ときどき」を用いる誤用です。
4は、「少し」などにすべきところが「ときどき」になっています。
これは、量の少なさを表すところに「ときどき」を用いる誤用です。