令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅱ 問題4
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
前の問題はこちら
1番 問1
解説 フィラー
解説 独話
その答えになる理由
留学生の発話には、
大きいものがいいですよ
大きい、かわいい人形いいですよ
困らないですよ
といった断定的な表現が多いですね。
dが正解です。
1番 問2
その答えになる理由
日本人の大学生による
デジタルフォトフレーム、それでいいんじゃない⤴
について、留学生は否定として捉えていました。
日本人の大学生はイントネーションによって肯定を表していたのですが、留学生は「じゃない」という表現で意見を否定されたと感じていますね。
a が正解です。
2番 問1
その答えになる理由
「当てはまらないものは…」となるだけで、小難しく見えますね。。
まずは、選択肢の内容を確認しておきましょう。
前舌母音の後舌母音化とは、前舌母音の[i][e]などが、後舌母音の[ɯ][o]などになること
短音の長音化とは、
のと
のーと
のように、単音で1拍で発音すべきところが、長音の2拍になること
撥音の脱落とは、
フォント
フォト
のように、撥音「ン」が抜け落ちること
句末の強調とは、
図書館に行って、本を読みました。
のように、語句の切れ目を目立たせるように発音することを表しています。
留学生の発話の中で、
× メッスージ
○ メッセージ
× パースント
○ パーセント
のように、母音が[e]で発音すべきところが[ɯ]に置き換わっていました。
- [e] 非円唇前舌中母音
- [ɯ] 非円唇後舌高母音
なので、前舌母音の後舌母音化が起きていますね。
aは、留学生の発話に見られる音声的な特徴に当てはまります。
また、
× スマホー
○ スマホ
× でんしゃー
○ でんしゃ
× ちーず
○ ちず
のように、単音で発音すべきところが長音になっていました。
bは、留学生の発話に見られる音声的な特徴に当てはまります。
また、
× グループはー!
○ グループは
× 答えた人はー!
○ 答えた人は
× アプリはー!
○ アプリは
× インタビューでー!
○ インタビューで
× 多かったのはー!
○ 多かったのは
のように、句末を伸ばして強調していました。
dは、留学生の発話に見られる音声的な特徴に当てはまります。
残ったcが正解です。
2番 問2
その答えになる理由
学習者の発話において、
× どのようなアプリを使っていますか知りたいと思いました
○ どのようなアプリを使っているか知りたいと思いました
× アプリで誰と話しますかを調べました
○ アプリで誰と話すかを調べました。
という文法的な問題点が見られました。
疑問節の作り方に誤りがありますね。
bが正解です。
3番 問1
解説 明示的訂正
「美しいじゃないです」は、違いますね。
正しくは、「美しくないです」です。
解説 リキャスト
「美しいじゃないです」ではないですね。
解説 明確化要求
もう1度、言ってみてください。
解説 誘導
この絵は、うつく…?
その答えになる理由
学習者の
こえん
そじ
どぐ
ゆがた
という発音の誤りに対して、教師が都度
こうえんに行きました
こうえんでそうじしました
どうぐを借りて、ゆうがたまで
のように、間違った部分の正しい表現を提示していました。
- 間違えであることを直接指摘しているわけではない
- 正しい表現をマルっと伝えている
ので、リキャストの内容ですね。
bが正解です。
3番 問2
その答えになる理由
学習者の発音では、
× こえん
○ こうえん
× そじ
○ そうじ
× どぐ
○ どうぐ
× ゆがた
○ ゆうがた
のように、長音とすべきところが単音になっていますね。
選択肢の中では、
× きょしつ
○ きょうしつ
× しゅじ
○ しゅうじ
× すがく
○ すうがく
が同様の誤用が起きうるパターンだと言えます。
cが正解です。