
令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅱ 問題5
の解説をしていきます。
お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。
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前の問題はこちら
1番 問1
この聴解教材は「男性が女性をどんな性格だと思っているか?」を問われています。
「赤が好きな人は積極的で競争心が強い」「青が好きな人は社交的で周りの人を明るくする」と男の人が順に例を挙げていましたが、聴解問題の選択肢は「負けず嫌いな性格」のように、それらを言い換えたものが出てきていますね。
b が正解です。
1番 問2
この聴解教材は「〇色が好きな人は□□という性格」の情報をそれぞれメモした上で、それを言い換えた表現の選択肢を探す必要があります。
ポイントだけ聞き取れば良いのではなく、例示されたものを全て聞き取る必要があるのが特徴ですね。
d が正解です。
2番 問1
この聴解教材は「部下の男性がいつ資料を作るか?」を問われています。
部下の男性に感情移入してしまったのは私だけでしょうか。。
追い打ちがすごかったですね。。
上司の女性・部下の男性ともに「えっと…」「そっかぁ…」「ううん…」のような感動詞をよく使っていますね。
b が正解です。
他の選択肢も見ておくと…
a の「短縮語」とは「パーソナルコンピュータ」→「パソコン」のような語のことです。
今回は出てきませんでした。
c の「役割語」とは、ある言語表現が特定の人物を思い起こさせるような表現のことです。
「わし」「~じゃ」であれば老人を想起する…などが例として挙げられます。
今回は出てきていないですね。
d の「二重敬語」とは、「ご覧になる」で尊敬語として成立しているのに、さらに「られる」をつけて「ご覧になられる」とするような表現全般のことです。
今回は上司と部下ではあるものの、ラフな会話で敬語はあまり出てきていませんでした。
2番 問2
上司の女性からが「なんとか今日中に資料ができないか?」と要望したのに対して、部下の男性がどのように対応したのかを見ていきましょう。
「申し訳ないのですが、明日の朝イチではどうでしょうか?」という謝罪&代案や、「えっと…」のような言いよどみはありましたね。
一方で断りたい空気は出していたものの、断る理由については最後まで述べませんでした。
aが正解です。
3番 問1
この聴解教材は「女の人の希望に1番近いものはどれか?」を問われています。
問1は「聴解教材を解くのに必要だが、配慮されていない点」を聞かれているので注意しましょう。
会話の中では「ベランダが欲しい」「収納が多くて…」とありましたが、選択肢の図では「バルコニー」「収納・CL・クローゼット・押入」と用語が統一されていませんでした。
d が正解です。
3番 問2
「聴解教材を解くために必要とされない能力」を聞かれているので注意しましょう。
問1はいきなり a~d の選択肢から答えを探すことができましたが、問2は1つずつ削っていった方が安全そうですね。
この聴解教材は「女の人の希望に1番近いものはどれか?」を問われており、最終的に女の人の希望が叶えられた点・叶えられなかった点を把握する必要があります。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
最終的に「女の人がどの物件を選んだのか?」に着地するので、結論を予測しながら聞く力がいりますね。
a は今回の聴解教材を解く上で必要な能力です。
お客の女の人の希望に対して、営業の男性が「要件には全て合致しないが…」と物件を提示しています。
話し手それぞれの意図を推測しながら聞く力がいりますね。
b は今回の聴解教材を解く上で必要な能力です。
女の人はいくつか希望の条件を提示しましたが、完全に合致する物件はなく、希望を叶えられる部分・叶えられない部分が出てきています。
どの条件がOKで、どの条件がNGなのかの情報を統合し、最終的にどうなったかを判断する力がいりますね。
d は今回の聴解教材を解く上で必要な能力です。
残った c が正解です。