令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅲ 問題7
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
前の問題はこちら
問1 JSP Japanese for Specific Purposes
その答えになる理由
「JSP」の内容については、本文中に記載がありますね。
- 業務で日本語を必要とするビジネスパーソン … シミュレーションなどの活動
- 地域社会に定住する生活者 … 生活場面に即した活動
挙げられるような特定の学習目的に合わせた日本語教育のことです。
各選択肢の前半がポイントで
1 自己評価能力を育成する必要があるため
2 学習者の日本語での活動範囲を広げるため
3 学習者のニーズに合った教育を行うため
4 現場で役立つ表現を身につけさせるため
のように、3の内容が「特定の学習目的に合わせた」に合致しますね。
これが正解です。
3がそのままですね。
これが正解です。
問2 目標言語調査
解説 目標言語調査
実際に母語話者がどのような語彙・文型・待遇表現などを使用しているのかを調査し、それによってシラバスが決定されます。
解説 レディネス調査・分析
外的条件 | 学習者の国籍や母語 学習者の時間的・経済的制約 など |
内的条件 | 外国語学習の経験有無 既習者に対しての学習総時間数 など |
を把握することを目的としています。
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
在籍学校の担任に聞き取り調査を行うことで、教室内で使用される日本語を把握することができます。
1は間違っていません。
勤務先の同僚との会話を調査することで、業務上必要な日本語を把握することができます。
2は間違っていません。
専門用語のリストを確認することで、研究上必要な日本語を把握することができます。
3は間違っていません。
母語や外国語の学習履歴を確認するのは、「目標言語調査」ではなく、「レディネス調査」です。
4が間違いです。
問3 シミュレーション
解説 シミュレーション
「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能すべてを使うため、基本的には中級レベル以上で実施します。
その答えになる理由
これは解説不要ですね。
4が正解です。
問4 生活者への日本語支援
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
「少ない」「若い」のような事物の性質・状態を表す形容詞を属性形容詞、「嬉しい」「欲しい」のような人の感情・感覚を表す形容詞を感情・感覚形容詞と言います。
人間関係の構築に必要なのは、感情・感覚形容詞ですね。
1は、正しいです。
生命に関わる語は、読んで意味がわからなければいけませんが、書ける必要まではありません。
2は、間違いです。
学習者にとって、地域で生活を共にする日本人が教授者であることにメリットはありますが、それが必ずしも適切とは限りません。
教える項目が明確になっていたり、教え方の専門知識があったりする日本語学校の方が適切な場合もあります。
3は、間違いです。
日常生活で行う口頭コミュニケーションの成否は、文型の正しさよりも文脈に依存します。
4は、間違いです。
問5 児童生徒に対する日本語指導
解説 入り込み指導
解説 取り出し指導
その答えになる理由
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
参考はこちら
P11より、個々の児童生徒の日本語能力等に応じた具体的な目標や内容等を含む指導計画を作成するのは「入り込み指導」ではなく、「取り出し指導」ですね。
1は、間違いです。
2は、何も問題ありません。
これが正解です。
読解の指導において、細部まで読み取る精読ができるのであれば、そもそも特別な指導がなくても授業についていけるはず…!!
3は、間違いです。
作文の指導において、書字力の向上は必要なのですが、内容に関する指導・文字を書く指導を同時期に行うのは、ハードルが高いですね…!!
4は、間違いです。