
令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅲ 問題6
の解説をしていきます。
お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。
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前の問題はこちら
問1 CEFR B1レベル
「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠組み)」とは、どの言語にも当てはまる言語能力の測定基準を設定したものです。
1人の人がいくつかの言語を必要に応じて使用するという「複言語主義」が背景にあります。
低い順から
① A1
② A2
③ B1
④ B2
⑤ C1
⑥ C2
の6段階に分けられています。
その答えになる理由
参考はこちら P68
令和2年度試験では、A2レベルが問われました。
今回は、下から3番目のB1レベルです。
選択肢と参考資料を照らし合わせると…
1 A2レベル
2 A1レベル
3 B2レベル
4 B1レベル
となります。
4が正解です。
問2 社会言語能力
解説 社会言語的能力
「社会言語能力」とは、カナルが唱えた伝達能力を構成する能力の1つで、場面に応じて適切な表現を使用できる力のことです。
解説 文法能力
「文法能力」とは、カナルが唱えた伝達能力を構成する能力の1つで、語彙や文法を正確に使用できる力のことです。
解説 ストラテジー能力
「ストラテジー能力」とは、カナルが唱えた伝達能力を構成する能力の1つで、コミュニケーションを円滑に行うための力のことです。
伝達が上手くいかなった際の対応の仕方などが含まれます。
解説 談話能力
「談話能力」とは、カナルが提唱した伝達能力を構成する能力の1つで、発話を理解し構成する力のことです。
会話の切り出し方や、発話の順番の取り方などが含まれます。
その答えになる理由
「社会言語能力」と言えば、カナルが提唱したコミュニケーション能力の分類ですね。
1 社会言語能力
2 ストラテジー能力
3 談話能力
4 文法能力
1が正解です。
問3 ウォーミングアップ
その答えになる理由
2は、①のウォーミングアップではなく、②のモデル会話で行った方が良いですね。
これが正解です。
問4 モデル会話のシャドーイング
解説 シャドーイング
解説 シャドーイング
「シャドーイング」とは、学習者が音声を聞きながら、わずかに遅れてすべての言葉を繰り返していく音声反復練習法のことです。
イントネーションやアクセントなどの「プロソディ」の習得に有効だとされています。
その答えになる理由
「正確に理解させるため」が違いますね。
1が正解です。
問5 ロールカード
その答えになる理由
① XとYのロールカードに情報差があるのか?
② 表現の選択権が制限されているのか?
を見ていきましょう。
②は簡単ですね。
使用する語彙・文型が指定されているため、表現の選択権は制限されています。
この時点で、2か4が正解です。
①も難しく考える必要はありません。
ロールカードXを見ると
・ 自分の住んでいる町は旅行先で有名
・ 知らない人からの質問に対して「有名な」「人気のある」などの語で答える
ということがわかります。
また、ロールカードYを見ると
・ 旅行先の住人へ、おすすめの場所などを聞く
ということがわかります。
Xを担当する学習者からすれば「おすすめの場所」を聞かれることがわかっており、Yを担当する学習者からすれば「おすすめの場所」を教えてもらうということがわかっています。
情報差はないと考えられるので、4が正解です。
2021.12.24修正
正解は2でした。。
「ロールカードに情報差がある」が正しいそうです。