令和5年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題14
の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
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問1 国際交流基金の活動目的
その答えになる理由
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独立行政法人国際交流基金(JF)は、世界の全地域で総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関です。「文化」と「言語」と「対話」を通じて日本と世界をつなぐ場を作り、人々の間に共感や信頼、好意をはぐくんでいきます。
国際交流基金 HP
2がそのままですね。
これが正解です。
この問題は…うん、まぁ自信をもって解けなくても大丈夫ですよ。
問2 海外の日本語学習者数
その答えになる理由
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P10にある「グラフ 1-2-3 地域別学習者数の割合」を見てみましょう。
母数は、3,794,714人≒約380万人ですね。
割合は、東アジアが45.2%・東南アジアが31.2%なので、合わせて76.4%≒約8割です。
(ア)380万人
(イ)8割
なので、4が正解です。
問3 国ごとの教育段階別の学習者数比
その答えになる理由
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インドネシアの教育段階別の学習者数は、P29にある「表2-2-1 東南アジアにおける機関数・教師数・学習者数」を見てみましょう。
中等教育 642,605人
学校教育以外 34,887人
高等教育 27,454人
初等教育 6,786人
の順で、「中等教育機関」が断トツで多いですね。
1は間違いです。
オーストラリアの教育段階別の学習者数は、P39にある「表2-4-1 大洋州における機関数・教師数・学習者数」を見てみましょう。
初等教育 258,811人
中等教育 140,323人
高等教育 11,301人
学校教育以外 4,913人
の順で、「初等教育機関」が断トツで多いですね。
2は間違いです。
中国の教育段階別の学習者数は、P24にある「表2-1-1 東アジアにおける機関数・教師数・学習者数」を見てみましょう。
高等教育 557,153人
中等教育 335,876人
学校教育以外 160,847人
初等教育 3,442人
の順で、「高等教育機関」が断トツで多いですね。
3が正解です。
韓国の教育段階別の学習者数も、P24にある「表2-1-1 東アジアにおける機関数・教師数・学習者数」を見てみましょう。
中等教育 335,876人
学校教育以外 67,332人
高等教育 55,708人
初等教育 156人
の順で、「中等教育機関」が断トツで多いですね。
4は間違いです。
問4 日本語学習の目的・理由
その答えになる理由
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P22にある「グラフ1-5-1 日本語学習の目的(全教育段階)」を見てみましょう。
2018年度の上位5位は
① アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味
② 日本語そのものへの興味
③ 歴史・文学・芸術等への関心
④ 日本への留学
⑤ 将来の仕事・就職
2021年度の上位5位は
① 日本語そのものへの興味
② アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味
③ 歴史・文学・芸術等への関心
④ 自国内での現在の仕事・将来の就職
⑤ 自国内での進級・受験・進学
という結果でした。
2018年度の結果にあって2021年度の結果から外れたものは、「日本への留学」ですね。
1が正解です。
2021年度の結果では、新しく「自国内での現在の仕事・将来の就職」「自国内での進級・受験・進学」がランクインしました。
文化的な側面も大事ですが、こういった需要が増えているのは日本語教育業界にとって良いことですね。
問5 米国若手日本語教員(J-LEAP)派遣事業
その答えになる理由
各選択肢の前半を見てみると、
1・2 日本語の教授経験がなくてもOK
3 日本語教育の知識・経験が必要
4 日本語教育の知識が必要
ですね。
参考はこちら
求める人物像
国際交流基金 HP
J-LEAPでは、現地活動を通じての若手日本語教員の成長に期待していることから、日本語教師としてのポテンシャルや成長意欲を重視しており、派遣時点での日本語教授経験は問いません。
ただし、約2年間、毎日一緒に働くLTとの関係構築が活動を充実させるうえで最も重要なポイントになることから、LTの指示に合わせて臨機応変に対応しながら1つ1つの課題を乗り越えるための柔軟性や協調性、コミュニケーション力が強く求められます。また、日本とは業務上や生活上の習慣が大きく異なる現地環境のなか、自立した生活を送るための適応力も求められます。
ホーム
事業内容を知る
日本語教育[言語]
日本語を教える
日本語専門家の海外派遣
米国若手日本語教員(J-LEAP)派遣事業
J-LEAPとは?
「派遣時点での日本語教授経験は問いません」とあるので、1・2の内容と合致します。
この時点で、3は間違い・4は知識の要否がわからないので保留です。
事業概要
国際交流基金 HP
本プログラムは、2010年11月に行われた日米首脳会談で合意された日米同盟深化の柱の1つである日米間の文化・人材交流と、金融危機以来予算削減の危機に面している米国日本語教育への支援を強化するため、海外の教育現場で研鑽を積む意欲のある若手日本語教員を米国の日本語クラスを有する初中等教育機関に派遣する事業として、2011年より米国非営利団体ローラシアン協会と共同で実施しています。
若手日本語教員はアシスタントティーチャー(AT)として、派遣先機関の日本語教師であるリードティーチャー(LT)の指示のもと、日本語クラスでのチームティーチング、教材やカリキュラムの作成、テストや宿題の採点などの補助業務を行うほか、派遣先機関や周辺地域でより多くの人々に日本語や日本文化に触れて関心を持ってもらうための日本語や日本文化に関連したイベントの企画、運営に協力していきます。
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日本語教育[言語]
日本語を教える
日本語専門家の海外派遣
米国若手日本語教員(J-LEAP)派遣事業
J-LEAPとは?
- 派遣先機関の日本語教師であるリーディングティーチャー(LT)の指示のもとで、アシスタントティーチャー(AT)として補助業務を行うこと
- 派遣先機関や周辺地域で、日本語や日本文化に関連するイベントに関わること
の記載がありますね。
これは、1の後半部分と合致します。
前半・後半ともに記載のある1が正解です。