
令和2年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における
試験Ⅰ 問題2
の解説をしていきます。
お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。
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前の問題はこちら
(1)子音の挿入・欠落
試験Ⅰ 問題2は、「○ 学習者の誤用と異なる種類のもの」を選ぶ問題です。
「× 学習者の誤用と同じ種類のもの」ではないので、注意しましょう。
その答えになる理由
「そのへん」とすべきところが「そのえん」になっています。
問題文は、子音 [h] が欠落してしまっている誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1 子音 [h] が欠落してしまっている誤用です。
2 子音 [h] が欠落してしまっている誤用です。
3 子音 [h] が欠落してしまっている誤用です。
4 子音 [n] を挿入してしまっている誤用です。
4が正解です。
(2)ヲ格→ニ格
その答えになる理由
「~に参加したいです」とすべきところが「~を参加したいです」になっています。
「ニ格」にすべきところを「ヲ格」にしてしまっている誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1 「ニ格」にすべきところを「ヲ格」にしてしまっています。
2 「~を参考にする」とすべきところを「~を参考する」と「に」が抜けてしまっています。
3 「ニ格」にすべきところを「ヲ格」にしてしまっています。
4 「ニ格」にすべきところを「ヲ格」にしてしまっています。
2が正解です。
(3)
その答えになる理由
問題2の中では、この問題が1番難しいですね。
問題文は、「一番」を「とても」「すごく」「非常に」などに変えると自然な文章になります。
選択肢の下線部を同じように変更できるか見ていきましょう。
1 下線部を「とても」などに変えると不自然な文章になります。
2 下線部を「とても」などに変えると自然な文章になります。
3 下線部を「とても」などに変えると自然な文章になります。
4 下線部を「とても」などに変えると自然な文章になります。
1は「より早いです」「もっと早いです」でないと自然な文章になりません。
これが正解です。
(4)「~くの+名詞」
その答えになる理由
問題文は、イ形容詞「面白い」をナ形容詞または名詞と取り違えている誤用です。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1 ナ形容詞「豊かだ」を名詞と取り違えている誤用です。
2 ナ形容詞「丈夫だ」をイ形容詞と取り違えている誤用です。
3 「近くの」とすべきところを「近い」としてしまっている誤用です。
4 名詞「違い」をイ形容詞と取り違えている誤用です。
1・2・4は、問題文と同じく品詞を取り違えていることによる誤用です。
3のみ、間違え方が違います。
「近い」「遠い」「多い」が代表的ですが、これらは
「近くのスーパー」
「遠くのコンビニエンスストア」
「多くの民衆」
のように、「~くの+名詞」の方が自然な文章の場合が多いです。
「どこのスーパーに行く?」「近いスーパーでいいよ」
のように「~い+名詞」ができないわけではないのですが、今回の選択肢では「~くの+名詞」の方が自然な表現だと言えます。
(5)アスペクト
その回答になる理由
問題文は、「着いたら」とすべきところを「着けば」としてしまっている誤用です。
「たら」と「ば」を混同しています。
1 「帰ったら」とすべきところを「帰れば」としてしまっている誤用です。
2 「お会いしたら」とすべきところを「お会いすれば」としてしまっている誤用です。
3 「届いたら」とすべきところを「届けば」としてしまっている誤用です。
4 「持っていれば」「持っていたら」とすべきところを「持てれば」としてしまっている誤用です。
4だけ、「たら」「ば」の混同でなくアスペクトの誤用です。