【令和3年度 日本語教育能力検定試験 過去問】試験Ⅲ 問題1の解説!

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過去問解説

令和3年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における

 試験Ⅲ 問題1

の解説をしていきます。

お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。

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前の問題はこちら

問1 アメリカ構造主義言語学

「アメリカ構造主義言語学」は、外国語教授法の分野を勉強する中で用語だけ見たかも…という方が多いのではないかと思います。

今回は、成り立ちまで知らないと解けないですね。

解説 アメリカ構造主義言語学

「アメリカ構造主義言語学」とは、1920年代後半ごろのアメリカで発展した言語学のことです。
ブルームフィールドを祖とし、言語の実態を客観的に記述することを目的にしています。

文字を持たないアメリカ原住民が話すのを聞き取り、それを音声文字に書き表して分析をしたのが始まりのため、言語は音声が基本であるという考え方がベースです。
採集された客観的な言語データを基に、帰納的(個々の具体的事実から、一般的な法則を導き出す)方法による言語の記述・分析を目指していました。

代表的な教授法は「オーディオリンガル・メソッド」などがあります。

その答えになる理由

「アメリカ構造主義言語学」の成り立ちを知っていれば、簡単ですね。
「当該言語の音声を…」と「分析→体系化(帰納的方法)」がポイントです。

3が正解です。

問2 ミニマルペア

ミニマルペアは、用語の意味ではなく、今回のように「ミニマルペアになるもの」という形で出題されます。

解説 ミニマルペア

「ミニマルペア」とは、形は似ているが意味の異なる構造を比較するために、1か所だけ異なるようにした一対の語や文のことです。

その答えになる理由

「知らない」 /siranai/
「死なない」 /sinanai/
音素が対立しています。
4が正解です。

問3 VT法(ベルボ・トナル法)

VT法(ベルボ・トナル法)は、赤本(第5版)には載っていない用語です。
(同ヒューマンアカデミー著の「分野別用語集」には載っています。)

解説 VT法(ベルボ・トナル法)

「VT法(ベルボ・トナル法)」とは、「言語をどのように聞き取って再生するか」という人間の聴覚の機能についての理論に基づく教授法のことです。
もともとは言語全体に関わる理論だったのが、最近では音声指導法として広く認知されています。

リズムやイントネーションを重視し、「身体リズム活動」を用いて正しい発音に導きます。
「手を叩きながら発音して『拍』を確認する」「手を上げ下げしながら発音して『アクセント』を確認する」という活動が該当します。
平井堅の歌い方のイメージです。

その答えになる理由

「VT法(ベルボ・トナル法)」は、「身体リズム活動」がキーワードです。
1の内容が該当しますね。

これが正解です。

問4 日本語の音韻の特徴

選択肢は小難しく書いてありますが、内容的には難しくありません。

解説 閉音節

「閉音節」とは子音で終わる音節のことです。
母音で終わる音節「開音節」と言います。

その答えになる理由

選択肢を1つずつ見ていきましょう。

「先生 /sennsei/」が「せんせー」となるような現象を「長音化」と言います。
1が正解です。

「先生 /sensei/」のように、日本語のかなは「子音+母音」の組み合わせのため、母音で終わる「開音節」が中心ですね。
2は間違いです。

「貯金(ちょ・き・ん)」の場合、「ちょ」の部分は2文字ですが、1拍でカウントします。
3は間違いです。

日本語の拍の問題で気をつけなければならないのは、「特殊拍は1拍カウント」のルールですね。
(「特殊拍」とは「促音(っ)」「撥音(ん)」「長音(ー)」のことです。)
「日本語教育」であれば「に・ほ・ん・ご・きょ・う・い・く」で8拍カウントです。

母音の「舌の前後位置」「舌の高さ」は、以下の三角形で覚えておきましょう。

「広母音」とは、日本語のかなでは「ア」のことです。
舌の位置が低くなって、口腔(口の中)が広くなるので「広母音」と呼ばれます。
※ 舌の高さから「低母音」とも呼ばれます。

「広母音」の反対は「狭母音」で、日本語のかなでは「イ」と「ウ」のことです。
舌の位置が高くなって、口腔(口の中)が狭くなるので「狭母音」と呼ばれます。
※ 舌の高さから「高母音」とも呼ばれます。

日本語の中で「広母音」に分類されるのは「ア」だけなので、多いとは言えませんね。
4は間違いです。

問5 「自己モニター」を利用した音声教育

その答えになる理由

2だけ「自己モニター」ではなく、教師の者をま真似させていますね。
これが正解です。

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