今回は、
✅ 日本語の品詞の種類
✅ 各品詞の見分け方
について、一緒に勉強していきましょう。
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例文で学ぶ 日本語文法
品詞とは?
品詞は、単語分類の1つ
「文法的な性質」が少しわかりにくいですね。
「文法的な性質」とは、
- 文中でどのような働きをしているか?
- 活用するかしないか?
などの内容のことです。
日本語の品詞は、文法的性質により、次のように分解していくことができます。
これが「品詞分類表」です。
この中で出てくる用語について、確認していきましょう。
自立語・付属語
毎日日本語の勉強をする。
文節で区切ると、
- 毎日
- 日本語の
- 勉強を
- する
ですね。
文節とは?
文節とは、文を
- 意味がわかり
- 発音上不自然にならない程度に
- できるだけ短く
区切ったもののことです。
毎日ネ 日本語のネ 勉強をネ する。
のように「ネ」を入れて確認してみましょう。
文節の中身は、「自立語のみ」または「自立語+付属語」です。
- 毎日
- 日本語の
- 勉強を
- する
「毎日」のような名詞・「する」のような動詞は、単独で文節をつくることができる自立語ですね。
「の」「を」のような助詞は、単独で文節をつくることができる「日本語」「勉強」のような自立語にくっついている付属語です。
活用の有無
次の文の( )に「読む」を入れてみましょう。
図書館で本を( )ます。
この本を( )ば、概要がわかると思う。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
図書館で本を( 読み )ます。
この本を( 読め )ば、概要がわかると思う。
あとに何が続くか?などの用いられ方によって、単語の終わりの部分が変化しましたね。
これが活用です。
「読む」のような動詞には、活用があることがわかります。
それでは、次はどうでしょうか?
( )に「本」を入れてみましょう。
図書館で( )を読みます。
この( )なら、概要がわかると思う。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
図書館で( 本 )を読みます。
この( 本 )なら、概要がわかると思う。
あとに続くのは「を」「なら」と違いますが、入るのはどちらも「本」そのままですね。
「本」のような名詞には、活用がないことがわかります。
品詞の見分け方
本を借りるために、図書館に行きます。
文節で区切るときは、「ネ」を入れて確認してみましょう。
上の例文は、
本をネ 借りるネ ためにネ 図書館にネ 行きます。
のように、5つの文節に分けることができます。
文節は、「自立語のみ」または「自立語+付属語」で成り立っており、それぞれを分解していくと
自立語 | 付属語 | |
本を | 本 | を |
借りる | 借りる | – |
ために | ために | – |
図書館に | 図書館 | に |
行きます | 行き | ます |
ですね。
この「本」「を」が単語です。
各単語の品詞は
自立語 | 付属語 | |
本を | 名詞 | 本助詞 | を
借りる | 動詞 | 借りる– |
ために | 接続詞 | ために– |
図書館に | 名詞 | 図書館助詞 | に
行きます | 動詞 | 行き助動詞 | ます
なのですが、なぜその品詞になるかについては、1つ1つ定義を覚えていかなければなりません。
次のセクションから、1つずつ確認していきましょう。
日本語の品詞
日本語の品詞分類表
品詞名 | 自立語or付属語 | 活用の有無 | 文における主な働き |
動詞 | 自立語 | 活用する | 述語になる |
形容詞 (イ形容詞) | 自立語 | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる |
形容動詞 (ナ形容詞) | 自立語 | 活用する | 名詞を修飾する 述語になる |
名詞 | 自立語 | 活用しない | 助詞がついて主語や補語になる 「だ」などがついて述語になる |
副詞 | 自立語 | 活用しない | 動詞・形容詞・形容動詞・ほかの副詞を修飾する |
連体詞 | 自立語 | 活用しない | 名詞を修飾する |
接続詞 | 自立語 | 活用しない | 文と文などを接続する |
感動詞 | 自立語 | 活用しない | 驚きなどの感情や応答を表す |
助動詞 | 付属語 | 活用する ※ | 動詞や形容詞などについて、複雑な述語をつくる |
助詞 | 付属語 | 活用しない | 名詞や動詞などについて、意味関係や伝達的な態度などを表す |
代名詞を名詞と区別する場合もある
【人称代名詞】
私は日本語の勉強が好きです。
あなたは何の勉強が好きですか?
彼が教室で待っています。
【指示代名詞】
ここに車が停まっています。
そちらにあるのは何ですか?
あの車が見えますか?
車はどこですか?
指示表現(指示詞)は、複数の品詞にまたがっている
【名詞に分類される指示表現(指示詞)】
これ・それ・あれ・どれ
ここ・そこ・あそこ・どこ
【副詞に分類される指示表現(指示詞)】
こう・そう・ああ・どう
【連体詞に分類される指示表現(指示詞)】
この・その・あの・どの
動詞
動詞とは?
雨が降る。
私には兄がいる。
動詞の種類
動詞は、さまざまな観点から分類することができます。
Ⅰ~Ⅲグループ・●●活用(活用から見る動詞の分類)
Ⅰグループ(五段活用)
書く・読む など
Ⅱグループ(上一段活用・下一段活用)
見る・食べる など
Ⅲグループ(カ行変格活用・サ行変格活用)
来る・する
自動詞と他動詞(補語のとり方による動詞の分類)
自動詞
降る・落ちる など
他動詞
しかる・かみつく など
動き動詞と状態動詞(アスペクトから見た動詞の分類)
動き動詞
書く・読む など
状態動詞
ある・存在する など
意志動詞と無意志動詞(主体の意志の有無から見た動詞の分類)
意志動詞
書く・読む など
無意志動詞
患う・失う など
形容詞(イ形容詞)
形容詞(イ形容詞)とは?
【単独で述語になる】
生きろ、そなたは美しい。
【名詞を修飾する】
青い空が見える。
【述語を修飾する】
もっと早く起きてよ。
形容詞(イ形容詞)の種類
形容詞(イ形容詞)は、意味上の観点から分類することができます。
属性形容詞と感情・感覚形容詞
【属性形容詞】人や事柄の性質・状態を表す
大きい・小さい・重い・軽い・赤い
【感情・感覚形容詞】主に人の感情や感覚を表す
楽しい・悲しい・痛い
形容動詞(ナ形容詞)
形容動詞(ナ形容詞)とは?
【単独で述語になる】
景色がきれいだ。
【名詞を修飾する】
必要なものを教えてください。
【述語を修飾する】
静かに待っていてください。
形容動詞(ナ形容詞)の種類
形容動詞(ナ形容詞)は、形容詞(イ形容詞)と同じく、意味上の観点から分類することができます。
属性形容詞と感情・感覚形容詞
【属性形容詞】人や事柄の性質・状態を表す
便利な・有名な
【感情・感覚形容詞】主に人の感情や感覚を表す
好きな
名詞
名詞とは?
【助詞がついて主語になる】
雪が降る。
【助詞がついて補語になる】
図書館で本を読みます。
【「だ」などがついて述語になる】
君こそが、真のアイドルだ。
特殊な名詞
代名詞
事物を文脈や場面に基づいて指示する名詞を「代名詞」と言います。
大きく、人称代名詞と指示代名詞に分類することができます。
【人称代名詞】
私は日本語の勉強が好きです。
あなたは何の勉強が好きですか?
彼が教室で待っています。
【指示代名詞】
ここに車が停まっています。
そちらにあるのは何ですか?
あの車が見えますか?
車はどこですか?
数量名詞
「5人」「10個」のような事物の数量を表す名詞を「数量詞」と言います。
基本的に、数量を表す部分(5・10)と名詞の数え方を表す部分(人・個)から成り立っています。
固有名詞と普通名詞
特定の事物につけられた名前である名詞を「固有名詞」・特定の事物に限定されない名前である名詞を「普通名詞」と言います。
「ダム」は普通名詞・「黒部ダム」は固有名詞です。
動作名詞
「勉強」「ドライブ」のように、それ自体は名詞として用いられるものの「する」をつけると「勉強する」「ドライブ」するという動詞になるものを「動作名詞」と言います。
副詞
副詞とは?
【動詞を修飾】
部屋がすっきりと片付いている。
【形容詞(イ形容詞)を修飾】
景色がとても美しい。
【形容動詞(ナ形容詞)を修飾】
この道具は非常に便利だ。
【ほかの副詞を修飾】
部屋が非常にすっきりと片付いている。
副詞の種類
副詞は、動きや状態のあり方によって分類することができます。
情態副詞と程度副詞と陳述副詞
【情態副詞】動作の変化の仕方や出来事のあり方を表す。
どきどき・ゆっくりと・とっくに
【程度副詞】状態性の意味のある語にかかって、その程度を限定する。
とても・ひどく・かなり
【陳述副詞】述語の陳述の仕方を表す。文末と呼応することが多い。
たぶん・もし・まるで
連体詞
連体詞とは?
この本
大きな家
接続詞
接続詞とは?
一生懸命勉強する。なぜなら、試験に一発合格したいからだ。
一生懸命勉強してきた。そして、試験に一発合格することができた。
接続詞の種類
接続詞は、接続の仕方によって分類することができます。
論理的展開・加算的関係・対等な関係・話題の転換
【論理的展開を表す】
一生懸命勉強してきた。したがって、試験に合格できるはずだ。
一生懸命勉強しなさい。さもないと、試験に合格できませんよ。
【加算的関係を表す】
一生懸命勉強してきた。そして、試験に合格することができた。
一生懸命勉強してきた。特に、基礎部分に重点的に取り組んだ。
【対等な関係を表す】
国語から勉強しようか。それとも、数学から勉強しようか。
国語から勉強すべきか。あるいは、数学から勉強すべきか。
【話題の展開を表す】
国語の点数が伸びてきた。一方、数学はまだ点数が伸びていない。
午前中はたくさん勉強できた。さて、休憩しよう。
感動詞
感動詞とは?
【応答】
はい・いいえ
【驚き】
えっ・わっ
【あいづち】
ふうん・へえ
【言いよどみ】
ええと・あのう
【呼びかけ】
もしもし・ねえ
【かけ声】
よいしょ
【あいさつ】
おはよう・こんにちは
助動詞
助動詞とは?
そろそろ着くだろう。
そろそろ着くはずだ。
吾輩は猫である。
助詞
助詞とは?
雨が降っているので、犬の散歩と買い物はやめておこうよ。
助詞の種類
助詞には、格助詞・連体助詞・並列助詞・とりたて助詞・接続助詞・終助詞があります。
雨が降っているので、犬の散歩と買い物はやめておこうよ。
「が」は、格助詞です。
述語「降っている」という動きの主体が「雨」であることを表しています。
「ので」は、接続助詞です。
犬の散歩と買い物をやめておく理由が「雨が降っている」という事態であることを表しています。
「の」は、連体助詞です。
「犬」という名詞で「散歩」を修飾するために、間に入っています。
「と」は、並列助詞です。
「犬の散歩」と「買い物」を対等な関係で結びつけています。
「は」は、とりたて助詞です。
「ほかのことはするが、犬の散歩と買い物は…」という対比を表しています。
「よ」は、終助詞です。
「やめておこう」と言い切るのではなく、確認の意図が足されています。
参考書籍
今回は、
✅ 日本語の品詞の種類
✅ 各品詞の見分け方
について、解説してきました。
を主に参考にしています。
さらに詳しく勉強したい方は、ぜひ手に入れてみてください。
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