【平成30年度 日本語教育能力検定試験 過去問】試験Ⅰ 問題9の解説!

平成30年度_試験Ⅰ

平成30年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における

 試験Ⅰ 問題9

の解説をしていきます。

お手元に、以下をご用意の上で読んでいただければ幸いです。

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平成30年度 日本語教育能力検定試験 試験問題
日本語教師としての能力を測る試験「日本語教育能力検定試験」。 「平成30年度 日本語教育能力検定試験」の問題と解答を一挙掲載! 巻末には試験の実施状況や平均点などをまとめたデータが収録されています。

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問1 適性処遇交互作用

解説 適性処遇交互作用

「適性処遇交互作用」とは、学習者の適性と処遇(教え方)に見られる交互作用のことです。
「交互作用」とは、2つ以上の要因が関係することによって発揮される相乗効果・相殺効果なので、学習者の適性に合わせて指導法を変えることで、効果がプラスにもマイナスにも働くことを示しています。

その答えになる理由

3がそのままですね。
これが正解です。

問2 認知スタイル

解説 認知スタイル

「認知スタイル」とは、情報を整理するときの処理方法のことです。
個人によって違うとされています。

さまざまな分類がありますが、今回出題されている
● 場独立型 ⇔ 場依存型
● 順序型 ⇔ 全体型
だけご紹介します。

● 場独立型
全体と部分を切り離してみるため、環境に左右されることがありません。
第二言語習得においては、全体の把握や他の要素との関連づけがなくても回答が出せる文法などに強い面があるとされています。

● 場依型
部分より全体を見る傾向にあります。
第二言語習得においては、社会的スキルや文脈からの判断などに強いとされています。


● 順序型
情報を処理するときに、一つ一つ順序立てて処理していく。

● 全体型
情報を処理するときに、全体を一度に見渡して処理していく。

その答えになる理由

選択肢を1つずつ見ていきましょう。

文法項目に注意を向けた指導を好むのは、「場依存型」でなく「場独立型」です。
1は間違いです。

コミュニケーションなどの社会スキルに焦点を当てた指導を好むのは、「場独立型」でなく「場依存型」です。
2は間違いです。

3は、後半が違います。
惑わせるための選択肢なので、意味は気にする必要はありません。

4は、何も問題ありません。
これが正解です。

問3 学習ストラテジー

解説 学習ストラテジー

「学習ストラテジー」とは、学習を進める上で個人がとる方法のことです。
大きく「直接ストラテジー」「間接ストラテジー」に分けられます。

解説 直接ストラテジー

「直接ストラテジー」とは、学習ストラテジーのうち、学習に直接影響を与えるものを言います。
大きく「記憶ストラテジー」「認知ストラテジー」「補償ストラテジー」に分けられます。

● 記憶ストラテジー
記憶を定着させるために取る方法のことです。
語呂合わせや、繰り返し音読する等が該当します。

● 認知ストラテジー
言葉と言葉を関連づけたり、より大きな枠で取られるなと、認知的な理解を促進させる方法のことです。
教科書の内容をノートに自分の言葉でまとめる等が該当します。

● 補償ストラテジー
前後の文脈や背景知識を使って、言語の知識不足等による理解の支障を補っていく方法のことです。

解説 間接ストラテジー

「間接ストラテジー」とは、学習ストラテジーのうち、学習の環境を整えたり、学習へのモチベーションを保ったりと、間接的に学習を支えるものを言います。
大きく「メタ認知ストラテジー」「情意ストラテジー」「社会的ストラテジー」に分けられます。

● メタ認知ストラテジー
自分自身の学習状況について客観的に観察し、把握するための方法のことです。
自身の得意・不得意を把握して学習計画を立てる等が該当します。

● 情意ストラテジー
自分の精神的な安定を保つためにとる方法のことです。
発表前に気持ちを落ち着かせる等が該当します。

● 社会的ストラテジー
人間社会や環境を利用する方法のことです。
母語話者の友人に質問したり、図書館で勉強したりする等が該当します。

その答えになる理由

選択肢を1つずつ見ていきましょう。

1 「間接ストラテジー」における社会的ストラテジーの例です。
2 「間接ストラテジー」におけるメタ認知ストラテジーの例です。
3 「直接ストラテジー」における認知ストラテジーの例です。
4 「間接ストラテジー」における情意ストラテジーの例です。

3が正解です。

問4 不安

その答えになる理由

これは、説明不要ですね。
1が正解です。

問5 内発的動機づけ

解説 内発的動機づけ

「内発的動機づけ」とは、興味がある・面白いといった自分の内側から湧きおこる動機づけのことです。

解説 外発的動機づけ

関連する用語も合わせて整理してしまいましょう。

「外発的動機づけ」とは、ほめられたい・見返りが欲しいといった何らかの報酬を得ることが目的である動機づけのことです。

その答えになる理由

選択肢が「外的要因」なのか「内的要因」なのかを見ていきましょう。

1 外的要因なので、「外発的動機づけ」です。
2 外的要因なので、「外発的動機づけ」です。
3 外的要因なので、「外発的動機づけ」です。
4 「協同的に」が内的要因…でしょうか。これが正解です。

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